連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第222回「私,根暗だったわ」
いやいやいやいや,違うの! 違うのよ。確かにね,こう書くと自分でも,ハイ出ました中二病! って思わなくもないけど,そうじゃないの。そうじゃないというか,まあ実際はそうなんだけど,私が言いたいのは「誰も本当の私を分かってくれない」……ああああ! いよいよ思春期の発想に近付いているわ。
ところで,本当の自分って何なんでしょうね? 自分が他人にとってどういう存在かなんて,どうでもいいことなのにね。「本当の自分は違うんだ」って言ったところで,他人にしてみりゃ知ったこっちゃない。そりゃ,生きてれば自分が正義でしょうし。
で,他人の正義が自分の正義と衝突したときにどうするか。あくまで自分の正義を貫いて相手の正義を攻撃するのか,それとも相手の正義と自分の正義の落としどころを探して共存を目指すのか。喧嘩や戦争だってそういうことだからね。正義と正義のぶつかり合いが,争いを生み出すわけ。どちらが一方的に正しいなんてことは,ない。
だから,私は例の機動戦士アニメの主題歌があまり好きじゃないのよ。「正義の怒りをぶつけろ!」って言われても,公国には公国の正義があるからなあ,と幼心に思ったもの。レッドな彗星が好きだったから,なおさらそう思ったんだろうけど。
あ,もちろんここまでは今週紹介するゲイムとは何の関係もないわよ。ただ,「なんか私のことを勘違いしてないか?」と最近思ってしまっただけであって。
確かにね,オネエ口調で話したり文章書いてたりすると,勘違いされやすいのよ。私の場合,便宜上オネエ口調を使ってはいるけども,これは,あくまでデフォルメなの。そもそも私自身,女性力を欲してないからね。
というのも,私が属する性別カテゴリには,男性なのに女性になりたい人,女性になりたいわけではないんだけど女装する男性,男性だったのに最終的に女性に変わった人,男性のまま男性を愛する人など,いろいろあるのね。で,私の場合は一番最後のパターン。そう,男のままってところが重要なのな。だから,女性的なものに憧れるっていう感情は全くない。これが私の性義もとい正義ってこと。
じゃあ,女性化したいわけじゃないのに,なんでオネエ言葉を使ってるかというと,分かりやすいからというのがその理由ね。長年使っていて,もはや自分のものになってしまった部分もあるけど。
ここで重要なのは,周りが私をどう見ているかってこと。やっぱりマイノリティの正義だから,見ているほうからすると,細かいカテゴライズなんてどうでもいいのよ。でも,私としてはそのマイノリティなりの正義をアピールしたい。だったら分かりやすくオネエ言葉を使ってしまえ,と。そういう経緯なのね。
ホラ,どうでもいいでしょ? そんなもんなのよ,他人の本当の姿なんて。だから「みんな自分のことを分かってくれない」っていうのは,至極当たり前のことなの。何を今更って話。だから,「私のことを勘違いしてるな」って思っても,別に気にする必要はないわよ。分かってるの私! ……あ,しばしお待ちください。私が自分自身に言い聞かせてる最中だから。
イヤ,そうなんですよ。ちょっとね,みんな私のこと勘違いしてるのよ。オネエキャラだから,どこかで私のこと明るい性格って思ってない? ノンノンノン。私,めちゃくちゃ暗いのよ。まあ,何をもってして明るいか暗いかってラインも分かんないから自己判断ではあるんだけど,それでも私は自分でも根が暗いほうだと思うわ。自分でも最近忘れてた。
そんなことを最近,「プロ野球スピリッツ2013」(PlayStation 3 / PlayStation Vita / PSP。以下,プロスピ2013)をプレイしていて思い出したの。「あ,私,根暗だったわ」って。
こういう書き方をすると,プロ野球スピリッツ2013が暗いゲイムなのかと思ってしまう人もいるかもしれないけれど,決してそんなことはないわよ。相も変わらず,完成度の高い野球ゲイムのシリーズ最新作だもの。
さて……,今回は自由に書くって決めてるから,先に言うべきところを言っておくけども,プロ野球ファンなら絶対にプレイしたほうがいいわ。プロスピシリーズはリアリティが命だと思うんだけど,そういう観点でいくと前作「プロ野球スピリッツ2012」(PlayStation 3 / PlayStation Vita / PSP。以下,プロスピ2012)より,リアリティが増しているの。
「え? 一緒じゃん?」て思うでしょ。ところが違うのよ。今回は,“リプレイカメラ革命”が起きているの。というのも,プロスピ2013にはピッチャーのボールの握りだとか,回転だとかも分かるようなリプレイカメラが採用されているのね。これによって生み出されるリアリティったら半端じゃないわよ。
昨今のゲイムの表現力は,かつてとは比べものにならないレベルになっているわよね。こうなってくると,純粋なグラフィックスの向上だけでリアリティを追及するのは難しいでしょう。
そこでプロスピ2013は考えた。実際のプロ野球中継では,ボールの握りだとか回転だとかを見せるようなリプレイシーンが増えてきているのね。そこでプロスピ2013は,そういう現実のトレンドを取り入れることによって,リアリティを向上させているわけ。
結局この手のゲイムにおけるリアリティって,お笑いでいうところの「あるあるネタ」なのよね。つまり,プレイヤーがプレイ中に「あるある」って思えないと,リアリティがないととらえられてしまう,と。プロスピ2013では,リプレイカメラによって「あるある」がしっかりと押さえられているの。
