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AMD,2008年に投入の次世代モバイルCPU&プラットフォームを紹介
GriffinとPumaは,2009年のリリースに向けて開発が進められている,GPU(グラフィックスチップ)統合型CPU「Fusion」ベースのノートPCに向けた第3のステップとされ,その中間点として,GPU(グラフィックスチップ)との“付き合い方”に,一つの動きがあった。また,消費電力低減に向けての方策もいくつか打ち出されたので,現時点で明らかになった内容を,ざっとまとめてみることにしたい。
■「既存の技術を集めてフルスクラッチされる」
■次世代モバイル向けCPU,Griffin
- 65nm SOI製造プロセスを採用
- CPUコアは最大2個搭載可能
- コア×2とノースブリッジ部で別々のPower Planeを持つ「Split Power Plane」構成になっており,動作クロックと動作電圧を別個に設定可能。これを利用して,CPU実行中の負荷状況に応じて2個のコアそれぞれの動作クロックと動作電圧を動的に変えられる「Dynamic Performance Scaling」を採用する。動作クロックは9段階に変化
- 大容量のL2キャッシュを搭載(具体的な容量は非公開)
- DDR2メモリコントローラの,モバイル用途への最適化(詳細は非公開)
- HyperTransport 3.0対応。消費電力を低減しつつ最大パフォーマンスを得るため,上り下りそれぞれx16/x8/x4/x2/停止と5段階の帯域幅設定を持ち,必要なときに必要な帯域幅を利用可能だ。これは後述するチップセット「RS780M」とセットで実現される
■Puma=RS780Mチップセットは
■DirectX 10&UVD対応,フレームバッファも用意
RS780M+SB700の概要は右のスライド,ブロックダイヤグラムは下のスライドを参照してほしい。グラフィックス機能はDirectX 10&UVD対応で,「R600のテクノロジを採用した」(土居氏)グラフィックス機能を内蔵し,システム全体の消費電力低減に貢献するというローカルフレームバッファ(下のスライドでL.F.Bとあるのがそれだ)もサポートする。ローカルフレームバッファは,スライドだとDIMMになっているが,マザーボード上にチップを実装することも可能だそうだ。もっとも搭載コストを考えると,実際にローカルフレームバッファを用意するノートPCがどれだけ出るかは議論の余地がありそうだが……。
PowerXpressと似たような機能は,国内で販売されているノートPCですでに実装されているが,既存のノートPCでは,切り替え時にシステムの再起動が必要と指摘した福井氏によると,「PowerXpressでは,フレームバッファ内にあるデータの移動に必要な時間くらいしか,切り替え時間はかからない。最終的には,ユーザーが体感できないレベルに持って行きたい」とのことだった。
なお,PowerXpressをATI Mobility Radeonが利用できるのは言うまでもないとして,GeForce Mシリーズでも利用できるのかは気になるところだ。その点について聞いてみると,「PCI Express接続なので,RS780Mの外部GPUとしてGeForceを利用することはできる。しかし,PowerXpressはRS780Mの機能であり,旧ATI Technologies製GPUとの組み合わせでサポートされることになる」という答えが返ってきたことは,付記しておきたいと思う。
ただ,先の「Phenom」も含めて,AMDの方向性や進捗状況がある程度示されたことは,将来のゲーム用PCをどうするかのヒントになるという意味で,素直に歓迎すべきだろう。今後も,定期的に情報が出てくるのを期待したいところだ。(佐々山薫郁)
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