男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第419回「勉強は選択肢を増やすための基礎作り」

著者近影

　はいどうも！　毎度おなじみ，ゲイレスラー・男色ディーノです。今さらだけど，「ゲイレスラーって何だ？」と問われたら，「ゲイのプロレスラーだ」と答えるしかないんだけど，そうするとたいてい次に質問されるのは「いつからそうなった？」って部分なの。
　今思うと，高校時代のサッカー部部室の酸っぱい匂いが嫌いではなかった時点で，変だなとは思っていたのよ。でも，本格的に自覚したのは，大学に入りたての頃に広場でヤっていた学生プロレスを見てから。人前で半裸の男達がくんずほぐれつしている様を見て「あ，これヤってみたい」って。
　だから，ゲイであることと，アマチュアではあるもののプロレスラーであること，その二つの自我の芽生えは同時なのね。なので「大学に入ってから」がゲイレスラーとしての私のキャリアのスタートなの。でも，それってあくまで私の人生の中の“ゲイレスラー”という部分の話。
　つまり，私の人生における一つの選択肢の話に過ぎないのよね。私，人生って歩く道をたくさんの中から選ぶことはできるけど，実際に歩ける道は一つしかないって思っているの。で，結果的に私はゲイレスラーを選んだ。ほかにもいろんな選択肢はあっただろうけど，この道を歩いている。

　ところで，私は学生時代に「学生のうちの勉強なんて，社会に出たら役に立たない」って思っていたの。だけどそれって，半分正しくて半分間違いだったのよね。確かに，社会生活において元素記号なんて基本的には使わないし，歴史の年号に至っては変更されちゃったりもしている。冥王星だって，惑星じゃないことになったわ。そういう意味では学生のうちの勉強って，意味なんてないのかもしれない。
　でもね，今の私はこう思うの。「勉強したことが役に立つかどうか，そんなもんどうでもいい」って。要は，勉強ってのは，多くの人にとっていい大学に入るためにするものなのね。社会に出てから役に立つかどうかなんて関係ない。厳密に言えば，物事の考え方を学ぶうえでは役立つんだけど，そのことに気付けるのって勉強している時点ではなく，だいぶ大人になってからなのよ。
　なので，学生のうちの勉強なんて，いい大学に入って，いずれ就職するときの選択肢を増やすための作業。だから，社会に出てから役に立つかどうかで言うと，自分が望む道に進むため……という意味では役に立つし，日々の生活を送るうえではたいてい役に立たない。
　だから「どうせ将来，役に立たないでしょ」って理由で勉強をしないのは間違っているよ！　って高校時代の私に伝えてやりたいわ。そして，あの頃の私にもう一つ伝えたいことがあるの。それは，「あんた，けっこう楽しい人生を歩けているよ」ってこと。
　さっきも言ったとおり，勉強ってのは選択肢を増やすための基礎作りなのね。そりゃ，選択肢が多いに越したことはない。でもね，それって人生で持つべき能力の中では優先順位は低いの。あくまで私の中では。それよりも，ちゃんと自分にとって正しい選択ができるかということのほうが大切なの。
　多くの選択肢の中から失敗（失敗の定義にもよるけど）を選ぶか，少ない選択肢だけど自分にとって正しい選択をできるかでは大違いだからね。ケツ断力。これこそが一番大切だと私は思うわけです。そうやって選んだ中で，自分なりの道を持ち，それを極めていく。楽しい人生じゃありませんか。

　てなわけで，「三國志13 with パワーアップキット」（PC / PlayStation 4 / PlayStation 3 / Xbox One。Nintendo Switch版は3月30日発売）。その名のとおり，「三國志13」（PC / PlayStation 4 / PlayStation 3 / Xbox One）がパワーアップした作品ね。
　三國志13というと，武将プレイ，すなわち君主だけでなく武将になって三國志の世界を楽しめるというプレイ方法がウリなのね。で，今回のパワーアップ要素として，「威名」という要素が生まれたの。私でいう「世界NO.1ゲイレスラー」って部分ね。いや，「世界NO.1」ってのは，今私が勝手につけたんだけど。要は，ゲイレスラーという職業で道を極めると，どんどん威名がいかつくなってくるってこと。
　今作の場合，例えば弁舌が得意な武将になってその道を極めていけば，どんどん威名がいかつくなってくるって話ね。もちろん国家の興亡がゲイムの魅力なのでそれも味わえるんだけど，三國志の世界における武将の人生というものもより深く体感できるようになった。


　そして細かいことを言うと，プレイ中のイベントが多く発生するようになった。確かこの連載で三國志13を扱ったとき，「イベントが多く発生すればいいな」って書いた気がするけど（関連記事），まさに偶然にもその希望どおりになったわね。なので，私的にはさらに隙がなくなった印象ね。まさに，三國志の世界に没頭できる作品に仕上がってるわよ。三國志好きならば，そして戦略シミュレーション好きであるならばぜひ体験してほしいわね。
　その世界での人生の選択肢が増えた。これだけでワクワクするじゃない。スペックが低い武将でも，立ち回り次第で天下が取れるわけで。言ったでしょ？　正しいケツ断力こそが人生においては必要な能力だって。三國志13 with パワーアップキットもまた，人生の縮図ってことよ。あ，そうそうチュートリアル的な「英傑伝」も面白いし，オススメですよ！
　自分のスペックが低いと嘆いている人は，主に私を見習ってほしいわね。スペックはどう生かすかにしか意味はない，人生を楽しめるかどうかなのだ！　あきらめる必要なんてなにもない！　ってね。


　というわけで，今週は三國志13はパワーアップキットでちゃんとパワーアップしていて面白いって話をお届けしました。スペックが低くても天下は取れる！　……でも，逆に言えば，個人のスペックが低いよりは高いほうが人生というゲイムの攻略はしやすいってことでもあるんだけどね……誰だ“無理ゲー”だなんて言ってんのは！　……現実はつらいのう。
　でも！　楽しければそれで良し！　天下獲るか否かだけじゃねえ！　自分らしく生き抜いたかだ！　そんな詭弁と共にまた来週！　そうは言っても勝ちは目指したほうがいいよ。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4：「三國志13 with パワーアップキット」
PlayStation Vita：「レイジングループ」
Wii U：「Splatoon（スプラトゥーン）」
ニンテンドー3DS：「ポケットモンスター サン」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，今週末の2月25日に千葉・Blue Field大会「Road to SUPER ARENA～ドラマティック・ドリーム・トーキョーベイ～」を，翌26日に群馬・ヤマダグリーンドーム前橋サブイベントエリア「Road to SUPER ARENA～ドラマティック・ドリーム・TONTON～」を開催します。ディーノ選手によると，3月20日のさいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ大会「Judgement2017～DDT旗揚げ20周年記念大会～」に向け，「千葉と群馬を埼玉にしてやる！」んだそうです。