連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第531回「青木真也に勝つケツ意」
私の所属するDDTプロレスが,何を思ったか2019年7月15日の海の日に,大田区総合体育館で無料大会を開くのね。私は今,コンディションが芳しくなくて試合数を絞っているから,この大会に出るんだか出ないんだか分かんなかったんだけど,出ることが決まったの。青木真也選手とのシングルマッチというカードで。
日本有数の総合格闘家として有名な,あの青木真也選手。どうやって戦えばいいか,本当に不安なのですよ。またしてもゲイムに逃避する日々が始まるわけね。
というわけでゲイムの話に。この連載でも何回か述べているけど,私はサッカーが好きでゲイムも好きなので,そりゃまあ半ば自動的にサッカーゲイムが好きってわけ。
大学生時代にアルバイトで稼いだお金で最初に買ったゲイム機がセガサターンだったのも,「Jリーグプロサッカークラブをつくろう!」をプレイしたかったから。
当時,Jリーグが発足してサッカーゲイムがたくさん出ていたの。でも,自分が選手をいっさい操作しないシミュレーションゲイムとしてのサッカーゲイムはなかったから,シミュレーション好きの私としては事前情報からビンビンきてたのね。で,結果的にどハマりしたのよ。以降,「サカつく」シリーズはほぼプレイしてきたわ。
でも。時代の移り変わりなのか,ここしばらくゲイム専用機向けの「サカつく」は発売されていないの。スマホ用のゲイムとしては「プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド」(iOS / Android)なんかがサービスされているんだけどね。
あ,公平に述べないと自分自身が気持ち悪いんでちゃんと言及するとですね,スマホ版はスマホ版でちゃんとサカつくしているわよ。シミュレーションゲイムとして,しっかりとサカつくの面白さを表現している。基本プレイは無料で,お金を使わなくてもしっかりサカつくの味は楽しめるので気が向いたらぜひ。
私もまあまあプレイしたんだけど,サカつくはゲイム専用機でプレイしたい気持ちが強かったから,今はちょっと距離を置いているところね。何が言いたいかというと,ゲイム専用機向けにはサッカーシミュレーションゲイムが最近出ていないなあって話。
とはいえこれもね,もともとはスマホ用のゲイムだったものを,Nintendo Switchに移植したという形なんだけども。カイロソフト,こういう感じでスマホ向けにリリースしてきたものをNintendo Switchにダウンロード専用ソフトとして移植してくれているのよね,最近。
で,私としてはカイロソフトの作品をNintendo Switchでプレイする機会が増えているんだけど,どれも外さないのよ。シミュレーションゲイムとして,確実に面白いものを提供してくれるの。いろいろなテーマのシミュレーションゲイムを出していて,私が遊んだ範囲では一つもハズレはなかった。個人による好き嫌いはあるだろうけどね。その中でも私は今回プレイした,サッカークラブ物語が一番好き。サッカーシミュレーションゲイムが好きだからってのもあるだろうけど。
このゲイムの何が凄いって,まったくもってリアルさはないのよ。グラフィックスもドット絵でリアルとはほど遠いし,試合シーンも反則という概念がないからオフサイドし放題だし相手をぶっ倒し放題。PK戦もないから引き分けになったら負け扱い。選手も実名ではないうえに人間じゃない選手だって出てくる。でも,面白い。もう,なぜ面白いのか分からないけど面白い。そこが凄い。
シミュレーションゲイムってある種の作業なんだけど,プレイヤーを作業させるようにうまく導いてるんでしょうね。そして,プレイすればするほど主人公……このゲイムの場合は自分のクラブが強くなっていくのを実感できるのよ。そんな,シミュレーションゲイム好きのツボを押さえきっているから,リアルじゃなくても面白いんだと思う。悔しいことに。
複雑なはずのシミュレーションゲイムがシンプルなのに面白いって,どういうことなのかしら。激オススメね。少なくとも,私は価格である1200円(税込)分以上は楽しんでいるわ。
私も,カイロソフトのような戦い方をしたい。私が対戦する青木選手なんて,ゲイムで言えば超大作なのですよ。めちゃくちゃ強い。その方向で戦っても勝ち目なんかないわ。でも,じゃあ超大作じゃなければ人を楽しませることはできないのか? 否。断じて否。
私が総合のリングで青木選手と戦ったら,そりゃ確実に秒殺されるでしょうよ。ただ戦うのはプロレスのリングで,しかもゲイレスラーの私を許容し続けてきたDDTプロレスでの試合。超大作がヤらないような方法でアプローチして結果を出すしかない。
格闘技に詳しくない皆さんはよく総合格闘技とプロレスの戦いを同じように見ますがね,違うのよ。私の見立てで簡単に言えば,総合格闘技は“無駄をどれだけ省くか”,プロレスは“どれだけ無駄を入れて成立させるか”という違いがあるのです。なので,プロレスのリングで戦う以上は,私がいかに無駄を作り出せるかが勝負のカギとなるでしょうな。
私は勝つつもりよ,もちろん。そのヒントをサッカークラブ物語というか,カイロソフトが教えてくれた感じかしらね。グラフィックスが優れているから面白いわけではない,実名選手が出てるから面白いわけではない,リアルであるから面白いわけではない。ちゃんと押さえるところを押さえておけば,ちゃんと戦える。見ている人の心に刺すことができる。
その戦い方で超大作に勝つことができれば,こんな痛快なことはない。相手は強い。でも私は勝つよ! 私が負ければそれはカイロソフトの負けを意味するのだ! 私,カイロソフトのゲイムを遊んでいる一人の消費者にすぎないけど! もちろんカイロソフトの誰とも面識はない。でも背負う! それくらいサッカークラブ物語が面白かったんだってば。
……とまあそんな感じで勝手にカイロソフトを背負って戦うケツ意を抱いた一週間でした。ではまた来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」
Nintendo Switch:「サッカークラブ物語」
iOS:「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」
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