SteelSeries，ゲーマー向け視線入力デバイス「Sentry Eye Tracker」を発表。ゲーム中の視線移動を分析すると，プレイが上達する!?

　北米時間2014年6月5日，SteelSeriesは，Tobii Technology（以下，Tobii）との共同開発によるゲーマー向け視線入力デバイス「Sentry Eye Tracker」を発表した。Sentry Eye Trackerがあれば，プレイ中の視線移動を分析してプレイの改善に役立てたり，視線移動でゲームを操作したりできるようになるという。発売時期は2014年後半の予定で，価格は公表されていない。

TobiiがCESで披露したEyeX。Sentry Eye Trackerとよく似ている

　Tobiiは，視線入力技術を使った機器開発を手がけるスウェーデンの企業で，近年はとくにゲーム分野への進出に積極的だ。東京ゲームショウ2013へ出展したときには4Gamerでもレポート記事を掲載したことがある。
　そのTobiiは，2014年1月に米国で開かれた展示会，2014 International CES（以下，CES）で，SteelSeriesとの提携により開発された視線入力デバイス「EyeX」を出展し，視線の動きで「World of Warcraft」や「StarCraft II」を操作するというデモを披露していた。
　「横長のバー型形状」という点でSentry Eye Trackerの外観はEyeXとよく似ているので，おそらくはEyeXにSteelSeries流のアレンジを加えたものがSentry Eye Trackerという理解でいいのではなかろうか。

Sentry Eye Trackerの使用例。ここでは「Dota 2」を題材に，Sentry Game Analyzerが「そのときプレイヤーがどこを見ていたか」を示してくれている。画面中央よりやや左下に見える白い部分が視線の先，というわけだ

　重要なのは，TobiiがEyeXを入力デバイスとしていたのに対し，SteelSeriesはSentry Eye Trackerをあくまでも練習用デバイスとして位置づけていることだ。
　液晶ディスプレイの下に取り付けると，本体正面左右の端に埋め込まれた2台のカメラが，ディスプレイの正面に正面に座ったプレイヤーの視線をトラッキングするようになっている。そして，専用ソフトウェア「Sentry Game Analyzer」を使うと，「ゲーム画面のどこを，どれくらいの時間見ているのか」を分析し，あとでそれをチェックできるようになる。
　勝負を分けるような局面で，自分がどこを見て，何をしていたのか。それを知ることで，ただ闇雲にプレイするという状況から脱し，より高いレベルでゲームをプレイできるようになるというのが，SteelSeriesの言い分である。


　Sentry Game Analyzerの挙動がよく分かるムービーアップされているので，合わせてチェックしてもらえれば幸いだ。


　冒頭でも触れたように，Sentry Eye Trackerを使ってPCやゲームの操作を行うことも可能とされているが，SteelSeriesとして，そちらを強く推したりはしない，ということなのだろう。
　製品の位置づけからして，最低でもコアゲーマーがターゲット，といった感じだが，面白い存在なのは確かだ。続報を待ちたい。

SteelSeriesのSentry Eye Tracker製品情報ページ（英語）

ゲーミング周辺機器のグローバルリーダーSteelSeries（本社：デンマーク コペンハーゲン）は、ゲーマーに特化した設計のアイトラッキング・テクノロジーを応用したデバイス「SteelSeries Sentry Eye Tracker」を、今年のE3にて発表しました。アイトラッキングにおけるグローバルリーダーのTobii Technologyとの協力により完成した新製品は、ゲーマーの視線移動を追跡・分析し、ゲームプレイ中の目の動きを改善することで、最終的にゲーマーを勝利に導きます。

「アイトラッキングのコンセプトゲーミングに適応する革新や次世代の技術、ゲーマーに向けて考えた場合、本当にユニークなものを思い浮かべることでしょう。そのコアの部分には、新製品のSentryがアイトラッキングの機能を多くの産業で使用されているアイトラッキングのパイオニアであり私たちのパートナーであるTobiiから採用しているということです。この機能を取り入れ、SteelSeriesが持つゲーミングの専門知識を用いれば、革新的で信じられないほど有益な製品を提供できると私たちは考えています」
とSteelSeries CTOのTino Soelbergは、述べています。

THE VIRTUAL＆VISUAL COACH
SteelSeries Sentry Eye Trackerは、プレイヤーがどこで、どのくらいの間スクリーン上で注視、あるいは凝視しているかという幅広いデータを分析することにより、ゲーマーのトレーニングに全く新しい方法をもたらします。Fixations per Minute (FPM)は、スクリーンへの注視を何回行ったかを追跡します。FPMの値が低いときは、ゲーマーが多くの情報を処理できるということを示しています。

SteelSeriesは、アイトラッキング統計用のデバイスをゲーマーに提供するため、世界トップのプロフェッショナルゲーマーと協力しています。新製品は、ユーザーがプロレベルのゲーマーと自分の目の動きを比較することができます。そうすることで、ユーザーがプレイを改善するための目の使い方をより深く洞察することが可能となります。

チーフ・ゲーミング・オフィサーで前Team FnaticのPatrik ‘cArn’ Sattermonは、アイトラッキングの様な技術革新の価値を信じています。
「私たちは常に継続してプレイを改善できる方法を探しています。たとえそれが些細な改善であったとしても、時には勝つか死ぬかの差になります。私たちは自身のゲームのためにSentry Eye Trackerを使うだけでなく、他のプレイヤーがプレイを改善するための基準を創れることに信じられない程、興奮しています」

OPTICAL INNOVATION
Sentry Eye Trackerは、ゲーム内のコントロールの新しいタイプとして眼球運動を利用してゲームプレイを強化するという機能を持っています。SteelSeriesとTobiiは、将来この機能性を提案するために協働しています。眼球運動でゲームをコントロールする能力があれば、トレーニングのチャンスは無限です。

SteelSeriesとTobiiは、アイトラッキングの機能をゲーマーに特化した他のプラットフォームに利用するために、更なるパートナーとの協働を行います。例えば、Overwolfは、アイトラッキングのアクセシビリティを利用し、ゲーミングの社会的交流を促進するために、Sentryを活用、Sentry Eye Trackerを使用しているプレイ動画を、ソーシャルメディアで友人やコミュニティに簡単にシェアすることができます。

SteelSeries Sentry Eye Trackerの販売は、今年後半以降の予定です。詳しい情報、ビデオコンテンツ、ゲーム開発者、その他製品の更新情報は、こちらをご覧下さい。
http://steelseries.com/sentry