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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第307回「私のケツ場は敗北ではない」
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印刷2014/11/27 13:30

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第307回「私のケツ場は敗北ではない」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第307回「私のケツ場は敗北ではない」

著者近影
画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第307回「私のケツ場は敗北ではない」
 この連載が毎週木曜日に更新されるのはご存じのとおり。だから基本,この一週間で身の回りに起きたことを中心に話題を展開することになるわけ。そして,昔と今とでは言ってることがちょっとずつ変わっているかもしれないのも,まあ仕方ない。だって,その瞬間のテンションで原稿を書いてるんだもん。
 でもね,今まではそれで良かったと思うのよ。土日でプロレスの試合をして,その次の日に原稿を書くというルーチンがあったから。それがね,今週は崩れたのね。
 というのも,とうとうケツ場に入りまして。プロレス活動休止。腰痛で。今までの私のアイデンティティは「試合に穴を空けずに相手の穴を開ける」というものだったんだけど,とうとうケツ場しちゃった……
 ただね,講談社の週刊少年漫画雑誌に連載されている超長寿ボクシング漫画で,今週(っていうかこの連載が掲載された時点では先週)めちゃくちゃいいことを言っていたのよ。鷹村が。要約すると,負けて言い訳をするのは潔くないとか見苦しいとか周りは思うかもしれないが,負けて立ち上がる人間には嘘でも理由が必要だろ? と。完敗を認めるのは終わった人間がすることだ,と。終わってないなら,終わりたくないなら,どんなに惨めでもみっともなくても強がってみろ,と。それが強さを競う世界での立ち上がり方だ,と。完敗を認めたヤツが次を語るんじゃない,と。
 いやー,響いたわね。だから私も強がってみるわ。私のこのケツ場は敗北ではなく,戦略的撤退。最後に勝つための。私ももう,37歳,若くはないわ。でもね,もう戦えないのかといったらそうでもない。私は私の勝負したいポイントでは,誰にも負けてない。負けたことがない。だから続ける。私がそう信じてやらなきゃ,誰が信じるよ?
 ここまで長々と書いてきたことをまとめると,「自分が負けと認めなければ,たとえ負けていてもそれは断じて負けではない」っていうだけなんだけどね。これ,実は別の漫画作品でも同じようなことが描かれていたことを思い出したの。その漫画とは何を隠そう,「ドラえもん」。


画像集#003のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第307回「私のケツ場は敗北ではない」
 今週はね,ニンテンドー3DS版の「藤子・F・不二雄キャラクターズ 大集合!SFドタバタパーティー!!」Wii U / ニンテンドー3DS)を紹介するわ。最初に言っておくけど,これ,めちゃくちゃ面白いわよ。ファミコン時代にも何度か藤子・F・不二雄作品はゲイム化されてきたけど,それと同じようなものをイメージしてプレイしちゃいかんぞ。いや,完全に自分に言ってるだけなんだけど。
 ゲイム内容としては,すごろく+ミニゲイム集という形のパーティゲイム。任天堂にもこういうパーティゲームはあるけど,アプローチの仕方が全然違う。
 一応の目的は,藤子・F・不二雄漫画のキャラクター達を集めること。それがもう,楽しいのよ。私,世代的にもけっこう藤子漫画については詳しいほうだと思っていたんだけど,全然そんなことなかったわ。
 「ウメ星デンカ」のベニショーガがゲイム中のなかまキャラクターとして出てくるんだけど,それに関しては謝るしかない。「T・Pぼん」も,存在を知ってはいたけど読んだことはなかった。つまるところ,私は藤子・F・不二雄先生の作品を知った気になっていただけだったわ。このゲイムをプレイして,本当に思い知らされた。そして,これを機に読んでみようと思った。
 で,このゲイムはそんな藤子・F・不二雄作品のキャラクターを集めるのが面白味なんだけど。いろいろな作品のキャラクターが仲間になっていくのがね,本当に楽しいのよ。これに尽きる。これは漫画の世界観や,キャラクターの魅力を最大限にゲイムに落としこんだからこそ生まれている楽しさなんだと思うわ。愛がある。プレイしていて,イヤな気持ちにならないのよ。
 もちろんゲイムだから,仲間を横取りされたり行動の邪魔をされたりすると悔しい気持ちは生まれるわ。でも,それはのび太がジャイアンにいじめられたかのような感覚として受け入れられるの。分かる? ちゃんと,その世界の中で悔しい気持ちになれるってことよ。だからイヤな気持ちにはならないのね。
 ヘビーなゲイマーにはオススメはしないけど,ドラえもんが好きであれば,仮に藤子・F・不二雄先生のほかの作品を読んだことがなくても,オススメできるわ。だって,プレイしているうちに読みたくなるもん。ルールも簡単だし。
 だから,比較的ライトなゲイマーにオススメなのかもしれないわね。友達とプレイしたらさらに面白いわよ。いや,ホントファミコン時代のイメージに囚われないで! 本当に面白いから!

