男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第442回「過ぎ去りし時を求めたい」

著者近影

　えにつくすたいとうこなみなむこつとこなみ

　うろ覚えの「ふっかつのじゅもん」を入力したらちゃんと認識されて，小学生だった頃の記憶も捨てたもんじゃないなと思っている男色ディーノ40歳ですこんにちは。まあ，こちらはこちらでゲイム進行的に進んでいるから，あまり意味はないんだけど。あ，もちろん「ドラゴンクエストXI　過ぎ去りし時を求めて」（PlayStation 4 / ニンテンドー3DS）の話ね。
　今回のドラクエには，「ドラゴンクエスト」と「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」のふっかつのじゅもんを入力すると，ちょっと有利な状態でスタートできるという仕様があるのね。ま，その場合は名前が選べないから感情移入しづらい主人公で始めなきゃいけないことにはなるんだけど。
　というか，今回のふっかつのじゅもんの仕様によって，主人公の名前は感情移入をするうえで重要な要素なんだなって，私としては再確認できたのよね。自分で名前をつける。これは古今東西万国共通の感情移入の方法なのよ。
　よくよく考えてみれば，暮らしている地域によって言葉も文化も信仰する神も違うはずなのに，子供に名前をつけるっていうのは，地球上でほぼほぼ共通した儀式なわけじゃない。畜産の世界では動物に名前をつけないほうがいいって聞くけども，それもきっと同じことなのよね。名前をつけたら情が移ってしまって，別れがつらくなってしまうかららしいのよね。それほど，名前をつけるということは気持ちを入れるうえで重要な儀式なの。感情を揺さぶってしまうくらいに。
　私も名前をつけたことで感情が入ってしまった経験があるわ。小さい頃，やたらキレイなコリー犬の野良犬がいるなーと思って友達と一緒に名前をつけて裏山で飼っていたの。私の家も友達の家ももう犬は飼っていたから，親には内緒でこっそりと。ポセイドンって名前をつけて。
　すると3日後には飼い主が現れて連れ去られたわ。泣いたねー。その時の状況，実はよく覚えていないんだけど，悲しかったことはやたら覚えてる。そして，そのコリーがポセイドンって名前にピンと来ていなかったのか，呼んだところで無反応だったことも。あの時，名前をつけていなかったら，きっとあそこまで悲しくはならなかったと思うの。そういうことなんですよ。

　今回もまた，ゲイム内容についてはあまり書けていないけれども。ドラクエがドラクエである理由の一つに，感情移入度が半端じゃないって点が挙げられるわ。よく言われていることだけど，シリーズを通して，主人公は決して饒舌ではない。多くの場合，「はい」「いいえ」を選ぶのみ。でも，無味乾燥なわけではなく，ちゃんと感情移入できる。この凄さって，もっともっと評価されていいと私は思うの。
　先週も触れたけど，私達が思っている以上に，ドラクエはさまざまなものを積み上げてきているから。王者であるために。もっと言うと，我々プレイヤーのために。プレイすればするほどそう思うわ。戦闘に飽きが来ない。各地域で問題が起こった時，タイミングよく主人公一行が現れすぎじゃ？　と思わなくもないけど，それでも感情移入できる。
　ほかにも私が気付いた楽しい部分を羅列すると……。難易度のバランスが素晴らしい。カジノでいい装備をそろえても，ゲイムバランスがひどく崩壊するようなことはない。ゲイムを再開する時に，あらすじ教えてくれるからメインストーリーを見失うことがない。RPGなのに，キャラを動かすアクションにストレスがない。普通にプレイを進めていくと，適度に金欠に陥る。「ふしぎな鍛冶」がクセになる。カジノの「マジックスロット」，略してマジスロに力が入りすぎているところには若干引いたけど，なんだかんだで面白いからヤッてしまう。朝昼夜という概念は，そこまでゲイムに影響を与えないながら，あるのとないのとでは世界の深みが違うんだろうなと思わされる。寄り道要素のクエストは，そこまで難しくないがゆえにムキになって受注したら即こなしてしまう。情報がすっきりしていて，地図を見ながらプレイすれば変な迷い方はしない。

PlayStation 4版「ドラゴンクエストXI　過ぎ去りし時を求めて」

　……たぶん，探せばもっとあるんだろうけど，ざっと思いつく範囲でこんな感じかしら。あ，どうでもいいけど，もう一つ今回のドラクエの素晴らしい点があったわ。
　今回，サブタイトルが「過ぎ去りし時を求めて」なんだけど，今のところ私，カジノで20時間くらい遊んでるのね。PlayStation 4版なんだけど。で，寝る時にはセーブせずに本体をスタンバイ状態にして，次の日に再開するってのを繰り返していたの。
　そんなある日のことですよ。PlayStation 4本体をスタンバイから復帰させたら，本体のシステムアップデートがあるってアナウンスがあったんで，いつものクセでアップデートを始めちゃったのね。で，青ざめるよね。そういえば，しばらく教会でセーブしていなかったわけで。アップデートするために，アプリケーションを終了してしまったんですよ。
　一気に失われた。文字どおり，過ぎ去りし時を求めたい状態。時も去ることながら，数十万枚のコイン。過ぎ去りし数十万枚のコインを求めて。こんなにつらい思いをするなら，生まれてこなきゃ良かったって思ったよね，一瞬。
　でも。やっぱドラクエは最高ですよ。なぜなら，オートセーブ機能があるから！　カジノの建物に出たり入ったりする時に，オートセーブされていたのですよ。おかげさまで，失われた時は1時間程度，コインにすると1万〜2万枚で済んだわ。それでも十分多いと思われるかもしれないけどね，20時間数十万枚だと思えばかわいいもんですよ。ドラクエIIの頃，やたら長いふっかつのじゅもんで多くのプレイヤーに涙をのませていた過去を思えば，進化したもんですよ。
　そういう意味で，オートセーブ機能があるってのは，思わぬ事故で心が折れるプレイヤーを減らしていると思うわ。割と真面目に。そして，こういう，ちょっとした部分でもユーザーフレンドリーなドラクエは，やっぱり王者であるべくして王者なんだな，と思った次第。

PlayStation 4版「ドラゴンクエストXI　過ぎ去りし時を求めて」
ニンテンドー3DS版「ドラゴンクエストXI　過ぎ去りし時を求めて」

　で，結局今回は何が言いたかったかというと，けっこうプレイしているけど，まだ飽きる気配がないってこと。あとは，恥ずかしがらずにちゃんと自分で名前をつけたほうが面白いってこと。どうせなら，ゲイムから与えられるだけではなく，自分からも楽しくなりたいじゃない。そういう意味での楽しむための攻略情報ととらえていただければ。
　来週もドラクエについて触れるかどうかは定かではないけど，でも，今日以降も引き続き，飽きずにプレイできるんだろうなあ。今からでも遅くないんで，プレイできる方はぜひ。それではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4：「ドラゴンクエストXI　過ぎ去りし時を求めて」
PlayStation Vita：「GOD WARS 〜時をこえて〜」
Nintendo Switch：「ARMS」
ニンテンドー3DS：「Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼」
iOS：「クラッシュ・ロワイヤル」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，8月20日に両国国技館大会「両国ピーターパン2017〜ピーターパン　二十歳になっても　ピーターパン〜」を開催します。これに向けて，ここ最近のディーノ選手は営業活動に勤しんでいるとのこと。「今年ぐらいは営業を頑張ってみようかと思って……」と語っていました。どんな心境の変化があったのでしょうか。