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[COMPUTEX]会場で見つけた3D立体視機器レポート。これが立体視の最前線だ
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印刷2011/06/06 00:00

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[COMPUTEX]会場で見つけた3D立体視機器レポート。これが立体視の最前線だ

 2010年の3D立体視テレビブームを発端として,PCパーツメーカーやPC周辺機器メーカーからも立体視表示対応のディスプレイ関連製品が続々と登場している。COMPUTEX TAIPEI 2011の会場でとくに目立っていたのは,3D立体視対応のプロジェクタ製品群だ。また,「平面視→立体視変換」という,新たなトレンドの萌芽も見て取れたので,今回はそれらをまとめ,「3D立体視最前線」的にレポートしてみよう。


従来比2倍の明るさを実現したモデルなど

立体視対応プロジェクタが続々と


 まず最初に紹介するのは,Acerが2011年第3四半期に発売を予定しているプロジェクタ「H5360BD」だ。

H5360BD
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映像入力インタフェース部。HDMI 1.4aのほか,D-Sub 15pinやコンポーネントなどにも対応。ドッキング可能なリモコンが付属する
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輝度が2500ルーメンと,一般的な立体視対応プロジェクタと比べて圧倒的に明るい
 H5360BDは,1280×720ドット解像度のDMD素子を採用した単板式DLPプロジェクタ。
 HDMI 1.4aに準拠しており,PlayStation 3の立体視や,Blu-ray 3Dなどに対応する。
 注目すべきスペックは輝度で,なんと2500ルーメンを謳っている。「いわゆる高級ホームシアター向け立体視プロジェクタで2倍の明るさ」といえば,どれだけ明るいか想像できるだろうか。

 視聴時に用いるメガネはアクティブシャッター式で,そのため,立体視映像は常識的に考えるとかなり暗くなるのだが,H5360BDだとかなり明るい。発売時期こそ未定ながら,価格帯はバリュークラスに位置づけられるので,エントリークラスの3D立体視対応プロジェクタとして,相当に面白い製品が登場しそうだと述べていいだろう。

 次にLED光源を使ったAcerの「K330」
 さて,プロジェクタといえば,光源に超高圧水銀ランプを採用するものが一般的だったが,昨今のLED光源ブームにより,プロジェクタにもLED光源を採用する動きが波及してきている。これまでは,「技術的には興味深いものの,LED光源を採用してしまうとどれも暗く,実用にならない」という状況だったが,ここに来てLED光源の高輝度化が著しく,実用に堪える製品が少しずつ増えてきている。

 K330はそんな製品の1つ。出力解像度が1280×800ドット,プロジェクタ方式がDLPとなっている。輝度は,LED光源採用機としてはかなり明るい500ルーメンだ。こちらも立体視表示(DLP 3D方式)に対応するとのこと。
 価格は未定だが,8月の発売を予定しているという。

LED光源で500ルーメンの輝度となる「K330」。重量は1.3kgと軽量だ
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 さらにViewSonicでも,AcerのK330とほぼ同等スペックのLEDプロジェクタ「PLED-W500」を展示していた。
 こちらもLED光源で500ルーメンの輝度を実現しており,DLP方式の立体視に対応する。出力解像度が1280×800ドットな点もK330のスペックと同じだ。
 K330と異なる独自機能としては,本体がそれ自体の傾きを検知し,自動的に台形補正を行うというものが挙げられている。ちなみにメーカー想定売価は650ドルで,2011年9月頃の発売予定とのことだった。

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PLED-W500
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LEDプロジェクタにしては明るい

PLED-W200
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 さらにViewSonicでは,PLED-W500の下位モデルにあたる「PLED-W200」も展示されていた。こちらは,輝度が200ルーメンとなっているが,その代わりに筐体サイズがPLED-W500の2回り以上小さく,片手に乗るくらいの大きさ。重さはたったの420gだ。
 DLP方式プロジェクタで出力解像度が1280×800ドット,立体視表示対応,といった基本スペック部分が上位モデルと同じなのは立派。なお,PLED-W200のメーカー想定売価は450ドルで,こちらも9月発売予定という。

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USBケーブル1本で利用できるLEDプロジェクタC110
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C110専用の25インチスクリーンがオプションとして用意される。折りたたみ可能で,B3ファイルくらいの大きさになる
 話が前後して申し訳ないが,Acerにもう1つ面白いプロジェクタが展示されていたので紹介しておきたい。
 それがこの「C110」。立体視表示には非対応だが,USBケーブル1本で利用できるという製品だ。

 PCとUSB接続すると,映像入力と給電を同時に行えるので,要するにUSBディスプレイのプロジェクタ版と考えれば分かりやすいだろう。LED光源ベースのDLPプロジェクタで,USB給電であるがゆえか,輝度は50ルーメンとなる。
 重さも大きさも2.5インチのHDDケース程度のため,鞄のポケットにスッと忍ばせることも十分可能。ゲームに使えるかというと使えないだろうが,モバイルプレゼンツールとしては高い評価を得られそうな製品だ。
 こちらは,6月中にも発売予定だが,価格は未定。


平面視を立体視に変換する機能が今後普及していく


 「立体視ブームになっても,主流映像コンテンツは平面視のまま」ということで,平面視映像を立体視映像に変換する機能は,いまや3D立体視テレビにおいても欠かせない機能となっている。

 COMPUTEX TAIPEI 2011でブースを構えていたHimax Technologies(以下,Himax)は,こうした変換チップを開発している半導体メーカーだ。
 同社の担当者によると,Himaxの変換アルゴリズムは,入力映像を解析し,チップがあらかじめ知識モデルとして持っている10数種の奥行きパターンに最も近いものを当てはめて変換していくとのことだ。処理としてはシンプルであるため,変換遅延はほとんどないのだとか。
 一般的な3D立体視テレビでは,2視差分の3D映像を合成するだけだが,同社のチップなら,最大で9視点分の立体視映像を同時に合成できるだけのポテンシャルがあるという。なお,3視点以上の3D立体視映像は,おもに裸眼立体視映像パネル向けとして利用されるそうだ。

Himaxのチップを利用したデモの様子。Himaxの担当者いわく,とある在阪テレビメーカーは,平面視映像の立体視変換にあたって,Himax製チップを利用しているのだとか
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3D WIZARD。平面視→立体視変換だけでなく,赤青メガネを用いて見るアナグリフ映像の生成にも対応しているという。さらに,HDMI1.4aベースの3D立体視映像を3D DLP方式に変換する機能も持つとのこと
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 最後に紹介したいのは,Welland Industrial(以下,Welland)という企業が7月中の発売を予定している外付けユニット「3D WIZARD」。本製品に平面視映像を入力すると,立体視映像へ変換してくれるという。

 「我々はどんなアルゴリズムで立体視に変換するのかはよく知らない。チップを買ってきて製品を作っただけなので(笑)」と,Wellandの担当者はあっけらかんと答えてくれたのだが,そんなわけで,3D WIZARDが何をやっているのかは分からない。
 とはいえ,立体視の普及がさらに加速すれば,こうしたデバイスに対する期待やニーズも高まっていくのかもしれない。

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