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印刷2016/07/22 00:00

テストレポート

振動するゲーマー向けワイヤードマウス「SteelSeries Rival 700」ファーストインプレッション

 2016年7月22日,SteelSeriesの新型マウス「Rival 700」が発売の日を迎えた。振動機能を内蔵していたり,センサーの交換が可能だったりと,見慣れた「Rival」(現「Rival 300」)似の筐体にギミックを盛り込んだ上位モデルといった趣の製品が,CES 2016の発表から約半年を経て,ついに日本市場へ登場するわけだ。

Rival 700
メーカー:SteelSeries,問い合わせ先:ゲート(販売代理店) 03-5280-5285
実勢価格:1万1700〜1万2500円程度(※2016年7月22日現在)
画像集 No.002のサムネイル画像 / 振動するゲーマー向けワイヤードマウス「SteelSeries Rival 700」ファーストインプレッション

製品ボックス
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 4GamerではそんなRival 700を,短時間ながら発売前に試すことができたので,読者が気になると思われる部分に絞って確認した内容を,ファーストインプレッションとしてお届けしたい。細かなセンサーの挙動などには踏み込まないが,Rivalシリーズの新型が気になっていた人はチェックしてもらえればと思う。

製品ボックスはなかなか凝っており,こんな感じで開く(左)。右は内容物を出したところで,Rival 700には実測約2.1mで布巻仕様のケーブルと同1.1mでビニール皮膜仕様のケーブルが付属しており,好みのものを接続して利用できるようになっている
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本体底面のケーブル接続端子とケーブルの先端(左)。接続するときは端子にケーブルを差し込めばOK。その手前側にあるスイッチを押すと簡単に取り外せる。右は実際につないだ例だ
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オリジナルRivalより一回り小さいが,重いRival 700。センサーの変更機能は現時点だと画餅


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 オリジナルのRival(=Rival 300)は,実測サイズが約70(W)×133(D)×43(H)mmで,Microsoftの「IntelliMouse Explorer 3.0」とほぼ同じ大きさだった。それと基本的には同形状のデザインを採用するRival 700だが,その実測サイズは68(W)×124(D)×41(H)mmと,全体的に一回り小さい印象だ。ただしケーブル抜きの重量はRivalが実測約102.5gなのに対してRival 700は135.5gと,かなり重い。Rivalの軽さに慣れていると面食らうはずだ。
 サイズを考えるとギリギリ許容できそうな重さではあるので,気にならない人もいるだろうが,人を選ぶポイントではあると思う。

有機ELパネルの解像度は128×36ドット。何か操作したときには数秒間,SteelSeriesロゴが出るのだが,この画像は別のものに変更できる
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 その重さの原因になっているのが本体側面の有機ELパネルと交換式センサーモジュール,そして振動機能なのはまず間違いないわけだが,このうち,有機ELパネルは,従来のSteelSeries製マウス上位モデルと同様に,マウス側でセンサーやボタンの各種設定を行うときのメニュー(兼,対応タイトルにおける情報表示)で使える。従来製品だと有機ELパネルは底面にあったため,マウスをいちいち持ち上げねばならなかったのが,Rival 700でそれが必要なくなったのは歓迎したい。

CPIは100〜12000の範囲を100刻み,12200〜16000の範囲を200刻みで設定できる。リフトオフディスタンス(LIFT CUTOFF)の選択肢は2mm,3mm,OFF。ポーリングレート(USBレポートレート)は1000/500/250/125Hzから選択可能だった
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センサーモジュールはプラスネジ4本を外せば簡単に取り出せる。取り付けも簡単だ
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 センサーモジュールは,今のところ代わりのものが存在しないので,「取り外せるだけ」という状況になっている。
 次世代センサーが出てきたとして,それがSteelSeriesからすぐ交換用センサーモジュールとして出てくるといったストーリーが現実のものになったとき,初めてこのギミックには価値が出てくるという理解でいいのではなかろうか。

 なお,標準のセンサーはPixArt Imaging製の「PMW3360」で,現時点だと,「ADNS-9800」搭載モジュールも出てくる予定になっているのだが,これがいつ,どのような形で国内発売されるかに関する情報は今のところない。


振動に情報を割り振れるのは画期的! だが,現状は対応タイトルが少なすぎる


 というわけで,最も気になる振動機能である。
 「振動するマウス」と聞いて,ゲーマーが真っ先に懸念するのは,振動がゲームプレイの邪魔になるか否かという部分だろう。とくにリコイルコントロールの邪魔になるのではないかというのは,FPSプレイヤーなら誰しもが抱く疑問ではないかと思う。

