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[GC 2007#064]アガサ・クリスティ「Evil under the Sun」(白昼の悪魔)は,ゲーム化に向いている?
第4弾じゃないのかと思った人は,微妙にこのシリーズに詳しい人だ。確かに第1弾「Agatha Christie: And Then There Were None」,そして第2弾「Agatha Christie: Murder on the Orient Express」の後に,「Agatha Christie's Death on the Nile」というタイトルが発売されている。しかしパブリッシャ/デベロッパはもちろん,よく見ると名前さえ違うことから分かるように,これはシリーズタイトルとは別物なのだ。
それはさておき,GC 2007のJoWooD Productionsの商談スペースで,このAgatha Christie: Evil Under the Sunが展示されていると聞き,アガサ・クリスティおよび同ゲームのファンの一人として,物腰低く押しかけてきた(?)。
応対してくれたのは,同社のPR CoordinatorであるVerena Vlajo氏。突然の訪問だったにもかかわらず,快く承諾をいただいた。準備のために時間をおいて,1時間後にあらためて訪れ,無事に本作に触れることができた。
ゲームシステムに関しては,シリーズファンには言うまでもないだろう。いわゆるポイントクリックタイプのアドベンチャーゲームで,本作ではついに,灰色の脳細胞の持ち主,エルキュール・ポアロ氏その人を操作する。
Vlajo氏に,システム部分で,従来作と変わっているところはないかと聞いてみたが,もともとシステムとしては非常にオーソドックスなゲームなので,とくには違いはないとのこと。ただ,「あえていえば……」と,移動時にダブルクリックすることで,瞬間的に画面が切り替わるようになったことを教えてくれた。その場所まで歩いていくのを,いちいち見る必要がなくなったわけである。これで,何度も画面を切り替えないといけないような長距離の移動も,ずいぶん楽になりそうだ。
ところで,なぜ第3弾に白昼の悪魔が選ばれたのだろうか。白昼の悪魔は,2度も映画化されている人気作ではあるが,クリスティファンでなくても名前を聞いたことがあるほどの第1弾,第2弾の原作と比べると,少し知名度が落ちると思われるからだ。
これについてVlajo氏に聞いてみると,白昼の悪魔のロケーションを考えてみてください,という答えが返ってきた。ご存じでない方のために簡単に説明しておくと,本作の舞台は,地中海にある避暑地の島。そう,第1弾の原作,「そして誰もいなくなった」と同じく,「島」なのである。確かに島が舞台であれば,プレイヤーの行動範囲を自然と限定でき,ゲームにしやすいだろう。またここでは詳しく触れないが,ほかにもゲームと相性のよい部分があったという。そういうこともあってか,前々から,白昼の悪魔を第3弾に推す人が多かったのだとか。
さて,シリーズファンなら気になるだろう,エンディングについても触れておこう。今作ももちろんマルチエンディングで,バッドではないエンディングは,原作どおりのものに加えて,新しく二つ用意されているという。
9月28日には第1弾と第2弾のセット商品が,11月には本作と,Wii版の「Agatha Christie: And Then There Were None」が発売予定のこのシリーズ。今後もまだまだ,クリスティファンを楽しませてくれそうだ。(Iwahama)
- 関連タイトル:
Agatha Christie: Evil Under the Sun
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