連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第248回「『龍が如く 維新!』へ寄せる期待」
「ゲイムショウの話を今さらされても……」という空気を自分でも感じつつ,伝えとかなきゃいかんなということを伝えようかなと思う次第であります。
前回は目玉中の目玉,PlayStation 4(以下,PS4)とXbox Oneという二つの次世代機について思ったことを語ったんだけど,今回はもう一つの新ハードPlayStation Vita TV(以下,PS Vita TV)について。
PS Vita TVというハードが出るという情報を知っていた人の多くは,きっとこう思ったんじゃないかしら。「一体,何なんだ?」と。少なくとも私はTGSまでそう思っていた。でも,実際にソニー・コンピュータエインタテインメントジャパンアジアのブースに行って生で触れてみたら,理解できたのね。あ,そういうことだったの,と。
ゲイムショウ行ってない人には,この感想じゃ伝わらないわよね。では,簡単に考えましょう。PlayStation Vita(以下,PS Vita)があるでしょ。これは,言わずと知れた携帯ゲイム機ですね。これが凄いマシンでですね,携帯ゲイム機とは思えないくらいの,非常に綺麗なグラフィックスを実現しちゃっているのよ。まるで据え置きゲイム機をプレイしてるみたいな。
……はいストップ! ここです。私が思うに,PS Vita TVのポイントは,まさにここなのです。さっき,私はPS Vitaを据え置きゲイム機みたいって表現したわ。そうなの。PS Vita TVは要するに,PS Vitaのタイトル(と,ダウンロード版のPSPのタイトルと,ゲームアーカイブスのPlayStationタイトル)をTVでプレイするためのハードなの。
もうちょっと簡単に説明するなら,まずPS Vita TV自体は,見た人なら分かると思うんだけど,不安になるくらい小さいのよ。手の平に乗るくらい。で,ディスプレイやボタンの類は一切ついてないのね。コントローラとしてPlayStation 3のDUALSHOCK 3をつないで,あとはHDMIケーブルでTVにつなげばOK。で,Vitaカードのゲイムや,ダウンロードしてメモリーカードに保存したゲイムを遊べます,と。こういうハードなわけ。
しかも有料サービスのPlayStation Plusに入っていれば,「セーブデータお預かり」サービスを使えて,PS VitaのセーブデータとPS Vita TVのセーブデータを簡単に共有できるらしいのよね。外ではPS Vitaで,家ではTVの大画面で続きを……みたいな遊び方ができるってわけ。
しかも将来的には,PS4とも連動するらしいの。リビングのPS4を寝室のPS Vita TVでコントロールして遊ぶようなことができるんだとか。それともちろん,有線LANや無線LANでインターネットにつないだり,ほかのPS Vitaとアドホック通信で遊んだりもできるんだとか。こりゃもうね,これからPS Vitaを買おうかどうしようか迷っている人は,PS Vita TVを検討してみてもいいんじゃないかしら。
……でもね,気になるのはお値段です。こんなに小さくなって! PS Vitaのタイトルがプレイできて! もちろんPSPのソフトのダウンロード版だって遊べて! しかも各種映像配信サービスにだって対応している。家電としても優秀! みんなあるでしょ? 「旅先にゲイム機本体を持っていきたいけど,サイズ的にな〜」って思ったことが! そんなお悩みも,このPS Vita TVがあれば解決! なぜなら小さいから! こんなコンパクトな新型ハードのお値段は! 「お高いんでしょ?」 バカ言いなさい! 今なら! イヤまだ発売日来てないけど! この夢が詰まった史上最少級の据え置き型TVゲイム機! PS Vita TVは! 税込みでも1万円を切りました! なんと税込みで,メーカー希望小売価格は9954円!(「おおー!!」と「キャー!!」の入り混じった声)安い! 本当に安い! それが今回私が推すPS Vita TVなのです。
とまあ,ここまで通販風に説明してきたんだけども,正直なところ私的には万人にオススメしているわけでもないのよね。さっきもちょっと書いたけど,PS Vitaを買おうかどうか悩んでるタイミングの人にはオススメできるのよ。でも,ガッツリPS Vitaで遊びまくろうとしている人には,ちょっとオススメしづらい面があってね。それは「すべてのPS Vita作品が遊べるわけではない」ということ。
考えてみれば確かにそうで,PS Vitaってもの凄く綺麗なグラフィックスのほかに,画面や背面に直接触れることで操作をする機能がついているのね。でもPS Vita TVだと,TVに直接つないでDUALSHOCK 3で遊ぶわけだから,タッチ機能が使えないのよ。そのほかにも,カメラが無かったりとかするわけで。
なのでPS Vita特有の機能をフルに活用しているタイトルの中には,PS Vita TVでは遊べないものもあるわけ。ここが一つの考えどころよね。あと,根本的な問題なんだけど,いくら小さいからって,これは携帯ゲイム機じゃなくて据え置き機ゲイムなのね,あくまでも。物理的に携帯しやすいけれども。なので,持ち運んでどこかのファミレスあたりでプレイしたいって思っている人には,まったくもって向いてない。家でプレイしたいって人向けね。
