連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第246回「地味でも面白いものは面白い」
もっと言いましょうか。モテているグループってありましたよね?
あなたがどのグループに属していたかは分かりませんが,そういう派閥……って言うほどのものではないにせよ,そういうグループというのは必ずあったはず。
そうなのです。それこそが,今回私がテーマにしたい「派手か地味か」の根幹なのです。
というのもね,民衆の好みってシンプルなのよ。「派手なほうが売れやすいし,地味なほうは売れにくい」。もちろんそうではない面もあるんだけど,傾向としてはあるわよね。なぜかと言えば簡単で,派手なほうが人目につくから。多くの人の目に触れるほうが,その分,売れる確率が上がるわけ。もっとも,目立つ分だけ嫌われる可能性も増したりするんだけど,そこに言及しだすとややこしくなるから,ここでは置いておきましょう。
例えばコンビニで歯ブラシを買うとき,値段が同じだったら全然知らないものよりも,TVCMで目にしたことがあったり、名前が耳に残ったりしている商品のほうを買うでしょ? 何となく,そのほうが安心できそうだという意識がはたらくからね。
話がちょっとそれたけど,多くの人が目にする,あるいは耳にするということは,それだけ売れやすくなるものなの。とりあえず、そういうことにしておいてちょうだい。で,モテてるグループの人達は,少なからず人目につく感じだったはずなのよ。
ルックスがいいのもそうでしょう,ファッション的なものも明るかったはず。小学生や中学生だったら,スポーツができたのかもしれない。その頃は勉強ができるよりも,スポーツができるほうがダイナミックに映るからね。
あとは,面白いというのも派手なうちに入るのかもしれない。これに関しては,明るい面白さと,後ろ暗い面白さでは両極端の結果を招くから一概には言えないけど。少なくとも,異性にとって面白い人は,モテるグループにいた気がするわね。
ここでのポイントは「モテる人=多くの人に好かれる人」であり,モテる人はだいたいが何かにつけて人目につく派手さを持っている,という部分ね。
で,売れるって,そういうことだと思うのね。人でも商品でも,ほかよりも目立つポイントを持っているっていうこと。それが派手ってことなのね。
では! 一方の“地味”というものについて。最初に言っておくけど,私は地味なことが悪いとはまったく思っていないわ。むしろ,地味だからこそいいっていうものも,世の中には数多く存在することに気付いてしまっているくらい,地味万歳。派手さ,すなわち目立つものだけが素晴らしいわけではないからね,人間ってものは。
それに,男って名声欲ってものがあってね,自分と相手の有名さを比べて男としての価値を測る愚かな一面があるのよ。私に言わせれば,そこが男の可愛いところでもあるんだけどね。
もちろん,有名さが価値基準でもいいけど,それってある意味じゃ経済的な価値じゃない? 多くの人が知っているもののほうが,経済的には価値が高い。それはある局面,とくに私のように人前に出る仕事をしているならば,ごまかしようのない事実。でも,人間の価値は経済の価値とイコールじゃない。
私が思うに,男の価値って「何を格好いいと思っているか」だと思うの。何を格好いいと思って,その格好良さに向かって生きていくか。その価値観が合うか合わないか,なんじゃないかな。男との相性って。
派手か地味か。それは直接関係ない。良いものは良いし,合わないものは合わない。みんなが見ることができる打ち上げ花火が好きな人もいれば,自分しか見ることの出来ない線香花火が好きな人もいる。どれが正解ってわけじゃない。少なくとも,個人の好みに関して言えば,人の数だけ正解がある。
ただひたすら畑を耕して種を植えて収穫するゲイム。もちろん,資金によって農場を拡張できて,やれることが増えたりはするんだけど,基本その繰り返し。実際ヤってみたらわかるんだけど,画面的にも地味。まだ「牧場物語」とかのほうが派手さはあるわ。
プレイしてみて私,思ったのよ。「なんでこれを発売しようと思ったんだろう」って。冒頭でも触れたとおり,経済的な価値においてこの地味さは非常に不利だと思うのよ。農場シミュレーションって響きにときめく人がどれほどいるのか。イヤ,買った私が言うことでもないんだけど。ホラ,私ってシミュレーションゲイム全般が好きだから。
とりあえず私のことは置いておくとしても,あまりにも地味。例えばね,人型兵器に乗って連邦の白い悪魔を倒すとか,好きな車に乗って仮想現実の道を走って風になるとか,そういう夢あふれるシミュレーションゲイムじゃないのよこれは。コンバインに乗って種を植えやすくする,そんな現実味しかないシミュレーションゲイム。出すのはビームサーベルやファンネルではなくて,水であり肥料なのよ。
