連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第264回「『無双』について考える」
本来,言葉は伝えるための手段なんだけど,伝える以上の意味が言葉にはある。言葉で他人を傷つけることもできるし,逆に力を与えることもできる。凶器にもなるし,力にもなる。
それと,ゲイムの根幹であるプログラムって,要するに数字の集合体なわけで,ゲイムは数字だと言えるのね。でも,同時に数字は言葉でもある。動物は数を記すことはできないけれども,人間は数字という言葉によって数を情報として形にできる。こうやって考えていくと……いやぁ,言葉って本当に凄いものよね。
さて。“無双”という言葉があるわ。これは,「並ぶものがいないくらい突出したもの」っていう意味。主に強さの表現として用いられる言葉ね。でも,今は若干意味が変わってきているようで,「一人または少人数で大暴れし,大勢をなぎ倒すこと」という意味で使われることもあるみたい。これはほぼ確実に,「無双」シリーズが意味を作っていったものだと思うわ。
というわけで,今週は「真・ガンダム無双」(PlayStation 3 / PlayStation Vita)について。とはいえ,正面から取り上げるつもりはないわ。だって,好んで遊ぶかどうかは別として,無双シリーズが面白いってことなんてゲイムファンなら誰でも知っているし,ガンダムの世界観が世のアニメファンを昂ぶらせるってこともみんなが知っているわけで。その2作品が融合したら,そりゃ面白いってことも,想像はつくはずでしょ。実際に面白いしね。
このように,わざわざ私なんぞが紹介しなくても面白いってことは知れ渡ってるので,今回は真・ガンダム無双をスケープゴートに無双をより深く考えてみようと思うわ。
ゲイム内容を説明すると,要はガンダムで無双するってことね。まさにそのまんま。とはいえ,これまでの「ガンダム無双」シリーズより,無双っぷりがパワーアップした印象があるわ。とくに,巨大モビルアーマーを操作できるのが最高にステキ。アリを踏みつぶすように敵をなぎ倒すことができるの。ヤってて楽しいというか,スッキリする。
思えば,ゲイムではなくとも,無双ってシチュエーション自体は,そこそこ歴史あるエンターテイメントなの。それこそマンガでもアニメでも小説でも,よくあるじゃない。主人公対敵多数ってシーン。主人公が敵をバッタバッタとさばいていく爽快な様子って,よく使われる手法なんだけど,きっと根っこにあるのは本能的な楽しさだと思うの。
その古典的なエンターテイメントが,「無双」シリーズにおいて,ゲイムという形で完成した。で,そこから「無双」という言葉に実質的に新たな意味を加えることにまで至った。これって,何気なく快挙じゃないかしら。流行語はあくまでも一時期流行した言葉だけど,この「無双」っていうのは,おそらく今後も末永くこの意味で使われることになるでしょう。それを成し遂げた無双シリーズは,そういった観点からも評価されていいと思う。あとは,正式に広辞苑に載るのを待つのみ。
次に,無双シリーズのラインナップについても考えていきましょう。今まで無双シリーズは「真・三國無双」「戦国無双」といった,歴史をベースにしたオリジナルの世界観だけではなく,「北斗の拳」そして「機動戦士ガンダム」といった漫画やアニメ作品の世界観をも題材にして,作品展開してきたわ。今後は,「ゼルダ無双」という有名ゲイムタイトルの世界観まで取り込もうとしている。
では。次は何を無双したら面白そうなのか。次は何を無双するのか。それを勝手に予想してみようではありませんか。まず,情報は大切。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と言うように,今までのシリーズから方程式を読み解いて予想してみましょう。
北斗の拳,ガンダムの共通点は,まず国民的作品であるということが一つ。これは絶対条件でしょうね。作品自体を読んだり見たりしていない人でも,名前や何となく雰囲気を知ってるタイトルのほうがイメージしやすいのは確かだもん。知らないキャラが無双するより,知ってるキャラのほうがエンターテイメントとしての親近感が増すわけね。
次に,上でも触れたけど,その作品の中で主人公自体がすでに無双しているもの。これも抜くことができないファクターでしょう。コラボする作品の世界観を持ってこないといけないから,無双しなさそうな主人公の作品では世界観が壊れちゃって,コラボ元のファンが納得できなくなる。だから,「サザエ無双」は面白そうではあるけども,世界観的にはナシ。大量に出現するお魚くわえたドラネコを追いかけるレースゲイムになっちゃう。無双主人公必須。
そして三つめかつ最大の共通ポイントとして,意外であるということ。「そうきたか!」って思ってしまうような作品。ゲイムで暴れるのがイメージしやすい作品。それでいて,どうなるんだろう? と思ってしまう作品。そして,上記2作品ともすでに別の形でゲイム化はされているという共通点もあるわね。北斗の拳に至っては,RPGにまでなってる。今から考えたら北斗の拳である必要はなかったんじゃ……と思えるほど世界観にオリジナリティが溢れていたけど,作品としてはけっこう面白かった記憶があるわ。
と,ここまでの情報をまとめると,
(1)国民的作品
(2)そもそも主人公が無双
(3)意外性がある
(4)すでにゲイム化はされている
さて,この条件に当てはまる作品で,次に来そうな無双の私的予想は……来週に発表したいと思います。イヤ,延ばすことにとくに意味はないんだけどね。たまにはこういうダイナミックな展開でもいいかなって。みんなも考えてみるといいよ。ちなみに私の中には三つぐらい候補があるわ。(4)の条件がけっこう範囲を狭めてるけどね。
これ,実際に開発中のものを的中させちゃったりすると,それはそれで気まずいのかなあ……? そんな感じで若干ハードルが上がった気がしないでもない中,また来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「真・ガンダム無双」
PlayStation Vita:「サカつく プロサッカークラブをつくろう!」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「The Wonderful 101」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「ゼルダの伝説 神々のトライフォース2」
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition」
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