ここまでのことを理解したらPS Vita TVって何じゃラほいとは思わないでしょ。要するに,名前のとおりTVでプレイできるPS Vitaってわけなのよね。「最初からそう言ってんじゃん」って思われてしまうかもしれないけど,実際に見てみるとリアリティが違うというか。まさに百聞は一見にしかず。PS Vita TV,検討してみてはいかがでしょうか。
その中で私の印象に一番残っているゲストが,セガ「龍が如く 維新!」(PlayStation 4 / PlayStation 3)のプロデューサー,横山昌義氏。この人はね,ゲイムに対していつも熱いのよ。私に対しては最終的にチューをしてくれなかったりして冷たいんだけど。おそらく,「伝える」ってことにすごくこだわりを持っている人。
ゲイムっていろいろなものがあって,確たる正解なんてないものだと思うのね。まあ,ゲイムだけじゃなくてエンターテイメント全般がそうなんだけど。そのエンタメを受け取った人がどれだけ楽しめるか。これが唯一の正解なのよ,基本的には。産業としては別よ? 売れたら正解。利益を生めば正解。
話はそれたけど,エンタメとしては,気軽にプレイできるものでも楽しければ正解。考えさせられる内容のものでも,感動できれば正解。そして,その正解をより多くの人に届けることが,さらなる正解。そういう意味で私にとっての「龍が如く」シリーズは,常に正解を叩き出してくれるタイトルなわけですよ。簡単に言うと,好きなのね。作ってる人の熱さが伝わってくるから。
でもね,それだけじゃないのよ。私はメッセージ性のあるゲイムが好物だから,龍が如くシリーズが好きなんだけどね,このシリーズの凄い点は,「どの切り口でも面白さを伝えようとしている」ってところ。ぶっちゃけ,思い入れのない人にとっては,私が好きなポイントの「制作者の熱さ」なんてどうでもいいと思うのよ。
ヤってて面白いかどうか。ストーリーにのめり込めるかどうか。キャラクターに感情移入できるかどうか。敵を殴ってスッキリするかどうか。その点,この飴はどこを切っても完成度の高い金太郎の顔が出てくる。そこが好き。
4Gamerステーションのとき,私は横山氏に「今回の挑戦はなんですか?」と質問したんだけど,それに対して「今回はシリーズで初めて,ストーリーありきで作っている」と答えてくれたのね。これまでは街の再現ありきで作ってきたらしいの。確かに,神室町によく似た街が現実にあるんだけど,その街の再現っぷりがシリーズの売りの一つだったわね。実際に,街を徘徊するだけで楽しかった。その街で起こるイベントに一喜一憂できた。これもまた正解の一つ。
では,なぜ“街”ありきの作り方なのか。それはきっと,“伝える”のに必要な要素だから。例えば,ニュースで事件が起こったとしましょう。その現場が,自分の生まれ育った街だったら? そのニュースに感情移入できるでしょう? そういうことなのよ。
あるストーリーがあって,それをプレイヤーに伝えるには,背景が身近にあるようなリアルな街のほうがいい。しかし,龍が如く 維新!は,そのやり方ではない,と横山氏は言ったわ。実際にどう作っているのか,その作り方が何を意味しているのかは,まだ私には分からない。でも横山氏は,「龍が如く 維新!はある意味,今までで一番,『龍が如く』なのかもしれない」とも言っていたのね。これが何を意味するのか?
……自分で言うのもなんだけど,生配信時の言葉尻をつかまえて勝手に疑問に思うのは,どうかと思うわよ。しかしながら,私がこうして脳内で勝手に抱いた疑問にすら,ちゃんと答えてくれるっていうのも,龍が如くシリーズなんですよ。要するに,楽しみで仕方がないってことです。
私,龍が如く 維新!がPS4の発売日と同時に出るから,PS4の発売日購入を決意したんだもん。あ,PS3でも発売されるみたいだけど,どうせなら最高の環境で楽しみたいじゃない。ファンとは勝手なもんで,自分の都合で作り手に対して高いハードルを設定してしまうんだけど,今の私がまさにそう。勝手なハードル上げだとは思いつつも,遠慮なく期待させていただくわ。
……というのが今年のTGSでとくに思ったこと。ま,ほかにも色々あったんだけど,それはほかの記事で確認してくださいな。というわけで,これを持って男色ディーノのゲイムショウ2013は幕を下ろします。来週からは通常営業で,主に「三國志」と「モンスターハンター4」について語っていこうと思っている次第であります。ではまた来週,ゲイムショウはまた来年。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「Farming Simulator」
PlayStation Vita:「CONCEPTION II 七星の導きとマズルの悪夢」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「The Wonderful 101」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「モンスターハンター4」
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition」
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