連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第31回:「おぅワイや!男色ディーノ番長日記」
5月X日
著者近影
おう,ワイや。ゲイプロレスラーの男色ディーノ(32)や。とうとうこの日がやってきたでェ。
アホゥ! 何がって「プロ野球チームをつくろう!2」(以下,野球つく2)の発売日に決まっとるやないかい! 前作が面白かったからのう。
もともとワイはつくろうシリーズが大好きなんじゃ。シミュレーション好きやからな。昔から何度も言うとるが,ワイは「J LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!」をプレイしたくてセガサターンを購入した男や。けど,後悔してないでェ。
確かにサターン買ったあとに「ドラゴンクエストVII」がPlayStationで出るって発表されたけどな,そんなもんクソくらえじゃ! 欲しかったら本体ごと買う。それが男ってもんやないかい! ……泣いてへん,泣いてへんからな! これは汗や。目から出た汗や。
あの頃のワイは,PS買うのにも苦労してのう。当時学生で一人暮らしやったさかいなぁ,飯は一日一食。外に出ると金使うから,それこそゲイムで時間を潰す毎日や。今にして思うと,ドラクエの発売は発表からだいぶ先の話やから,発表されたからって,慌ててPSを買う必要はどこにもなかった気がするワ。
せやけど,ワイもどこかでコンプレックス感じとったんやろなぁ。結果的にサターン買って間もなく,PSも手に入れて見事な両刀使いになってしもうたっちゅうわけや。
その,PSを買うまで節約し続けた1か月くらいがつらかった……。米は実家から送られてきてたから食えるとしても,おかずがないんやな。節約=食費削減。当時はチャリンコ移動やったから,家賃光熱費以外では,削れるところはそこしかあらへん。
すべてはドラクエのために。ここからワイの……っていうか,ワイが食う米のパートナー探しの日々でもあったわけや。塩だけで食ったこともあった。たまたま友達にもらったキャラメルコーンで食ったこともあった。そして,極力外に出ないようにしたんや。俗世は誘惑が多いからのう。
で,さっきも書いたとおり,実は一番金を使わず時間が潰せるいうんは,ゲイムなわけや。ゲイムを買うためにゲイムをプレイする。本当に意味の分からない毎日を過ごしとったわけや。
ま,結果的に,原因であるところのドラクエVIIは発売延期んなって,PlayStation 2ちゅう新たなハードが発売されたあとにリリースされるという,衝撃的な事件も起こるわけやけどな。その話は置いとこ。
ともかく,その節約生活の支えとなったゲイムが初代サカつくってわけや。これで,ワイはシミュレーションっていうかつくろうシリーズにがっちりハマってしまったわけや。その後は,つくろうシリーズはほとんどプレイしとる。ダビつくとかはゴメンとしか言いようがないけどな。
で,ようやく本題や。野球つく2。
こらおもろいでェ。前作もたいがいおもろかってんけど,やっぱ10年縛りっちゅうんがどうも気になってのう。シミュレーションって,蓄積なわけや。過去があって今がある。未来のために今どう過ごすか。まさに人生ちゅうことやな。
競馬ゲイムかてそうやろ? 未来の最強馬を作るために今どういう配合をすべきか。経営シミュレーションもそうや。より多く稼ぐために何を建てなあかんのか。そして野球やサッカーやったら,勝つためにどんな選手を獲らないといけないか,どういう育成をしないといけないか。そういうプレイの蓄積こそがシミュレーションのだいご味なわけや。
要するに,作り手からすると,この蓄積をどう面白く感じさせるか。プレイヤーからすると,蓄積するのが苦痛でないか,蓄積したものが反映されるかどうか。このあたりが重要なわけやな。
その観点からいくと,前作の野球つくは,10年プレイしたデータを引継いでくり返しプレイはできるんやけどな,蓄積量が限られとったわな。
けど,今回は一味ちがうでェ。選べるようになっとんのや。10年目以降も続けてプレイするか,データを引き継いだうえで初めからプレイするかを。これは素晴らしいワ。それによって,底なしにプレイできるようになったわい。「どうせまた始めからやり直すことになるしなぁ」みたいな気にならなくなったんや。ようけやっとれるわな。
この,「いつまでプレイするかプレイヤーが決められる」ことこそが,ゲイムにおける本当の意味での自由度やとワイは思うんや。
あと,このゲイムに関してインタビューさせてもらう機会があったんやけどな,よう考えられとるワ(どのゲイムも,ワイがインタビューしてへんから分かっとらんだけで,本当は考えられてるとは思うけどな)。むっちゃ細かいところまで意識して作られとる。
野球ファン,ゲイムファン,シミュレーションファン,つくろうシリーズファン。どの層へもアプローチして,それが実際に行き届いとる。何を面白く伝えて,同時に何を削るべきか。これが完全に徹底されとるんやろうな。
昔は「リアリティないやろ!」と思っとった,デフォルメされたグラフィックスもなぜか気にならんかったし,音楽もゲイムの邪魔をしとらん,ゲイムテンポええし,逆に焦らすとこは焦らすし(たぶん計算)。
プロデューサー,ディレクターは言わずもがなやけど,開発チームが素晴らしいんやろな。ホンマに買いやと思うでェ。
実際,同僚の汁レスラー,大家 健に半ば強制的に買わせたったんや。あ,おんどれらが大家 健知らんのは当然やで。だって汁レスラーやさかいな。Wikiとかで調べてもたいした情報載ってへん。
で,ワイが所属するDDTプロレスは,新宿でプロレスバーを経営して,数々のプロレスラーを招いてイベントを行っとるんやけどな,ワイ,人前に出るのが苦手やさかいあんまり顔出さんかったんや。
でも,その汁レスラーかつバーの汁店員でもある大家 健が暇そうなときには,「野球つくJapanロード」でもプレイしに行こうかと思っとるわ。
ワイは内向的やから正式なイベントとしてはやらへんけどな,もし店に行く機会があって店員だかゲイだかがDSやってたら,それはワイか大家 健やから,気軽に声かけたってくれへんか。待ってるでェ。
JAPANロードだけに,シャンパン飲みながらな。
……オイ,シーンとすんなや! スベってへん,ぜんぜんスベってへんのじゃい!
以上,清原調でお届けしました。
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プロ野球チームをつくろう!2
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