連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第519回「生きている以上,死は避けられない」
……いや,それすらよく分かってないのかも。だから,内容やら本質やらを見もせずにネットニュースの見出しだけで怒る人にはなっちゃいかんなあと思っているわ。見出しに釣られることはあるだろうけど,内容を吟味するのは自分の仕事というか責任だからね。見出しに怒って内容を批判したり,見出しを書いた人のほうを攻撃するのはまあまあのお門違い。
もちろん見出しに悪意が込められている場合もあったりするけど,その場合でも本文をしっかり読んで何を言いたいのかを吟味したうえで,自分の感情をぶつけるべきだと私は思うの。まあ,それくらい見出しは大切だって話でもあるんだけども。
ネットは手軽に文字が残るから,発信する側はそういう時代だと思って過ごさなきゃいけないのは仕方がない。ただ,逆に自分が情報を得る側の場合は見出しだけで物事を判断しないようにしなきゃな,と思っている次第です。
……話が逸れがちなこの連載だけど,今回はさっそく話が逸れたわね。元に戻そう。そんな世の中のことが分かっていない私にも,一つ分かっていることがあって。それは,“生きている以上,死は避けられない”ってこと。これが言いたかった。
まだ死んだことはないから死そのものについては分からないけれど,きっと私はいつか死ぬ。死に方は分からないわ。いつ死ぬのか,どうやって死ぬのかは分からない。だけど,死ぬことだけは分かっている。
ここまでの人生,私はそこそこ充実していて,いつ死んでも後悔はないって思ってはいるんだけど,それでも死は怖くて生き続けたいとも思っているの。
ゲイムとしては,農場系のシミュレーションのような,アドベンチャーのような。世界観を紹介すると,主人公が老婆なのですよ。昔はたくさんの子供と暮らしていた農園で,今は一人で暮らしているっていうシチュエーション。
で,生きていくために農作物を作って,家畜からミルクを絞って加工して,たまに来る行商人と取り引きしてお金を得る。そして,たまに来る子供からの手紙を楽しみに毎日を過ごしていく。老婆が人生の終わりに何を感じるのか。そういうゲイム。
先に言うと,私はこのゲイムをエンディングまで見ていないわ。ただひたすら農作物を作って,ミルクをチーズにし,一日一食の食事を延々と繰り返している最中。ひょっとしたら,物語性があるのかもしれない。子供から来る手紙が何かを動かすことがあるのかもしれないし,たまに来る行商人との駆け落ちエンディングがあるのかもしれない。
そこら辺のストーリーについては語れないけれども,このゲイムをプレイしていて,ほかのゲイムでは得られない感情の動きがあったことを語りたくなったの。
人生の終わり。孤独。それでも生きるために必要な食糧。そして,お金。自然。音。これらのパーツがゲイムには散りばめられていて,それぞれのパーツでプレイする人がどう感じるかっていう,ある種プレイヤーである我々が試される作品ね。
私は,この老婆が意外と落ち着いているのが凄いなって思っていて。死への恐怖におののくでもなく,孤独に押しつぶされるでもなく。ゆっくりとその瞬間を待っているような,それでいて生きている限りは生きることを諦めないような。そういった強さを感じたわ。
これはね,多くの人にぜひ一度プレイしてほしいゲイムね。で,心が弱ったときにこのゲイムについて思い出してほしい。それくらい,独特のゲイム。このゲイムでしか味わえない感動がある。
今週は,このThe Stillness of the Windを通して人生においてのいろんなことについて考えさせられました。やっぱりね,目的があれば生きていける。それは正しいんだけど,逆に今目的を持っていない人も,生き続けたら目的のほうが近付いてくるかもしれないんです。だから,生きなきゃいけない。今はすべてであってすべてじゃない。今,うまくいかないからってこの先もそうだとは限らない。逆もまた。
だから,生きましょう。そこに上も下もない。叩くほうが偉いわけでもないし,叩かれるほうが偉いわけでもない。上下をつけるために叩くことのなんと愚かしいことか。言葉は基本的に伝えるためにある,と私は思っている。だから,気にせず生きよう。そう思った今週でした。ではまた来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」
Nintendo Switch:「The Stillness of the Wind」
iOS:「龍が如く ONLINE」
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