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[TAIPEI 2007#19]台湾独自開発のオンラインダンスゲーム? IGSの「唯舞独尊」
キャラクターの造形,ゲームシステムからインタフェースに至るまで,一見しただけではどこが似ているというより,似ていない部分を探すのが難しいほどだ。
ところがこの唯舞独尊,INTERNATIONAL GAMES SYSTEM(以下,IGS)が開発した正真正銘の台湾製のタイトルで,2006年末にはニュース番組にも,国産ゲームとして大きく取り上げられていたというではないか。そこで,唯舞独尊のゲームデザインに携わったという,Senior Planning SpecialistのNick Yuan氏に話を聞き,また実際にプレイしてみた。
いやその,ダンシングパラダイスとほぼ同じシステムなのだが……。
キャラクターの髪型や衣装を替えるアバターアイテムは,約5万点も用意されている。対戦で溜めたゲーム内ポイントで買えるアイテム,お金をチャージして買う有料アイテムに加えて,さらにNPCと対戦して勝つと,NPCが着ているのと同じ衣装アイテムがそのままもらえるという,ちょっと珍しいシステムもある。
実際に試してみたところ,挑戦できるNPCは先ほどの台湾アイドルJolinによく似た顔立ちで,1試合ほぼノーミスという強敵。確かに特別可愛い衣装を身に着けているが,彼女に勝つためには,相当の練習量が必要になりそうだ。
単刀直入に,韓国のダンスゲーム「Audition」(ダンシングパラダイスの原題)にあまりに似ていないかと指摘してみたところ,「唯舞独尊は,ただダンスするだけのAuditionにはない,魅力的なシステムが二つあります。Auditionには絶対に負けません」となかなか強気な答えが返ってきた。ええと,全般的に似ている/似ていないと,勝てる/勝てないは別問題だと思うのですが……。とりあえず,独自部分について聞いてみよう。
Auditionにはないシステムの一つめは,プレイヤー同士がおしゃべりを楽しめる「チャットルーム」。もう一つが最大3匹まで飼えるペットシステム「音楽精霊」のことであった。後者は確かに特徴的で,見た目は妖怪「一つ目小僧」のようだ。音楽精霊は専用ルームで飼育できる。この音楽精霊,対戦ゲーム中にキー入力が成功すればするほど画面左上のゲージが溜まり,満タンになるとゲーム内に突如現れる。そして,他プレイヤーのダンスを妨害したりするという,飼い主思いの暴れ者だ。
3月の正式サービス開始時での目標アカウント数なども聞いてみたのだが,「とにかくAuditionよりは多く獲得する」と挑戦的な答えが返ってくるのみ。チャットとペットシステムの二つをもってオリジナリティを主張することの是非はさておき,いろいろな意味で今後が気がかりな作品である。(ライター:麻生ちはや)
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唯舞独尊
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