リニューアル要素の大きな目玉となる「MOD」を体験。オンラインFPS「STING」クローズドβテストレポート

　2月6日，YNK JAPANは，オンラインFPS「STING」のクローズドβテストを実施した。STINGは2009年秋にサービスを休止したが，そのリニューアル版を初披露した形となる。テスト実施にあたっては，事前に募集したテスターを同社オフィスに招き，1グループあたり約70分ずつ，新たなSTINGの特徴を体験させるという，少々変わった形式を採用していた。

　リニューアルしたSTINGは「MOD」を大きくフィーチャーしており，今回のテストはそのサンプルをプレイすることが中心となった。用意されていたMODは，「YNK JAPAN OFFICE」「SNOW」「SURF」の三つ。STINGプロデューサーのHac氏は，今回，体験できる内容は現在開発しているバージョンの30％にも満たない程度で，そのうえ，極めて限定された人数でのプレイなので，伝わる魅力は目減りしてしまうだろうとコメント。また「SNOW」（雪合戦モード）を除く二つのMODは，MODクリエイターのFAL氏が作ったもので，制作期間は両方合わせて160時間ほどであるとのこと。

　なお，リニューアル後のFPSとしての仕様は，移動しながらでも標的に弾を当てやすくなった（ただし，気持ち程度とのこと）ほか，銃の挙動や弾道などがカジュアル寄りにシフトしているという。また射程の短い拳銃などで遠く離れた標的を撃つ場合，距離に応じて威力は減少するものの，弾自体は当たるよう仕様変更された。
　そのほか敵を倒したときに，使用武器やダメージ量といった情報も表示されるようになった。表示方法などはまだ改善の余地があるとのことだが，寄せられた要望や運営サイドの希望が反映されているという。

会場には，正式サービス開始時にドスパラからリリースされる予定のSTING推奨モデルが設置されていた

司会進行役を務めた運営プロデューサーのHac氏

ビルの外観もきちんと再現されており，知っている人なら思わず「おっ」といってしまうかも

　YNK JAPAN OFFICEは，文字通り，YNK JAPANのオフィスが入っているビルを再現したマップ。チームデスマッチ用で，テロリストは地上からエレベーター，非常階段，社員用通路を使って4階のオフィスを目指し，カウンターテロリストチームと対決するという内容だ。オフィスの再現度はかなり高く，セキュリティロックや照明のオン/オフスイッチなどもある。

　Hac氏は「オフィスが4階にあるので，エレベーターの到着までに時間がかかることもある」「ダンボール箱が積み上げられている場所など，正直，あまり見てほしくない部分まで作り込まれている」と苦笑していた。なお，このマップはさらに手を加えて，ビル内にAIで動くNPCを配置しCo-opモードにしたり，あるいは4階は普通のオフィスなのに5階はモンスターハウスになるといった驚きを与えるようなものにしたりといった構想があるという。こうしたMODは，月に数マップずつ提供していく予定とのことだ。


　SNOWは，いわゆる雪合戦MODで，雪玉を投げることしかできない。雪玉は，投げたときに描く放物線が通常の手榴弾よりも緩やかになっており，右クリックによるアンダースローも使える。ただし威力は凄く，300前後のダメージを与えるほか，爆風も通常の手榴弾の2倍以上に設定されているという。そのため，このMODでは，いかにして爆風に多くの敵を巻き込むかといった雪玉の投げ方が重要となる。

　会場には，STINGに出演する5名の女性声優陣が登場し，テスターとともに雪合戦モードに挑戦した。今後，彼女達は，オンライン/オフラインで開催されるSTINGのイベントや，インターネットラジオに登場する予定とのこと。さらに彼女達がこのままSTINGを気に入って公私でプレイし続けるのであれば，正式にチーム活動へと発展する可能性もあるという。5名の女性声優は「慣れないゲームで倒されてばかりだったが，練習してうまくなりたい」と頼もしいコメントを残してくれた。ちなみに，この女性声優陣に関する情報は，今後公開される予定だ。


　なおSTINGでは，SNOWのほかにも季節に応じたMODイベントを提供するという。例えば夏季は，マップ自体を夏っぽくし，武器も水鉄砲にするといった趣向が凝らされるとのこと。現在公開されている女性のイメージキャラクター達も当然登場するというから，いろいろ期待の膨らむところかもしれない。

　SURFは，有名なスキー場をモチーフにしたマップで，最大の特徴はスキーのジャンプ競技っぽいことができること。チームデスマッチになっており，攻撃側はジャンプ台を使ってジャンプで侵入，防御側はゲレンデで防戦するという設定だ。実際にリフトに乗ってゲレンデの上方に行くことができ，ジャンプしたプレイヤーは赤いラインで示されたK点を越えられないと，ダメージを受けてリスポーンとなる。しかし，こうしたギミックがあるとはいえ，突き詰めればリフトに乗ったり，ジャンプしたりして上空にいる敵を撃ち落とすスナイパー向けのマップと，Hac氏はザックリと説明。現在は，ジャンプの飛距離をきちんと測定し，その記録を競えるモードや，このMODを利用したシナリオの実現を検討しているという。今回のテスト時点では資料をもとにスキー場を再現しただけなので，ここからどう面白くするかがMODの目指すところだ，とHac氏は述べていた。


　Hac氏は，STINGを単なるガンシューティングに終わらせず，ほかの遊び方もできないかと考え，こうしたMODの導入に踏み切ったそうだ。さらに運営/開発だけでなく，プレイヤーも含めて相互にマップを提供しあうことで，よりよい結果が生まれるのではないかという思いもあるとのこと。また優れたMODを制作したプレイヤーには，FAL氏同様，YNK JAPANから正式にMOD制作を依頼することも検討している。なおMOD制作に使用するツールについては，公式サイトで推奨のものを紹介していくという。

　そうやってプレイヤーから提供されたMODは，基本的にクライアントにパッケージングされ，また追加のものはパッチという形で自動的にダウンロードされる。数にもよるが，基本的には週一回，メンテナンス時にまとめて提供していく予定だ。それらを実際に使うかどうかは，プレイヤー各自が一つ一つのMODごとに選択できる。なおゲーム内での扱いについては，通常のサーバー上でモードを切り替えれば使えるようにするか，もしくは特別にMOD専用のサーバーを用意するかは検討中とのこと。

　今回は，MODを中心としたテスト内容だったが，ほかにもクランアジトやゲーム内で有料アイテムを購入するシステム，そしてロビーにいるプレイヤーの情報をチェックする機能など，かなりユーザビリティの向上を図っているという。Hac氏は，今後MODとCo-opを組み合わせた「協力型ガンシューティング」をコンセプトに邁進していくと意気込みを見せ，テストは終了となった。

ロビーでは，1クリックでほかのプレイヤーの情報を確認できるようになった

各プレイヤーの，赤/青チームそれぞれのコスチュームも確認可能だ

「STING」公式サイト

「STING」公式ブログ