プレイレポート
「コンチェルトゲート フォルテ」が学園ファンタジーに方向転換? 職業/戦闘システムも大きく変化した,新章「ローゼンベルク学園と7つの世界」先行レポート
またこの新章から,これまでアーケード/コンシューマゲームを手がけてきたリズに開発が移管されている。タイトルホルダーのスクウェア・エニックス,運営管理のゲームポット,そして開発元のリズの三者が,今後の展開を見据えて本タイトルに“新たな風”を持ち込もうとした結果,一部のゲームシステムが大幅に変更された。4Gamerでは,新章および新システムの内容を確認してきたので,さっそく紹介していこう。
「ローゼンベルク学園と7つの世界」特設サイト
“学園モノ”化に伴って,オンラインゲームの魅力が伝わりやすくなるよう,導入部を変更
コンチェルトゲートのストーリーをかいつまんで紹介しておくと,プレイヤーは異世界から召喚された「勇者候補」の一人。プレイヤーは,勇者として「ファーレン王国」が存在する世界を救う! ……はずだったが,王様の試練に合格することができず,首都「ファンブルグ」に放逐されてしまうのだ。
新章では,プレイヤーは王国が新設した“五勇者研究”のための施設に行くことを勧められる。そしてこの施設こそ,本タイトルの新たな舞台「ローゼンベルク学園」である。
学園へ向かう道すがら,ストーリーのキーとなるレギュラーキャラの少女「トカマク」との出会いも描かれているので,従来のコンチェルトゲートファンもご安心を。さらには,これまでの舞台だったファーレン王国各地と,関連クエストもきちんと残されている。
なお,学園にたどり着くまでの道中は,ゲームのチュートリアルを兼ねた作りになっている。武器・防具の装備や戦闘の進め方など,ゲームの基本を段階的に学んでいくのだが,従来のチュートリアルよりも移動が大幅に少なくなり,かなりスマートな印象となった。
実のところ,従来のチュートリアルはコンシューマRPGのオープニングを意識した演出だったのだが,それが完了した時点で“一つ仕事を終えた”感が漂ってしまい,ゲーム自体を中断してしまうプレイヤーが多かったという。つまり,チュートリアルでは他者との接触がないので,オンラインゲームとしての楽しさを伝えきれていなかったというわけだ。
そこで新章のチュートリアルでは,プレイヤーが引き続き次の展開に取り掛かれるよう,意図的に演出をシンプルに抑えたとのこと。
学園に向かう道中で,トカマクと出会った。彼女の性格はそのままなので,ファンも一安心だ |
学園の入り口にいるNPCに頼むと,エントランスまで一気にワープできる |
学園のエントランス。床のテクスチャが以前よりも,かなり凝ったものになっている |
晴れて学園に入学! 今後の学園生活で何が待ち受けているのか,大きな期待と少しの不安が入り混じるところだ |
なお,序盤のクエストをクリアして学園に入学すると,既存プレイヤーは5つある「一般クラス」の中からいずれかを任意に選び,所属することになる。
一方,新規プレイヤーは「初心者クラス」に配属される。これは同時期にゲームを始めたプレイヤー同士が一緒に楽しめるよう採用された仕様だ。初心者クラスは90日で“卒業”となるが,もちろん,その前に抜けることもできる。卒業もしくは脱退後は,既存プレイヤー同様,所属する一般クラスを選択する。
なお,所属する一般クラスは今後変更できるようになる予定だ。
新規プレイヤーが最初に振り分けられる初心者用のクラスには,システムの紹介をするNPCがずらりと並んでいる |
保健室。回復/補助系のスキルが販売されている |
練兵所。戦闘スキル販売などのほか,ここで傭兵を雇うことができる |
研究室。生産系スキルの販売や,アイテム合成などはココ |
転職システムと戦闘システムが大きく変更
どちらも遊びの幅が広がった
一つは職業システムで,プレイヤーは「戦闘科」「魔法科」「生産科」「特別科」の4種類の科を任意に切り替えられる。さらにそれぞれ一次職/二次職/三次職が用意されており,上位になるほど専門的な職業が派生していく。
上位職への転職条件の基本は,同一科の下位職のレベルが一定に達していることである。ただし一部の職業に関しては,複数の下位職──科をまたいでいるケースもある──のレベルを,すべて一定以上にするといった条件があるとのこと。
また転職した場合は,再びレベル1からのスタートとなる。これは,長く遊んでいる上位職プレイヤーと,ゲームを始めたばかりのプレイヤーが一緒に遊べる機会を用意しておきたいという理由があっての仕様だ。
なお,上位職はステータスのベース数値が大きめになるほか,レベル上限も高くなっていく。例えば,一次職はレベル上限が29なので,それ以上のレベルを対象にしたゲームコンテンツを楽しむためには,転職が必須となるわけだ。
なお,既存プレイヤーがこれまでに溜めた経験値は,「ストック経験値システム」「ストックスキル経験値システム」により,いつでも各職業に割り振れるようプールされている。すなわち,既存プレイヤーでも新章を初心に戻って楽しみたければ経験値をプールしておけばいいし,さっそく新たな上位職を試してみたいのであれば,これまでの経験値の範囲内で,すぐにレベルを上げてしまってもいいというわけだ。
