連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第243回「“どちらでもない”に潜む可能性」
生きて帰ってまいりました,男色ディーノです。
私,こないだ両国国技館で2日間連続試合がありまして,初日はプロレス界のゴールデンスターと呼ばれる飯伏幸太選手と,そして2日目は第64代横綱 曙選手と試合をしたわけですね。結果,生きて帰ってきた,と。
両日共に負けたんだけども,命あっての物種ですよ世の中。命を懸けて戦うことはしましょう。でも,死ぬために戦うわけではないのです。死ぬくらいなら,一時の負けを受け入れましょう。次,勝てばいいんだし。それでもまた負けたら,さらにその次に勝てばいい。死んでしまったら,次の可能性がなくなるわけだからね。
だから,戦争はいかん。そもそもが,戦争は誰かの死の上に成り立つ戦いなわけじゃん? それはいかん。日本の夏は終戦の夏ですよ。我々は,先祖に感謝をしつつ生きなければならんのです。命を懸けて戦ってくれた先人に対してね。
たいてい,戦争を起こす人は生き残る。死ぬのは直接関係のない人。だから,戦争はいかん。これは,何かの批判とか政治の話とか過去の歴史とか,そういう高尚なものではないのよ。単純に,人が死ぬのはいかん,それだけの話。戦争だと,殺そうとして相手もしくは自分が死ぬ。どっちかが確実に死ぬのが見えている。だからいかん。
実際,人生でずっと戦争のことを考え続けるのは現実的に無理よ。こっちもいろいろなものと戦ってるからね。でも,せめてこの時期ぐらいは考えて追悼しよう。これからも,それくらいの余裕がある日本でいたいもんですね。
さて,そんなわけで無事生きて帰ってきた私ですが,この数日間で思ったことがあるの。それは,「好きなこと」の向こう側について。
人間の感情を大きく三つに分けるとすれば,「好き」「嫌い」「どちらでもない」だと思うのね。好きと嫌いはいいのよ。どちらにしても行動を起こせるから。例えば,私はゲイムが好きなんだけど,好きなんだったらゲイムを買って遊べばいいわけじゃない。一方,嫌いだったら断固プレイしない。そういう意思を行動で示せるのよ。
問題は,どちらでもない場合。こういう気持ちを持っている物事に関しては,一番行動に移しにくいわけ。理由は簡単で,どっちでもいいから。
ただね,この年齢になって考えたのよ。若い頃は好きなことだけに一生懸命に打ち込んでいて,どちらでもないものに対してはスルーしていたけど,それはそれで可能性の芽を摘んでいたのかもしれないなって。
とくに今の時代って,娯楽だって多様化しているじゃない。とにかく選択肢が多い。情報化社会と言われてはいるものの,それでも知らないことのほうが多い。嫌いじゃないけど,取り立てて好きなわけでもない。そういう,今までスルーしてきたものの中にも,楽しいことはいっぱい眠っている。私がそれを知らないだけで。
なぜ私が急にそんなことを思ったかというと,両国大会の初日は,プロレスの興行のはずなのに,アイドルとか筋肉少女帯とかファッションショーとか,そういう催し物が行われたからなの。で,「気付いてないものがいっぱいあるんだな」って。
先週も書いたけど,私は私でプロレスに誇りを持って対戦相手に襲いかかっているわ。それはどのジャンルの人もきっとそう。あとは,受け取る側が気付くか気付かないか。もちろん,より多くの人に届ける努力は作り手にも必要よ。でも,だからこそ私はプロレス以外にも目を向けないといけないのかもなって思ったの。
好きであること以外にも,自分が好きかもしれない,好きになれるだろうことは眠っている。それでもすべてを知ることは不可能なほど世の中は広いから,せめて気になったものには目を向けてみよう。
えー,久々に前振りでここまで文字数を使ってしまったけれども,簡単に言えば「キング オブ プロレスリング」というブラウザカードゲイムに手を出してしまいましたって話です。
勘違いしてほしくないのは,私はプロレスを好きだけれども,それってあくまで仕事のやりがいとしての好きさなわけですよ。もちろん,ジャンルとしても好きなんだけど,熱烈なファンのように好きなわけではない。だから,「週刊プロレス」を毎週買って読んでいるわけでもないし,プロレスゲイムだからって全部をプレイしているわけではないの。
で,このキンプロも,取り立てて興味があったわけじゃないのよ。そもそも,ブラウザゲイムであるってことすら知らなかったぐらい。新日本プロレスの親会社であるブシロードが作っているカードゲイムなんだなっていうぐらいの認識。
ゲイムの流れとしては,選手カードがあって,技のカード(通称ブーストカード)があって,それらをセットすると,あとは自動的に試合が行われるわけです。ブラウザゲイムだから,PCやスマートフォンでカードをセットできるわけね。で,基本は無料で遊べるのよ。ゲイム内でカードをもらうことができるので,それらを使えば一通りは戦えるわ。ただまあ,無料でもらえるカードはあまり強くないことが多いから,買ったほうが手っ取り早く強くなれるのね。
