連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第292回「“カッコいい”が変わってきた」
どうしてそう思ったかというとね,最近“カッコいい”について考えてみたら,小さい頃に思っていた“カッコいい”と,今思う“カッコいい”が変化していることに気付いたからなのよ。
それだけならまだいいの。ただの成熟と言えなくもない。でも! ここからが衝撃。「ドラゴンボール」も,最後のほうでは敵味方関係なく何段階かパワーアップしたでしょ? そう。私の“カッコいい”も,今と小さい頃の間にもう一段階あったんじゃねーかということにも気付いちゃった。要は,今の“カッコいい”は,青年の頃に思っていた“カッコいい”とも違うってことね。
思えば“カッコいい”にも,いろいろな種類がございましてね。その中のどれを“カッコいい”と思うのか。自分はどれを目指すのか。それはまさに,自分の人間としての生き方を映し出す鏡であると。そう言っても過言じゃないと思うわけ。
小さい頃はご多分に漏れず,ヒーローに憧れていたわ。エースで4番。みんなの注目を浴びるような存在に目が向いていた。でも,現実はそうじゃない。エースで4番になれる人間なんてほとんどいない。突きつめるとプロ野球選手にすら1人もいない。エースはおろか,ほとんどの人は4番バッターにもなれない。そういうことに,年を重ねるごとに気付くのね。
もちろん,エースも4番もカッコいいのは変わらない。でも,私が目指すべきカッコ良さではない。やがて私は,バントをする人がカッコいいと思うようになった。点を取るためにベストを尽くす人。その格好良さが分かるようになったのね。すなわちライトで8番,でも試合に出続ける人。それが,青年期の私が目指したカッコ良さ。
でもね,37歳になった今,私が思うカッコ良さは,さらに違うものなの。ここまで野球に例えてきたから,引き続き野球に例えるけれども,今の私が目指すもの,それはレギュラーでもなくて何なら選手でもなくて,球場を綺麗にするグラウンドキーパー。これがカッコいいと思うようになった。
もちろん,ピンポイントでグラウンドキーパーのほうがカッコいいって言ってるんじゃないわよ。あくまでものの例え。お客さんが楽しむコンテンツの陰では,いろんな人が誇りを持って仕事をしている。そこに気付いて,それをカッコイイと思えるようになった。そして自分もそんなカッコ良さを目指したくなった。そういう話。
もちろん,お客さんは商品,野球の場合は選ばれた選手によるプレイを見に来ているわけだから,その商品の魅力自体は大事よ。商品の力や宣伝の力で経済活動が回っている側面は無視できないから。でもね,自分の人生の主人公は自分しかいないわけ。たとえエースでなくとも,4番でなくとも。
だから,誰が見てるわけでもないのに,主人公にふさわしく誇りを持って自分にできる仕事をする人はカッコいい。37年生きてきて,そう思うようになった。
さて。そんなことを言いつつも,一応は私もプロレスラーという人気商売でしてね。言うなれば“カッコいい”と思わせる側の職業なわけ。一般的には“プロレスラー”というと,“強さ”が絶対的な基準なような印象があるだろうけども,実はそうじゃない。単に,世間が“プロレスラーは強い”と思っているから,強くないといけないだけの話。
あ,勘違いしないでね。プロレスには相手を倒すという目的がある以上,もちろん強さも重要よ。私が言いたいのは,そういった競技としてのプロレスの話じゃないの。エンターテイメントとしてのプロレスの話。
というのも,経済活動でもあるわけだから商品としての価値が何よりも必要とされてくる。何なら強さよりも。プロレスという競技の性質上,強さは商品価値になるから強いに越したことはないわ。でも,それだけじゃない。“カッコいい”って感情は,言い方を変えると“応援したい”って感情にも似ているわけ。で,見ている人の中にそんな感情を呼び起こす人にこそ,商品価値が生まれてくるわけね。
私はというと,4番でもエースでもないわ。もっと言うと,プロレスの才能が無いのは自覚してるのよ。だから,性癖を開放してみたの。「分かる人に分かればいい」。そういうスタンスで今までヤってきたわ。それが,青年の時代。
でもね,中年になった今思う。やっぱり,人気は幅広いほうがいい。いろんな層から支持されているほうが,商品としては強いんだな,と。「ドラゴンクエスト」シリーズは,どの層からもまんべんなく愛されるからこそ国民的ゲイムなわけで。
とはいえ,私の戦略としてこれまでヤってきたことも間違いではなかったと思っているわよ。普通にプロレスをヤる才能がないから,性癖という付加価値をつけて商品にする,という戦略で,今まで食ってこれてるんだから。
でも,問題は過去ではなく未来。これからどうするかってこと。私は性癖という,人間として最後の秘密をプロレスのキャリアの最初から晒してここまで来た。そんな私が,今できることはナニ? 今さら,性癖を変えることは出来ない。でも,幅広い層から支持を受けたい。
とはいえね,年配の方からの支持は諦めたの。お年を召された方に,同性愛を理解させるのは難しい。これは理屈じゃない。だから,せめて子供層の支持を集めたい。
もう,私には「妖怪ウォッチ」しかないのよ。若年層に無理なく媚びる手段は。だって,もの凄い人気じゃない,妖怪ウォッチ。ゲイム好き&レベルファイブ好きとしては,これに乗らない手はない。
もういっそジバニャン風のコスチュームを作ってしまおうかと思ってるくらい。無駄に男色ウォッチ零式をはめて試合しようと思ってるくらい。ピンチになったらメダルを入れ替えて誰か友達に乱入してもらおうと思ってるくらい。それくらい妖怪ウォッチを取り入れたプロレスに挑戦しようか検討中。
とまあ,冗談はここまでにして,さっきも言ったとおり,妖怪ウォッチ2 本家をクリアはしたのよ。でも,まだ続けてるわ。なぜなら極めたいから! 子供層に話を合わせたいから! というわけで,まだまだ私の妖怪を仲間にする旅は続くのです。ではまた!
