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「FIFA 12」「StarCraft II」「鉄拳タッグトーナメント2」で熱戦が繰り広げられた「第3回 eスポーツ JAPAN CUP」の模様をレポート
eスポーツ(Electronic Sports)は,欧米や日本以外のアジアではプロリーグが存在するほど浸透している。このJAPAN CUPも数年後のプロリーグ発足を見据えたもので,今後も継続的に開催されていく予定だ。
今回の大会概要は以下の通り。全国から各地域の代表選手が集結し,複数のゲームタイトルで競い合い,優勝を目指す。
●競技開催種目(ゲームタイトル)
「FIFA 12 ワールドクラス サッカー」
「StarCraft II: Wings of Liberty」
「鉄拳タッグトーナメント2」※男性部門と女性部門で開催
●参加チーム
Naturals HOKKAIDO (北海道)
東京ストロベリーフィールズ (東京)
e-DOGS Chiba (千葉)
GAMES okinawa (沖縄)
TODA CYCOLOTIX (埼玉)
●大会ルール
各種目ごとに総当たり戦を実施。勝利数の多い上位2名で決勝戦を行い。勝利した選手が優勝となる。
勝利数が同じ場合の順位決定ルールは以下のとおり。
「StarCraft II」
・セット率(総得点セット/総喪失セット)
・該当選手同士の試合結果
・抽選
以上の優先順で,順位を決定する。
「FIFA 12」
・得失点差
・総得点
・該当選手同士の試合結果
・抽選
以上の優先順で順位を決定する。
「鉄拳タッグトーナメント2」
・セット率(総得ラウンド/総失ラウンド)
・ラウンド率(総得ラウンド/総失ラウンド)
・抽選
以上の優先順で,順位を決定する。
チーム順位は,各種目の結果により与えられるポイントの合計で決定される。
果たして,優勝に輝いたのは一体どのチームか。本稿では16日に行われた決勝戦の模様を中心に,当日の様子をレポートする。
決勝進出を懸けた緊張感あふれる総当たり戦
各種目の総当たり戦前半は大会1日目となる15日に終了し,16日は総当たり戦の後半と決勝戦が行われた。
いずれの種目でも非常に見応えのある試合が続出。会場はプレイヤーのわずかなミスが勝敗を決してしまうというような緊張感に包まれていた。
とくに「StarCraft II」は,日本語版が発売されていないにも関わらず,ほかの2種目に勝るとも劣らない盛り上がりを見せていたのが印象的。RTSというジャンルの特性上,格闘ゲームのような派手さはないが,選手達の綿密に練られた戦術の数々に,会場から歓声が上がっていた。
「FIFA 12」では,ゲストとして元プロサッカー選手の城 彰二さんが解説者として登場したが,グラフィックスやモーションのリアルさに「まるで本物の試合を見ているようですね。凄すぎます……」と呆然。言葉が止まってしまうくらい見入っていた。
また城さんは「プレイヤーとしての楽しさと,監督としての楽しさが両方味わえる作品」と,本作を評価。興味津々の様子で解説を行っていた。
「鉄拳タッグトーナメント2」は,世界的な人気を誇る格闘ゲームだけに,観客の盛り上がりも半端ではなく,選手がコンボを決めるたびに大きな歓声が沸き起こっていた。選手達も真剣そのもので,登場時から怖いくらいの気合いが伝わってきた。
決勝戦前のインターバルでは,comceptの稲船敬二氏からビデオメッセージが送られた。稲船氏は「ゲームというものをスポーツとして意識してもらって,もっといろいろな形で皆さんの活躍を見せていけたらいいなと思っています。皆さんが活躍できるように,僕らもしっかりとサポートしていきますので,頑張ってください」と激励した |
息もつかせぬ展開が連続の決勝戦。栄冠は誰の手に?