で,このキンプロの何がいいって,ブラウザ内ですべてのカタがつくわけではなく,実際のカードがブラウザに反映されるっていう,デジタル過ぎない手間。そこがいい。具体的には,実際のゲイムショップやカードショップの店舗でキンプロのカードを買って,そのカードの裏に載っているシリアルナンバーを登録することで,そのカードをゲイム内で使えるようになるのね。
ただのブラウザゲイムだったら,クレジット決済でブラウザ内にだけカードを発行すればいいわけじゃない。でも,キンプロはそうじゃなく,実際のカードが手元にある。これによって,ゲイムとしてはブラウザゲイムなのに,オフラインでトレーディングカードゲイムを遊んでいるかのような,独特のプレイ感覚が生まれてくるわけ。
ちなみに,選手カードは新日本プロレスの選手が多いわ。それはブシロードのゲイムなんだから当然よ。でも,カードゲイムのキャラクターとはいえ,その前にそのキャラクターは実在するプロレスラーなのよ。実際の,生身の人間。そしてプロレスには技がある。
プロ野球をテーマにしたカードゲイムの多くは,選手カードしかないけど,プロレスだと選手と技を別々のカードにして,組み合わせるという遊びが生まれるのね。要は,ドラゴンのような空想上の生き物が,ファイアーブレスという技を出すようなものよ。それが生身の,現在生きている人間に置き換えられているわけで,これはもうリアル以外の何物でもないの。
そういう意味でも,現実世界でのトレーディングカードのようなアプローチも採用したのは大正解だと思う。これをプレイしていると,実際にプロレスを観たくなるしね。
繰り返すけど基本プレイ料金は無料なので,「好きでも嫌いでもない」人にこそ,一度試してもらいたいわ。
ちなみにですね,選手カードは新日本プロレスの選手が多いと先ほど書きましたが。そのほかにもレジェンドと呼ばれる過去の名選手達や,新日本プロレス以外の団体のトップどころも収録されているわけなんですけど。それがですね,何をどう間違ったか。私も収録されてしまっているのですよ。
そして,選手紹介の欄に「“アブノーマル(変態的)”レスラーとして活躍」と,disられてるんだか褒められてるんだか分からないような描写をされてるけども。あのー,私としては変態行為をしている自覚はさほどなくて,本能に忠実な戦い方をしてるだけなんだけど……まあいいや。
ともかく,ぜひ一度ヤってみてはいかがでしょうかって話です。自分が好きか嫌いかどちらでもないかを判断するのは,それからでもいいのかなーと。無料だし,よしんばお金を使ったとしても3枚1セットのパックは330円(税込)だし。私は結局10セットくらい買ってもうたけど。
てなわけで今週は,好き,嫌い,どちらでもない,のどちらでもないにこそ可能性が広がっているよってお話でした。言い換えれば「ノーマル」「ゲイ」「バイセクシャル」って話で,いきなりこちら側に来い! とは言わないから,バイセクシャルから始めてはいかが? っていう話であったりそうでもなかったり。
また来週!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション」
PlayStation Vita:「ドラゴンズクラウン」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「ZombiU(ゾンビ U)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「逆転裁判5」
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition」
|
- 関連タイトル:
キング オブ プロレスリング
- この記事のURL:
キーワード
(C)New Japan Pro-Wrestling Co,.Ltd. All right reserved. (C)ALL JAPAN PRO-WRESTLING (C)ファースト・オン・ステージ (C)リングス (C)39 (C)パイルドライバー (C)?山善廣 (C)リアルジャパンプロレス (C)RIKIPRO (C)シーホースコーポレーション (C)Scott Norton (C)Stan Hansen (C)Big Van Vader (C)KAIENTAI DOJO (C)曙ベンチャーズインク (C)LANCE HOYT (C)CMLL (C)Green Ship (C)プロレスリング・ノア (C)株式会社DDTプロレスリング (C)bushiroad All Rights Reserved.