連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第103回:「第一部 完?」
著者近影
同じことを何度も書いて恐縮だけれども,私,「ジャンプ」っ子なのよ。最近はそうでもないんだけど,昔は毎週欠かさず読んでいたものよ。読んでいだ範囲では,どのマンガのこともだいたいは覚えているわ。長期連載のものもあれば,短期で終わってしまうものもあったわね。
ただ,ジャンプを長年読んできて気付いたことがあるの。それは,長期連載だろうが短期連載だろうが,昔のジャンプマンガは最終回が極めて唐突にやってくるってこと。最近は知らないけどね。
とくに印象に残っているのは「ドン・ボルカン」ってマンガ。うろ覚えなんだけど,確か主人公がドミニカから日本に帰ってきて,プロ野球で活躍するって話だったと思うわ。8週くらいで打ち切……ゴホン連載が終了した不思議なマンガよ。オールスター戦で終わるという,夢があるんだかないんだか分からない終わり方だった記憶が。
まあドン・ボルカンの話はさておき,私が読んでいた頃の週刊少年ジャンプって凄いもんで,どんなエース級のマンガでも終わるときは容赦がないというか,2〜3週で急に流れが速くなって最終回を迎えたもんよ。ほかのケースだと,キリのいいところで第一部完とか。
ただ,私は打ち切……ゴホン急展開最終回はさて置き,この第一部完は嫌いじゃないの。だって,読者としては一応は第二部への希望が持てるじゃない。それがたとえ,事実上の最終回だったとしてもね。
そういう意味では「ドラゴンボール」終了後の週刊少年ジャンプを支えた「スラムダンク」の終わり方は,私としてはとても納得がいくものだったわ。たぶん,週刊少年ジャンプが最も売れていた頃のエースだったわけだから,ドラゴンボールとスラムダンクはジャンプ史上で最も読まれたマンガの一つだと思うのよ。だから,スラムダンクが終わる事自体は寂しいけど,終わり方が美しかったからファンとしても納得はできた。……あ,終わりっていっても,第一部のね。なぜ納得ができたかというと,山王戦が決着して極めてテンションの高い状態で終わったから。
……というわけで,長い前置きが終わりましたよ。今週は「NBA 2K11」(PlayStation 3 / Xbox 360 / PSP)をプレイしたわ。厳密にいうと,NBA 2K11をプレイしてスラムダンクについて思い出したって流れなんだけどね。当時,スラムダンクでバスケットボールに興味を持って,バスケゲイムをプレイするようになった人は多いはず。私もそのクチ。
で,そんな私くらいの年代の人なら,マイケル・ジョーダンがもの凄いバスケットボールプレイヤーだってことは知っているはずなのよ。スラムダンクでもしばしばその名前が出てきてるし,当時はバスケットシューズブームでもあって,エア・ジョーダンっていうモデルのシューズも流行したわけだし。そんなマイケル・ジョーダンを操ることが出来るのよ,このNBA 2K11では。
名前を知っていても,実際どういう選手かってことを知らない人も多いと思うのね。でも,このNBA 2K11のモードの一つ,「ジョーダンチャレンジ」をプレイすれば,ジョーダンがどういう伝説を作り上げたか,そしてジョーダンがどれだけ多くの人に愛されていたかが分かるはず。
というかですね,最近のバスケゲイムって面白いのね。まあよくよく考えれば,サッカーゲイムだって年々進化しているわけだから,バスケゲイムも進化していて当然だけど。
具体的には,試合中の選手の表現がリアリティに富んでいる。スポーツゲイムの良し悪しって,結局はあるあるネタなのよ。プレイしながら,「ああ,あの選手はこんな仕草するする!」とか,「あ,こんな展開あるある!」って思えれば,そのスポーツゲイムは優秀なんだと思う。
なぜなら,スポーツファンは現実のスポーツの面白さを照らし合わせながら,スポーツゲイムをプレイするわけだから。これが,すなわち,スポーツゲイムにおけるリアリティってやつなんでしょうね。ゲイムの開発技術やハードスペックが上がって,そのあたりがより多く表現できる。そらまあ,面白いわな。
で,このNBA 2K11に関しては,うまく日本語でナビゲイトできているから,日本人の私がプレイしても違和感がない。洋ゲイの一番とっつきにくい部分を,きっちり克服できているっていってもいいでしょうね。普通のバスケゲイムとしても面白いし,私のようなスラムダンク世代もきっと楽しめると思うわ。
さて,ジャンプの話に戻るわね。スラムダンクのほかに,終わり方で印象に残っているのが「銀牙―流れ星 銀―」。
犬が主人公で,その犬達が友情・努力・勝利なドラマを繰り広げるっていう,コテコテのジャンプスタイルな話ね。犬の集団が赤カブトと呼ばれるクマと戦うのね。で,最終的には飼い主の竹田の爺さんと共に赤カブトを倒すんだけど,長年の赤カブトとの抗争に決着がついたあと,爺さんは死んでしまうのよ。なんと風邪で。で,爺さんの葬儀のときに数十匹の犬が霊柩車と一緒に走って見送るってシーンがあるわけ。
当時小学生の私は,この終わり方を,マンガの終わり方としてもの凄く美しいと感じたことを覚えているわ。イヤ,実はこのシーンは最終回ではなく第一部完で,その後も狼と戦うんだけども。狼との戦いはどちらかというと打ち切……ゴホン強引な終わらせ方臭かったのはご愛敬。
犬が人間の言葉でしゃべって滝のような涙を流すことで有名なこのマンガ,読んでない人がいたら是非読んでみて。珍しく,ゲイム化されてない名作ジャンプマンガよ。
で,「大神伝 〜小さき太陽〜」(ニンテンドーDS)ですよ。
もはやワン公というつながりしかない前置きだけど,とても面白いのよ,大神伝。「大神」から,プラットフォームがニンテンドーDSになっても,大神の世界が再現されているのが凄いわ。そんなに時間は経ってないはずなのに,ちゃんと懐かしい気にさせられた。
グラフィックスだけでなく,セリフのノリもなんとなく和風だし,海外からの評価が高いのもうなずけるわね。とはいっても,日本人プレイヤーの私にとっちゃ海外からの評価なんて知ったこっちゃないんだけどね,正直なところ。
そりゃね,タッチペンの使わせ方がーとか,美しいグラフィックスがーとか,褒めるべきところはいっぱいあるんだけど,そんな能書きよりも,単純にゲイムとして楽しいってことをできるだけ大きな声で伝えたい。
キャラを動かしていて不快感がないし,それまで進めなかった場所に進めるようになったときに,妙に嬉しくなる。こういうゲイムとしての心くばりこそが,この大神伝の一番素敵な部分だと思うわよ。だから,もしシリーズ未経験の人がいたら,是非プレイしてみてほしいわね。ちゃんと面白いから。食わず嫌いはよくない。このゲイムはとくに。
てなわけで,週刊少年ジャンプのことを思い出しながら,2本のゲイムを紹介したんだけれども,少年ジャンプをはじめとするマンガって,いつの時代も子供達の感性を磨くのに最適なツールなんだなぁってあらためて思ったわ。
いえ,マンガだけじゃない。良きにつけ悪きにつけ,少年時代に楽しみながら触れたものは,その子供の考え方に絶対に影響を与えている。ゲイムもそう。
きっと今のゲイムをプレイした子供たちは,その影響を受けて未来でエンターテインメントを作っていく。未来のエンターテインメントが私達にとっても面白いものでありますように。
おれたちの戦いはまだ始まったばかりだ!<第一部 完>
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