ついに行われる決勝戦。最初の種目は「FIFA 12」だ。ここまでの激戦を勝ち抜き,見事決勝までコマを進めたのは,東京ストロベリーフィールズの前田選手(プレイヤーネーム:ともプー)と,Naturals HOKKAIDOの羽染貴芳選手(プレイヤーネーム:jengaman)で,使用チームは2人ともブラジルという同チーム対決となった。
まずは両チームとも様子見と言った感じで大きな動きはなく,静かな緊張に包まれたまま試合は進んでいった。その後も一瞬たりとも油断できない攻防が続きながら試合が進んでいく……ように見えたのだが,羽染選手がファウルを取られてしまい,前田選手にPK。これを見事ものにした前田選手が先制した。
後半もテクニカルな攻防が続き,どう試合が転んでもまったくおかしくない状況だったが,カウンターで前田選手が2点目を奪取。そのまま時間は経過していき,前田選手の優勝が決定した。
優勝インタビューで前田選手は,「羽染君とはオンラインでいつも一緒にプレイしているんですけど,自分の成績を抜かれそうになっていたこともあるくらい強い選手なので,かなりしんどかったですね」コメント。PKについては「僕は,ああいう運がいつも転がってくるんで,気軽にシュートできました」と振り返っていた。
続いて行われた「StarCraft II」の決勝戦は,東京ストロベリーフィールズの楠本 翔選手(プレイヤーネーム:nazomen)と,e-DOGS Chibaの小池 光選手(プレイヤーネーム:kurOa)という顔合わせ。ユニットの配置,使い方,一瞬の判断力などを極めたかと思えるような両選手の戦いが繰り広げられた。
そんな激戦を制したのは小池選手。序盤,楠本選手が怒濤の攻めを見せたものの,小池選手は冷静に対処。後半もピンチになることはあったものの,楠本選手の隙をついて一気に勝利をもぎ取った。
優勝インタビューでは,就職活動の合間にずっと練習してきたことを明かした小池選手。その努力が今回の結果につながったのではとコメントした。
「ゲームで食べていくことは考えていない?」との質問には「まだ自分はそこまでのレベルではない」と答えたものの,「違った形で運が開けてくる可能性あるかもしれないよ」と水を向けられると「はい。そのときは頑張りたいと思います!」と,内に秘めた熱意を見せてくれた。
「鉄拳タッグトーナメント2」の決勝では,本大会の格闘ゲーム部門総合プロデューサーを務める,プロレスラーの蝶野正洋さんが選手の呼び込みを行い,1人1人に激励を送った |
まずは女性部門の決勝戦,GAMES okinawaの渡辺美帆子(プレイヤーネーム:きゃしー)と,e-DOGS Chibaの高田美樹選手(プレイヤーネーム:みぃみ)の試合が行われた。渡辺選手の使用キャラクターは風間飛鳥,高田選手は風間飛鳥&風間準だ。
試合では,渡辺選手が開始してすぐに怒濤の攻めで高田選手を圧倒。早々に1セットを先取した。しかし,高田選手も黙っておらず,うまいタイミングで当て身を置きながら的確なコンボで反撃するなど,テクニカルな戦い方で会場を盛り上げる。その後も2人の高レベルなバトルが続き,ファイナルセットへもつれこんだが,最後は高田選手が渡辺選手を圧倒し,見事優勝をもぎ取った。
高田選手は優勝インタビューで「前回はキャシーに負けたので,今回が絶対に勝ちたいと思ってました。また決勝でキャシーかぁ,とは思ってたんですけど,勝てて良かったです」と,ライバルとの戦いを振り返った。
男性部門の決勝は,ゲーム競技の世界大会「WorldCyberGames」での優勝経験もあるe-DOGS Chibaの中山大地選手(プレイヤーネーム:ノビ)と,TODA CYCOLOTIXの加藤佑二選手(プレイヤーネーム:ユウ)の対戦。使用キャラクターは中山選手がラース&ドラグノフ,加藤選手がフェン&レオで,非常にスピーディな展開となった。
序盤は,お互い一歩も譲らず五分五分の試合展開が続いたが,中山選手がコンボで一気に体力を減らしていき,そのまま1セットを先取。続く第2セットでも,攻めあぐねる加藤選手に対して壁コンボや起き上がりなどをしっかりと狙っていった中山選手が優勢に立ち,そのまま勝利した。
中山選手は「(自分は)確かに世界一になりましたけど,やっぱり負けることはあるんですよ。そんな時,『お前,たいした事ないな』って言われるのが本当にイヤなんですよね」と語ったあと,「今日は本当に完璧でした」と続けて満足げだった。
中山選手(左)が2セットを連取し,世界一の意地を見せた男性部門の決勝 |
こうして激戦も終わり,チーム順位も確定。e-DOGS Chibaが見事優勝をもぎとった。
1位 e-DOGS Chiba (千葉)
2位 東京ストロベリーフィールズ (東京)
3位 GAMES okinawa (沖縄)
4位 Naturals HOKKAIDO (北海道)
5位 TODA CYCOLOTIX (埼玉)
会場に設置されていたスコアボード。これを見るだけでも,激闘の記憶が甦ってくる…… |
優勝したe-DOGS Chiba (千葉チーム) には賞金10万円が贈られた |
閉会式では,LG Electronic Arts Japan株式会社マーケティング総括の李 起旭氏が,来年の春に,今回成果を残した選手達を韓国のゲームフェスティバルに連れて行き,さらに活躍させたいと明言。
続いてeスポーツ JAPAN CUP大会委員長を務める筧誠一郎氏が,本大会に賛同した関係各社に感謝の意を表明。これからも選手達を後押ししていきたいとコメントして大会を締めくくった。
eスポーツ JAPAN CUP公式サイト
- 関連タイトル:
StarCraft II: Wings of Liberty
- 関連タイトル:
FIFA 12 ワールドクラス サッカー
- 関連タイトル:
鉄拳タッグトーナメント2
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