振動は本体手前側(=後方側)のカバー部で感じられる仕様だ。本文では「スマートフォンのバイブ機能のような」としたが,体感の印象からは,実際に搭載しているのはスマートフォン用バイブ機能とほとんど同じものではないかというk時もしている
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 今回,それを確認するために「Counter-Strike: Global Offensive」(以下,CS:GO)でRival 700の振動機能を試したのだが,いきなり結論から言ってしまうと,「振動は邪魔にならない」。
 その理由は,Rival 700の震え方にある。一般的なゲームパッドにおける振動機能は,キャラクターの受けた衝撃をフィードバックして楽しませるために,少し大げさに震える。なので,アレをそのままマウスに持ってくれば,操作面での影響は大きくなるだろう。

 しかし「Tactile Alerts」(触知できるアラート)という名称の与えられているRival 700の振動機能は,スマートフォンのバイブ機能のような微振動をもたらすものになっているので,「銃撃中に感じる振動によってAIMがブレる」ということはまずない。

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 しかもRival 700の振動機能には,「衝撃のフィードバックを楽しむ」以上の使い方が用意されている。
 統合ソフトウェア「SteelSeries Engine 3」(以下,Engine 3)から,対応タイトルごとにフィードバック――Engine上の表記は「タクタイル」――の設定を行えるようになっているのだ。
 たとえばCS:GOで「銃弾」というゲームイベントに対して100%の値で振動を設定すれば,銃弾の撃ち出しに合わせて反動のフィードバックを受けることができる。これはゲームパッドでFPSをプレイしているときに得られるものと同じだが,Engine 3の場合,設定値を100%以外にも変更できるので,それこそ25%にすれば,装弾数100発のライフルでマガジンの残弾数が25発を切ったときに,それを振動で知らせるといったことができる。

CS:GOにおける設定例。さまざまなアクションに対して細かく振動具合を設定できる
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 ただ,手放しで歓迎できる機能かというと,そうでもない。なぜかというと,Rival 700国内発売時点における対応タイトルがCS:GOのほかには「Dota 2」と「Minecraft」(※後者はMODでの対応)しかないからだ。
 フィードバックが設定できるゲームイベントに「相手をキルしたとき」や「爆弾を拾ったとき」といったものがあることを考えると,おそらくはサーバーデータのログを参照しているものと思われ,だとすれば,ゲームデベロッパと正式にコラボレーションしたタイトルか,ゲームサーバーをローカルに置けるタイトルでないと,この振動機能は使えるようにならないだろう。
 「Rival 700の発売後,対応タイトルが続々!」となる可能性は極めて低いと言わざるを得ない。


現時点では事実上CS:GO&Dota 2専用!?


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 以上,Rival 700は,ゲーマー向けマウスの新しい可能性を感じさせてくれるデバイスという印象を強く受けるが,とにもかくにも振動機能の対応タイトルが少なすぎるのが,短い検証時間を通じて,最後まで気になった。
 もちろん,CS:GOとDota 2のヘビープレイヤーであれば一度試してみる価値があると思う。また,Minecraftをプレイするにあたってちょっと変わったフィードバックを得たいという人にもアリだろうが,それ以外の人にとっては,「左メインボタン下の有機ELパネルを使った,マウスレベルでの設定変更機能がちょっと便利なRival(=Rival 300),ただし重い」ということになってしまうのではなかろうか。

本文で触れられなかった要素を紹介しておきたい。本体左側面にある橙の突起×2は親指のホームポジションを知らせるためのものだ(左)。その突起と有機ELパネルの間には,第3のサイドボタンもある(右)
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 ウリとなっている要素のうち,最もインパクトの大きな,かつ対戦で使えるものが,事実上CS:GOとDota 2専用だと,多くのゲーマーにアピールするのは難しいだろう。Rivalと同じく,ぱっと握って違和感なく使える,使いやすいマウスだとは思うのだが……。

●Rival 700の主なスペック
  • 基本仕様:光学センサー搭載ワイヤードタイプ
  • 標準搭載センサー:PixArt Imaging「PMW3360」(※センサーユニット交換可能)
  • ボタン数:7(左右メインボタン,センタークリック機能付きスクロールホイール,ホイール手前×1,左サイド×3)
  • 最大トラッキング速度:300IPS
  • 最大加速度:50G
  • 画像処理能力:未公開
  • フレームレート:未公開
  • CPI設定:100〜16000(※100〜12000の範囲は100刻み,12200〜16000の範囲は200刻み)
  • ポーリングレート:1000/500/250/125Hz
  • データ転送フォーマット:未公開
  • 実測本体サイズ:約68(W)×124(D)×41(H)mm
  • 実測重量:約135.5g(※ケーブル含まず)
  • 実測ケーブル長:約2.1m(布巻)もしくは約1.1m(ビニール皮膜)
  • マウスソール:未公開

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  • 関連タイトル:

    SteelSeries

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