そしてこの方向性の提示は,今後の進化すらも予感させていると思うわ。プロ野球中継を熱心に見ている人だったら分かるツボって,まだまだあるはずでしょ? 単純に「グラフィックスが高精細になりました。リアルですね」ではない深化や進化の可能性を,プロスピ2013は見せてくれているわけ。
野球に興味がない人にとっては,どうでもいいことなのかもしれない。けど,そもそも野球好きがターゲットのゲイムである以上,こういう部分をさりげなく深化させたのは,野球ファンのゲイマーにとっては非常に嬉しいものなのよ。
そう。プロスピシリーズには,まだまだ可能性がある。野球好きでまだプレイしてない人,今からでも全然乗れるわよ。え,アクションが苦手? 大丈夫。「監督プレイ」なら,選手に指示を出すだけで遊べるからね。それだけでも十分に面白いから。私なんて,プロスピ2012でもプロスピ2013でも,直接操作することなく,ひたすら監督プレイで遊んでいるわ。
……さて。ここからは自由奔放に書かせてもらおうかしら。プロスピ2013をプレイしてて「自分が実は根暗だった」ということに気付いてしまった,という件に関して。
さっきも書いたように,プロスピ2013って自分で操作せずとも選手に指示を出すだけで試合が進行するという,監督プレイが用意されているのね。私に言わせれば,プロスピ2013って,もはやそういうゲイムなんじゃないのか,と。それくらい監督プレイが楽しい。
一人の選手になって選手生活を楽しむ「スタープレイヤー」ってモードもあるんだけど,私的にそこはもうスルー。「プロ野球スピリッツ2011」では,同様の「スターダム」モードをやたらとヤっていたから,きっとプロスピ2013でもヤれば面白いんだとは思う。でも,今の私は操作しない喜びを覚えてしまったから……。
操作しないスポーツゲイムの何が面白いのか? って思うでしょ。でもね,操作しないってことは,思い通りにならないってことでもあるわけ。自分で操作していると,結果は基本的に自分のせいだと思わざるを得ないのよ。でも,監督プレイだとAIが勝手に試合をするわけだから,何が起こるか分からない。つまり,自分の望んだ動きをしてくれない可能性があるのね。言い換えれば,ご主人様が私に何をもたらすか分からないわけ。ご褒美かも知れないし,折檻かも知れない。そこが楽しい。
うん。ここまで説明してみても,やはりちょっと暗いわね。だって,せっかくゲイムが用意してくれている「オンライン対戦」とかにはまるで興味を持てていないんだもん。一人で折檻とご褒美を楽しむほうが好きなんだもん。
さらに言うとね。プロスピ2012のときは,選手のカードをひたすら集めてひたすら経験値ためて覚醒させてを繰り返す「グランプリ」モードを一人で淡々と遊んでいたんだけど,プロスピ2013はさらに一人遊びに拍車がかかりそうなの。
なぜなら「マネジメント」なる新モードが搭載されたから。このマネジメントに至っては,試合のシーンが一度たりとも出てこないのよ。GMという立場になって,ただひたすら球団の資金繰りを繰り返すだけ。
なのにこれがね,粗削りな部分もあるんだけど面白いのなんのって。普通にヤっていたらほぼ確実に2年目か3年目で破産するくらいの難しさ。そしてその間,チームは高い確率で断トツの最下位。いわゆるマゾゲイってやつね。
でも,そんなご主人様の責めが愛おしくて仕方がない。今後,シリーズが進むにあたって,このモードも完成度は上がってくでしょうけど,ひとまず今回のマネジメントは,某サッカークラブ運営シミュレーションの初期作品のような匂いがして,個人的にはええもんプレイした気になれて嬉しいのよ。
なので,ひょっとしたらプロスピ2013って,シミュレーションゲイムファンにもおススメしていいのかもしれないわ。総じてシミュレーションゲイム好きのほとんどは根暗だしね。サンプルは私。当てはまらないシミュレーションゲイム好きには,ゴメン。でも根暗だっていいじゃない,人の数ほど正義はあるんだから。
とにかくプロスピ2013は,自分が納得するまで向き合えるモードが多いから,私にとって最適っていうことが言いたいわけ。
近頃の私は,夜な夜な真っ暗な部屋で一人,黙々とプレイしてはニヤついて,選手が覚醒しては私も覚醒し,ご主人様の理不尽な仕打ちに悶々と身悶えて朝を迎えているのよ。どう,根暗でしょう?
ただ,くれぐれもこれだけは誤解してほしくないんだけど,プロスピ2013には何の後ろ暗いものはないからね? 何ならちょっとリアルなグラフィックスの前田健太選手にドキドキしてるだけで,プロスピ2013はまったくもって,そういうゲイムではないわよ? 暗いとか明るいっていう前に,ただ私は私の正義もとい性技を貫いてるだけ。また来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「真・三國無双7」
PlayStation Vita:「プロ野球スピリッツ2013」
PSP:「FRONTIER GATE Boost+」
Wii U:「ZombiU(ゾンビ U)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版」
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ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2012年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。
「魂」はバンダイの商標です。
(C)Konami Digital Entertainment
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