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印刷2007/05/10 21:46

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PC版の発売も!? スクウェア・エニックスがプレスカンファレンスを開催。完全新作のRPG「ラスト レムナント」などを発表

 本日(5月10日)スクウェア・エニックスは,5月12日,13日に幕張メッセで行われる「スクウェア・エニックス パーティ2007」に先駆けて,メディア向けのカンファレンスを東京都新宿区にある新宿文化クイントビルで開催した。
 主にコンシューマ向けタイトルの発表が続いた本イベントだったが,その中で,スクエウェア・エニックスの「新たなる大作RPG」として位置づけられる戦略タイトル,「ラスト レムナント 」(THE LAST REMNANT)が発表された。本作は,ゲームエンジンにPCゲーマーにはお馴染みのUnreal Engine 3が採用されているほか,リリースは日米同時発売,プラットフォームもXbox 360とプレイステーション 3のマルチプラットフォーム展開がアナウンスされるなど,スクウェア・エニックスがとくに力を入れている完全な新作タイトルだ。

 ほかのタイトル発表では,それぞれのプロデューサー/ディレクターが解説を行う中,本作の紹介では,まずスクウェア・エニックスの代表取締役である和田 洋一氏が自ら登壇。「スクウェア・エニックスのRPGシリーズは,ファイナルファンタジーをはじめとして,世界の皆様に受け入れられるブランドへと成長したと思います。これから紹介するラスト レムナントは,我々の新たな挑戦です。次世代を担うRPGとして送り出したいと思います」とコメントし,本作に懸ける意気込みを語った。

 ゲームの紹介に関しては,本作のプロデューサーである上田 信之氏が登壇し,本作の特徴,そして世界観を,実機で動かしているという映像を交えながら紹介してくれた。
 本作は,はるか古代より“レムナント”と呼ばれる物体が存在するという,異世界が舞台。レムナントには,世界を変革しうるほどの巨大な力が秘められており,それをめぐる戦乱がストーリーとなる。
 このレムナントは,各都市などで圧倒的な存在感を示している,シンボリックな構造物としても描かれており,デモンストレーション中の映像でも,町中の至る所から見えるレムナントの巨大さをアピールしていたのが印象的。詳しい説明などは何もなかったが,各都市の象徴とも言えるほどの巨大な姿を見る限り,レムナントが町の中心に据え付けられている……というよりは,巨大な力を秘めるレムナントを中心に都市(国家)が形成,繁栄しているという世界観なのかもしれない。



本作のプロデューサーを務める上田 信之氏
 ともあれ,デモンストレーションでは,Unreal Engine 3を駆使して描かれる都市や洞窟,草原を歩き回りながら,世界観や本作の雰囲気などが紹介されていった。Unreal Engine 3を採用しているだけあって,ハイデフ,HDRなどは当たり前のように取り入れられており,グラフィックスは非常に美しく仕上がっている。森の木々や水の表現なども自然である。静止画で確認すると各キャラクターのモデルやテクスチャはそれほど精細に作られているわけではないが,ライティングや質感でそれを感じさせない仕上がりであった。
 Unreal Engine 3らしく,セルフシャドウやHDRを駆使した表現も特徴的だ。とくにリアルタイムレンダリングのムービー風に展開するイベント部分では,通常部分より凝った設定となっているようで,被写界深度設定を行ったレンダリングが行われていたり,オブジェクトインスタンシングで,数百ではきかないくらいの人体モデルが群れ動いていたり,PhysX使用と思われる櫓の崩壊シーンなどが盛り込まれていた。

 さて本作のゲームシステムだが,基本は同社の「ロマンシング・サガ」などでお馴染みな,シンボルエンカウント方式のRPG。戦闘は,オーソドックスなコマンド入力方式をベースとしながらも,いわゆるQuick Timer Eventシステムを採用。簡単な操作で緊迫感溢れるさまざまなアクションが行えるゲームシステムになっているという。また戦闘は,集団戦を重視したものになっているらしく,数人,あるいは数部隊による戦いを,快適な操作で楽しめるようにしているとのことであった。
 ちなみにQuick Timer Eventとは,最近では「バイオハザード4」や「God of War」などといったタイトルで採用されている,特殊なアクションを簡単なボタン入力で実行させるゲームシステムのこと。つまり,状況に合わせて画面上にキー入力を促すアイコンが表示され,制限時間内にそのコマンドを入力すると,敵に大ダメージを与えたり,特殊なアクションを行えるという方式だ。ラスト レムナントでは,この方式を採用することで,集団対集団の戦闘を簡単かつ過不足なく表現しているのだという。
 デモンストレーションでは,半ばリアルタイムに斬り合いが進行する戦闘の中で,自分の番が回ってくるとアイコンが表示され,入力が成功して必殺技が出るような場面などを紹介。コマンド入力方式とはいえ,かなりスムースかつスリリングな戦闘システムになっていることが確認できた。
 また戦闘のデモンストレーションでは,ファイナルファンタジーで登場する巨大な召喚獣のようなものまで登場するなど,次世代機らしいスケール感のある演出も印象的であった。



 さて,今回は長々とこのラスト レムナントを紹介してきたわけだが,基本的にコンシューマゲームの記事は扱わない4Gamerで,なぜ本作を紹介したのか。それは,本作の「マルチプラットフォーム戦略」が,決してXbox 360とプレイステーション 3に限った話ではないからである。あけすけに言えば,本作は,PC版も発売される可能性が極めて高いと考えているからだ。関係者に「プレイステーション3とXbox 360以外への展開はありうるのか?」と聞いてみたところ,ズバリ「ありうる」という答えが返ってきた。PC版についても「検討はしている」ということであった。
 そもそも本作でUnreal Engine 3が採用され,なおかつXbox 360で発売されるとなれば,PC版の発売は,十二分にあり得る話。なんだかんだで,世界的に見るとゲームプラットフォームとしてのPCの存在は大きく,次世代機が十分に普及しきっていない現段階でいえば,PCゲーム市場は,ハイエンドゲームにとってはむしろ有力なマーケットといっても過言ではない。折しもWindows Vistaが発売され,DirectX10対応のゲームも望まれる今,本作にPC版の話が持ち上がっていないわけはないだろう。

 気になる発売日と価格はともに未定。クレジットを見ると「2008」の表記があり,残念ながら今年中の発売はなさそうな雰囲気である。まだまだ発売自体が先となりそうな本作だが,PC版でも発売されることを祈りつつ,今後の情報に期待したいところ。続報を待ちたい。(aueki/TAITAI)

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