また新章では,スキル習得にコスト制を採用。各スキルにコストが設定されており,その合計が上限を超えなければ,スキルの組み合わせを任意に変更できる。なお,コストの上限値は一次職が100,二次職が120,三次職が140となる。これに合わせて,スキルウィンドウも新しくなったほか,覚えたスキルをストックしておく「スキル銀行」システムも導入された。
そのほか細かいところでは,プレイヤーのレベルよりペットのレベルが高かった場合,自動的にペットのレベルに補正がかかる。これは,プレイヤーが転職するとレベルが変化することに対応した仕様だ。
もう一つの大きな変更は,戦闘時の陣地が7×3の計21マスとなったことである。これまでは5×2の計10マスしかなかったため,プレイヤー5人,ペット5匹のパーティ構成だとそれだけで陣地が全部埋まっていたが,新章では移動を使った戦術の概念が生まれるというわけである。
また前列ほど攻撃力が高くなり,後列ほど防御力が高くなるといった補正や,クリティカルヒットなどにより強制的に1マス後退させるシステム(ノックバック)の採用も,戦術に幅を持たせている。
このスクリーンショットのように,大きな敵キャラの斜め後ろに小さいキャラが配置されていると,デフォルトの視点ではちょっと見えにくいが…… |
こうして視点を変えることで,敵も味方も,今,どんな配置なのかが一目で分かるようになった。今後,戦術が高度化するにあたって活用したい機能だ |
細かいところでは,戦闘時の視点を3方向に切り替えられるようになった。これは上記の戦術性の向上とリンクしており,陣地のどのマスにキャラクターが配置されているのか,判別しやすいようにするため。実際,小さなキャラが大きなキャラの背後にいると見えないこともあるので,この機能があると,かなり便利である。
また,通常攻撃で範囲攻撃が可能な武器が登場する。「斧」はターゲットおよび左右の敵,「槍」はターゲットと後方の敵1体,「ブーメラン」は陣地の横1ライン全体をそれぞれ攻撃できる。今後は,さまざまな範囲を攻撃できる武器が登場する予定とのこと。
敵側の背面からの視点もある。これまであまり見る機会のなかったボスキャラの背中も,バッチリ確認できるようになった |
新キャラや新曲も追加。2か月ごとのアップデートで,さらなるシステム拡張も
ほかにも,新章のストーリーに合わせて30以上の新クエストと,新たなNPC,新マップが追加される。
気づいている読者も多いこととは思うが,上記のとおり,開発がリズに移管されたことでグラフィックスツールも変更され,新マップのオブジェクトや背景の雰囲気が少し変わっている。ゲームポットの運営スタッフによると,これらの変更は要求されるPCスペックを引き上げないことを前提に行われたもので,クライアントの動作が重くなることはないそうだ。
また装備の外見と性能を切り離し,お気に入り装備の耐久性を気にすることなくプレイを楽しめる「ルックスウィンドウ」の採用も,既存のプレイヤーにとっては嬉しいところだ。
そのほか,イトケンこと伊藤賢治さんと,菊田裕樹さんがそれぞれ4曲ずつ新曲を提供している。どこで使われているかは公開されていないので,本タイトルの音楽に興味を持っている人はぜひ探してみよう。
男性キャラクター用制服のバリエーション | ||
女性キャラクター用制服のバリエーション |
新章実装後の展開は,まず12月に中規模のアップデートが予定されており,上位レベル対象のクエストや,さらなる職業のバリエーションが追加される。年が明けて2011年2月には,大型アップデートを予定。ここでは新マップ追加のほか,新章発表時のインタビューで言及された「陣形」「ひらめき」「伝承」の要素が実装される。このあとは,2か月ごとに大小各種のアップデートを実施していくとのこと。
念のために,ゲームポットのスタッフに確認してみたところ,彼らも何が求められているかは分かっているので,従来のイメージと極端にかけ離れた選択はしていないようだ。
さて新章の実装により,ゲーム内外でさまざまな変化を遂げるコンチェルトゲート。新章のタイトルにある“7つの世界”とは何なのか気になっている人がいるかもしれないが,これは今後の展開の中で明らかにされていく。
ちなみに一つめはプレイヤーがにいた元の世界,二つめはゲームの舞台となっている世界,そして三つめは公式サイトの新章プロローグに登場した“イリオン”である。一体“イリオン”とは何なのか? そして残りの四つの世界とは? と,気になることだらけだが,それはひとまず置いておいて,まずは今回実装される新要素を存分に楽しもう。
「ローゼンベルク学園と7つの世界」特設サイト
「コンチェルトゲート フォルテ」公式サイト
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コンチェルトゲート フォルテ
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