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[TGS 2013]SteelSeries,本当に久々のシリーズ完全新作。今秋発売予定のヘッドセット「Siberia Elite」と「9H」をまじまじとチェックしてみた
発表時点では製品イメージと限られた情報しか得られなかった両製品。北米市場におけるメーカー想定売価はSiberia Eliteが199.99ドル,9Hが159.99ドルだが,価格未定ながら国内でも10〜11月頃に発売予定として,かなり細かな部分まで製品概要が明らかとなったので,今回はそのあたりをまとめてお伝えしてみたい。
Siberia Elite |
9H |
使い勝手にフォーカスしたSiberia Eliteは
LEDや設定ツールなど,全体的な完成度が一段上がった印象
まず確認しておくと,発表時点で明らかになっていたのは,以下の情報だ。
- アーチ状の部品で左右のエンクロージャをつないだ形状や,左耳用エンクロージャから引き出せるブームマイクといった,Siberiaシリーズらしい形状を採用すること
- 白と黒の2色展開されること
- エンクロージャ部にLEDが埋め込まれており,好きな色に光らせられること
- 付属のUSBサウンドデバイスで,Dolby Laboratoriesのステレオ・トゥ・サラウンド技術「Dolby Pro Logic IIx」とバーチャルサラウンドヘッドフォン技術「Dolby Headphone」を採用すること
- PCだけでなくAndroid端末やiOS端末に対応すること
なかでもユニークな特徴と言えるのが,リング状になっているLEDイルミネーション部が,左エンクロージャ側はマイクミュートの有効/切り替えを切り返るスイッチ,右側はアナログのサウンド出力用音量コントローラになっていること。リングは指で探り当てやすいため,装着時に見えなくても,問題なく直感的に操作できる。
また,ここがリング状になっていることで,埋め込まれるLEDイルミネーションの,「とりあえず光らせておきました」感が軽減され,比較的自然な印象になっていることも指摘しておきたい。これなら,光るデバイスはあまり好きではないという人でも受け入れやすいのではなかろうか。
その先端は,6ピン仕様の特殊コネクタとなっており,これを付属のUSBサウンドデバイス,あるいは(やはり標準で付属する)3極型3.5mmミニピン×2変換アダプタ,4極型3.5mmミニピン×1変換アダプタに差すと,PCやモバイルデバイスに広く対応できるようになるというのもウリだ。
USBサウンドデバイスには,Siberia Elite接続用端子とは別に,3.5mmミニピンの入力端子が用意される。汎用デバイスとして,単体販売の予定があるのかもしれない |
本体から伸びるケーブルの先端。6ピンを束ねた端子とされている。今回は実物が公開されなかったが,付属の変換アダプターを使えば,PCやAndroid&iOSデバイスともアナログ接続可能 |
■専用設定ツールはレスポンスが大幅に向上
SteelSeries製USB接続型デバイスの御多分に漏れず,Siberia Eliteも,動作させるだけなら特別なドライバは不要ながら,細かな設定をする場合は,統合ツール「SteelSeries Engine」を導入する必要がある。
そして,Siberia Eliteからは,新世代の「SteelSeries Engine 3」が導入されるのだが,そのインタフェースは一新……とまでは言わないもののかなり変わり,ずいぶんとすっきりした。
並んでいる選択項目を見ると,Dolby Headphoneの有効/無効切り替え,イコライザ,マイクのノイズ低減機能有効/無効切り替え,入力音量にかかわらずマイク音量を一定に保つという機能「Auto Mic Compression」の有効/無効切り替え,マイク入力した自分の声をモニタリングする機能「Mic Sidetone」の(無効を含む)設定,マイク入力音量調整が可能なようだ。
驚くべきはその反応速度で,従来のSteelSeries Engineは,何か設定を変更しようとすると,項目によっては若干,もしくは数秒待たされることがあったのに対し,ブースで見たSiberia Eliteは,ほぼリアルタイムでLEDの色変更が可能になっていた。レスポンスは大幅に改善している気配で,これなら,カスタマイズも苦痛にならないだろう。
ドライバーやサウンドデバイス,ツールをSiberia Eliteと共通化しつつ,コアゲーマーに振ってきた9H
冒頭で「Siberia Eliteと要素技術は同じ」と述べたが,具体的には,採用するスピーカードライバーと,付属するUSBサウンドデバイスおよびケーブル接続仕様が共通になっている。
USBサウンドデバイスが同じなので,「SteelSeries Engine 3から,バーチャルサラウンドサウンドやマイク周りの設定を行える」という点も変わりない。
採用されるエンクロージャは,従来のHシリーズを彷彿とさせる形状の密閉型だが,9Hでは,ハウジングを二重化して高い遮音性を実現したとされる「Double Enclosure」(ダブルエンクロージャ)仕様になっているとのこと。この設計によって,ゲーム用途により適した音質傾向を獲得できているという。
また,使い勝手を左右する部分にも違いがある。ケーブルは,ゲーマー向けヘッドセットでよく見られる布巻き仕様に切り替わり,加えて,左エンクロージャの根元で着脱できるようにもなった。このあたりは耐久性や,持ち運びの容易さ向上を狙った結果だろう。
さらに,エンクロージャ側でリモコン機能を持たないことから,ケーブル側にマイクミュート切り替え機能と出力音量調整機能を備えたインラインリモコンが用意されたのも,重要な変更点といえそうだ。
付け加えるなら,左耳用エンクロージャに収納できるブームマイクも,マイクを内蔵する先端部のデザインが変わっている。マイクユニットの交換機能がサポートされないという意味では,9Hのほうがシンプルである。
布巻き仕様で,着脱が可能なケーブルが採用されている。見るからにしっかりした印象だ |
製品ボックスより。今回は事情により撮影できていないが,インラインリモコンが付属する |
もともとゲーマー向けヘッドセットメーカーとしての実績が豊富なSteelSeriesから,久しぶりに登場する完全新作ということで,Siberia Eliteと9Hが気になる人は多いだろう。国内発売前にチェックできる貴重な機会でもあるので,21日からの一般公開日に幕張まで出かけるつもりなら,一度チェックしてみることをお勧めする。
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