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ハロー!Steam広場 第24回:温暖化前にRiftを使うツンデレとヘルシング教授
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,遊ぶ予定のないゲームを購入してしまう上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第24回は,小説「ドラキュラ」を背景にしたハック&スラッシュRPG「The Incredible Adventures of Van Helsing II」をメインに紹介しよう。このほか,小さな惑星でコロニストたちを繁栄させていくシミュレーションゲーム「Imagine Earth」や,エイリアンの侵略によって壊滅した世界を描くSFホラーゲーム「The Hum」も合わせてお届けしよう。
小説「ドラキュラ」を背景にしたハック&スラッシュRPG「The Incredible Adventures of Van Helsing II」
今回は,ハンガリーの独立系開発会社Neocore Gamesが手掛ける「The Incredible Adventures of Van Helsing II」を紹介しよう。本作は,小説「ドラキュラ」を背景にしたハック&スラッシュRPG「The Incredible Adventures of Van Helsing」の続編となるタイトルだ。
ヴァンパイアハンターとしてさまざまなモンスターとの死闘を繰り広げた「ヴァン・ヘルシング教授」の血を受け継ぐ“息子”が主人公となり,東欧の国家「Borgovia」を舞台に,父と同じヴァンパイアハンターとしての活躍が,本シリーズでは描かれている。
前作で描かれたBorgoviaは,農村が広がる田舎町な雰囲気だったのだが,今作では工業化が進み,ステージや登場モンスターのスチームパンク色が強くなっており,ゲーム全体の雰囲気も,前作とはガラッと変わった印象だ。
ゲームについては,「NORMAL」と「VETERAN」という2つのモードが用意されている。「NORMAL」が通常のゲームモードで,「VETERAN」は,Lv30からスタートできるという少し変わった仕様になっているのだ。
名前からすると上級者向けなイメージだが,難度が上がったりするわけでもないので,単純に序盤の育成が面倒だという人に向けたモードと考えればいいだろう。
プレイヤーが選択できる職業は全部で3つ用意されている。近接武器と銃を組み合わせて戦う「HUNTER」,火炎放射器やグレネードといった重火器で戦う「ARCANE MECHANIC」,魔術を駆使して敵を一掃する「THAUMATURGE」といった感じで,それぞれが個性的な戦闘スタイルを持っている。
さらに,本作を語るうえで欠かせないのが,ヒロイン「カタリナ」の存在だ。幽霊である彼女はプレイヤーと常に行動を共にしてくれるパートナーであり,普段は気品のあるツンデレ系お嬢様なのだが,戦闘になると一変してモンスターと化すのだ。ツンにもほどがある。
またカタリナには,独自のスキルツリーが用意されており,プレイヤーと同じくレベルアップすることで,それぞれのスキルを獲得・強化することが可能だ。プレイヤーが近距離スタイルならば魔法スキルを強化したり,プレイヤーが遠距離ならば,近接特化にして前衛を任せるといった感じで,自由に育てることができる。
本作のストーリーや世界観については,前作をプレイしておいたほうが,より楽しめることは間違いないのだが,レアアイテムを拾った時の高揚感や,ビルドの幅広さ,敵の群れをまとめて一掃する爽快感など,ハック&スラッシュのツボはしっかりと押さえられているので,純粋にハクスラを楽しみたい人にもオススメできる作品だ。興味があればぜひ遊んでみてほしい。
「The Incredible Adventures of Van Helsing II」Steamページ(14.99ドル)
小さな惑星でコロニストたちを繁栄させていくシミュレーションゲーム「Imagine Earth」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はSerious Brothersが手掛ける「Imagine Earth」を紹介しよう。
本作は,未知の惑星を舞台にしたシミュレーションゲームだ。プレイヤーは,未開拓の惑星を入植地にするために,さまざまな施設を建設しつつ,宇宙を漂うコロニストたちを惑星へと導き,彼らを繁栄させていくことになる。
そんなわけで本作では,惑星をまるごと管理することになるのだが,惑星自体はミニサイズにデフォルメされているので,そこまでスケールは大きくない。
むしろ施設を建てられる場所が限られているため,シムシティの感覚でプレイしていると,あっという間にマップが埋まってしまうのだ。なんて小さな惑星なのだろうか。
また,本作には温暖化の概念があり,施設を建てれば建てただけ温暖化が進んでいく。したがって,無駄に施設ばかり建設していると温暖化の進行により氷山が溶け出し,それに伴い上昇した海面が都市や施設を飲み込んでしまい“アースオーバー”となる。念のために断っておきたいのだが,このアースオーバーとはゲーム内表記であり,筆者が悩みに悩み抜いた末に命名したネタではない。
話を戻すが,コロニストたちを繁栄させるために必要な資源は,主に「電気」「食料」「物資」の3つだ。プレイヤーは,これらの資源を回収するために,発電所や農場などを建設するのだが,それにはお金が必要になる。
お金はコロニストたちが生み出すので,人口を増やしていけば良いわけだが,人口が増えれば施設も増やさなければならず,施設を増やすと温暖化が――といった感じに,プレイヤーは常に環境にがんじがらめな状態である。
世知辛い話だが,入植を決めた時点で温暖化の進行は避けられない問題であり,いつかは北極にある氷山が溶け出して惑星ごと壊滅してしまうことになる。恐竜に玉乗りを仕込みたいとか,そんなことを考えている余裕はない。
一見ほのぼのとしたビジュアルが印象に残る本作だが,それとは裏腹に難度は高めでやりごたえのある作品に仕上がっている。といってもまだ開発段階のゲームなので,これから更に磨きが掛かることに期待したい。体験版も用意されているので,この手のシミュレーションが好きな人は,ぜひ遊んでみてほしい。
「Imagine Earth」Steamページ(24.99ドル)
エイリアンの侵略によって壊滅した世界を描くSFホラーゲーム「The Hum」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,Unreal Engine 4を使用して開発中のホラーゲーム「The Hum」を紹介しよう。本作は,エイリアンの侵略によって壊滅した世界を描くSF作品となる。
本作で重視しているのは,“リアルな恐怖体験”とのことで,今話題のヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」でのゲームプレイを軸に開発が進められているようだ。
ムービーを見る限りでは,アグレッシブに戦うようなゲームではなく,エイリアンに見つからないようひっそりと行動する,ステルス重視のゲームになりそうだ。見つかったら最後,大事なところを六角ドライバーとかに変えられてしまうのだろうか。
そんな本作は,2014年内を目処にリリースを予定しているが,肝心のOculus Riftの開発状況によって左右されそうな気配。とはいえ,これからの動向に注目が集まるタイトルなのは間違いないだろう。
「The Hum」GREENLIGHTページ
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The Incredible Adventures of Van Helsing II
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