……いや,分かるよ。さすがにこれだけじゃあゲイムの連載としては内容が無いにもほどがあるわよね。では。私が今死ねない理由でもある,今後発売予定の楽しみなゲイムについて語らせていただくわ。
まずは「絶対絶望少女 ダンガンロンパ AnotherEpisode」。これは言わずと知れた「ダンガンロンパ」シリーズのスピンオフ作品。私がこのゲイムに期待するのは,「なぜアクションゲイムというジャンルを選んだのか」という問いへの答えを,ゲイム性で語ってくれること。
アドベンチャーとして名を上げたシリーズで,あえてアクションときたら,ファンなら誰しも「え? なんで?」ってなるでしょ? でもね,私は疑問以前にただただ楽しみなのよ。個人的にはアクションは得意じゃないんだけど,それでも楽しみ。
なぜかというと「え? なんで?」っていうファンのリアクションは,作り手として想定どおりのはずだから。今までとは手法を変えてきたということは,それに何かしらの面白味を見出したからなんでしょう。普通に考えたら,わざわざジャンルを変えるなんて冒険する必要はないんだもん。きっと勝算があってのことのはず。なので,期待せざるを得ないわね。
次に「ブレイブリーセカンド」。これは「ブレイブリーデフォルト」の続編。私の中でブレイブリーデフォルトって,“素直に面白いRPG”なのよ。だから,単純に楽しみなのね。ジョブのレベルを上げて,育てて物語を進める。その過程が素直に面白い。続編として,そのあたりがどう変わってくるのか。とても楽しみ。
そしてもう一つ。「大江戸BlackSmith」。これは,一応シミュレーションみたいなんだけど,いろんな要素が詰まってそうなのよ。鍛冶屋として工房をやりくりする要素,ダンジョンで素材を集める要素,そして嬢郭で織りなす人間模様の要素。ヤり込みゲイムには定評のある日本一ソフトウェアの作品っていうことで期待してるわ。まだ情報が出そろってないながらも楽しみね。ひとまずは続報待ち。
てなわけで,新しいゲイムをプレイしていないことがバレバレな今週ですが,そんな日もあるわいな! 何せ,両国国技館でタイトルマッチをするんですよ私! で,そんな大会に限ってチケットが売れてたりするの。もう残りわずか。プレッシャーですよ。これを読んでる人には関係ないだろうけど!
でもねえ,ヤるからにはやっぱり最高に“カッコいい”試合をしたいわけ。ゲイレスラーとして。37歳の私の“カッコいい”を両国にぶつけてきますよ。カッコいい自分を目指すのに,年齢は関係ない!
だからゲイムをヤらない週だってあっていいじゃないか。人間だもの。ほもを。
ではまた来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「無双OROCHI2 Ultimate」
PlayStation 3:「魔都紅色幽撃隊」
PlayStation Vita:「俺の屍を越えてゆけ2」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「The Wonderful 101」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「妖怪ウォッチ2 本家」
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜」
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- 関連タイトル:
妖怪ウォッチ2 本家
- 関連タイトル:
妖怪ウォッチ2 元祖
- 関連タイトル:
絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode
- 関連タイトル:
ブレイブリーセカンド エンドレイヤー
- 関連タイトル:
大江戸BlackSmith
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