でもね,私は好き。生き方として,これは好き。一生懸命作っているのが伝わってくるから,私はこのゲイム好き。
地味なだけで作り込みが適当だったら,好きにはなれなかったかもしれない。でも,違うのよ。めちゃくちゃ愛が込められている。トラクターに対する愛が尋常じゃない。操作がやや難しいのも,たぶん愛がなせる業。
どうやら実在する農業機械メーカーが20社以上も登場するらしいんだけど,これって愛以外の何物でもないじゃない。おそらくほとんどのプレイヤーは「おお! あのトラクターが出るのか!」って気持ちにはならないし,正直なところ実名の会社と架空の会社の間にいったい何の違いがあるのかも分かりゃしない。
でも,愛だけは感じるのよ。不器用で誰に伝わるわけでもないけど,自分の正義に従って,とにかく丁寧に仕事をする。誰に見られているわけでもないのに,自分がヤるべきことを誠実にこなす。そういう格好いいゲイムね,このFarming Simulatorは。
誤解しないでね。面白いんですよ,ちゃんと。私の好みは抜きにしても,地味なテーマをちゃんとゲイムに落とし込めていると思うわ。無心でプレイできるという,シミュレーションゲイムのいい部分が楽しめるしね。だんだんできることが増えるっていうのも,ゲイムっぽくていい。
ただ,いかんせん地味だから万人にはオススメしづらいのが残念。でも,興味を持ってプレイしたのであれば,きっと好感は持てるはずよ。ゲイムを通じてこだわりを感じたい気分であるならば,オススメ。イメージよりは絶対に面白いから。
モテるタイプのゲイムではないけど,こういう男と結婚したら,自分だけの幸せを手に入れることができるんだろうなあ,ってことを思わせるゲイムよ。
今日は全体的に女子目線でゲイムを語ってきましたけれども。逆に男目線で言うならば,男が女に何を求めているかっていうと「男のどんなところを見ているか」よね。男って面倒臭いから,ただ「好き」って言われても警戒しちゃうのよ。「自分のどの部分が好きなんだろう?」って。好きなほうからすると「好きって言ってんだからそれでいいじゃん」って思うんだろうけど。
でもまあ,これもまた男の可愛いところなのよ。派手だ地味だっていうのは,直接は関係ない。けど,男と女はすれちがい続けるの。男と男ならそうはならないんだけどね。
ということで,今週は同性愛のススメと,派手なほうが売れるけど地味でも面白いものは面白いよっていうケツ論で〆たいと思います。ケツだけに。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「Farming Simulator」
PlayStation Vita:「CONCEPTION II 七星の導きとマズルの悪夢」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「The Wonderful 101」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「逆転裁判5」
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition」
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(C)2013 GIANTS Software GmbH. Farming Simulator, Giants Software and its logos are trademarks or registered trademarks of Giants Software. Focus,Focus Home Interactive and its logos are trademarks or registered trademarks of Focus Home Interactive. All manufacturers, agricultural machinery, agriculturalequipment, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. All rights reserved. The agricultural machines and equipment in this game may be different from the actual machines in shapes, colours and performance.
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