Display Linkは,USBバスパワーで液晶ディスプレイを駆動できる,低消費電力のUSBディスプレイコントロールチップ
「DL-120」と,同製品を使ったディスプレイ機器をCOMPUTEX TAIPEI 2008の会場で公開した。間もなく,誰もが簡単かつ安価にコンパクトなセカンドディスプレイを持てる時代がやってきそうだ。
DL-120コントローラによる小型液晶ディスプレイ出力でSkypeのメインメニューウインドウを表示するデモ。この程度の大きさのウインドウなら,まったく問題なく表示できる解像度が確保されていた
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USBバスパワー接続でも液晶を駆動できるほど省電力性に優れるという,DL-120 USBディスプレイコントローラとその評価ボード
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Display Linkという会社名は知らない人が多いかもしれないが,アイ・オー・データ機器「USBグラフィック USB-RGB」やバッファローの「USB 2.0ディスプレイ増設アダプタ GX-DVI/U2」などといった製品のコントローラを提供しているメーカーだといえば,ピンと来るのではないだろうか。英国に本拠を構えるDisplay Linkは,USB接続でマルチディスプレイ環境を実現するコントローラを開発した企業で,そんな同社が現在,力を入れているのが,DL-120コントロールチップを利用した小型USB液晶ディスプレイ製品である。
Display Linkのプライベートブースでは,合計6台の液晶ディスプレイをThinkPadに接続し,動作させていた
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Display LinkのUSBディスプレイコントローラは,デスクトップ画面をソフトウェアラスタライズして,USB経由で画面を伝送するもの。3Dパフォーマンスなどは望むべくもないため,ゲームのマルチディスプレイ化には向かないが,小型の液晶ディスプレイに,オンラインRPGなら攻略系Wiki,FPSやRTSならIRCクライアントなどのチャットウインドウを表示させたりするのは,なかなか便利そうだ。
なお,DL-120ベースの製品としては,
国内メーカーのセンチュリーが開発中という,USBバスパワーでも動作する小型液晶ディスプレイが参考出品されていた。残念ながら「パートナー企業の製品について,詳細を語ることはできない」(同社)とのことで,解像度や発売時期,価格といった詳細情報は得られずじまい。しかし,Display Link関係者によれば,2008年秋には同種の小型液晶ディスプレイが続々と市場投入される見通しという。大画面液晶ディスプレイを2台並べるスペースがないユーザーでも,手軽にマルチディスプレイ環境を得られるソリューションとして,注目したい技術である。
左はセンチュリーが開発中の小型液晶ディスプレイ。USBバスパワーのみでも動作できる。右はSamsung Electronicsが,米国で22インチ液晶ディスプレイなどとバンドル販売している7インチUSB液晶ディスプレイ「UbiSync 7」。いずれもDisplay Linkのコントローラを採用した製品だ
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