画像集#004のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第307回「私のケツ場は敗北ではない」 画像集#005のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第307回「私のケツ場は敗北ではない」
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 ドラえもんが未来に帰らなきゃいけなくなったとき,のび太は自分の身一つでジャイアンに挑んだわよね。「一人でジャイアンに立ち向かわなきゃ,ドラえもんが安心して未来に帰れないから」って。殴られても殴られても,のび太は負けを認めない。そして,のび太のしつこさに,最後にはジャイアンが「俺が悪かった,俺の負けだ」って負けを認める。そういうエピソードがあったわ。
 こんな物語を描いた藤子・F・不二雄先生の凄さたるや。確かに,ひみつ道具には夢があるわ。でも,それだけじゃない。藤子・F・不二雄先生が伝えたいのはそれだけにとどまらない。どんな便利な道具でも,使うのは人間で,その使い方次第で毒にも薬にもなる。ドラえもんは道具を通していつもそう語る。
 ドラえもん以外の作品でもそう。キャラが立っていたり,主人公の特殊能力に夢があったりもする。ただそれだけでも読者は楽しい。でも同時に,各作品にきっちりテーマが内包されている。子供の頃は分からなかったことが,大人になると分かるようになったりもする。そういう表現で,藤子・F・不二雄先生は私達に語りかけてくる。
 そうだ。いくつになっても,夢を見ていいんだ。ドラえもんで,藤子・F・不二雄作品で考えるところがあるうちは,まだまだ伸びしろがあるんだ。だから,私のケツ場は敗北ではない。学べる自分がいる限り,まだ伸びしろはあるんだから。

 ……という一週間でございましたよ今週は。ちなみに今回紹介したゲイム,「へー,ゲイムの連載持ってるんだー,最近おすすめのゲイムない? ってモンハンのためだけに3DSを持っているような人に聞かれたとき,オススメしたいゲイム・オブ・ザ・イヤー2014」の暫定王座に君臨しております。本当に興味があればぜひ。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2015
PlayStation 3:「実況パワフルプロ野球2014
PlayStation Vita:「絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode
PSP:「サモンナイト5
Wii U:「ゼルダ無双
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「藤子・F・不二雄キャラクターズ 大集合!SFドタバタパーティー!!
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
本文でも触れているとおり,ディーノ選手は現在,腰痛のためプロレスをケツ場中。なお,DDTプロレスは今週末の11月30日に後楽園ホール大会「God Bless DDT 2014」を開催しますが,当然,ディーノ選手の試合はありませんので,ご注意ください。でもたぶん男性の場合,いつもよりも気楽に観戦できます。
  • 関連タイトル:

    藤子・F・不二雄キャラクターズ 大集合!SFドタバタパーティー!!

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    藤子・F・不二雄キャラクターズ 大集合!SFドタバタパーティー!!

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