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[E3 2008#11]Valveの新作「Left 4 Dead」は,ホラー映画を究極的に再現
最近のゲームイベントでは,Valveの作品は販売パートナーであるElectronic Artsの一角にブースを構えていることが多かったが,今回はValve独自のブースで4台のPCを並べ,ミーティングの参加にそれぞれプレイさせるという趣向で,このLeft 4 Deadを体験させていた。
Left 4 Deadでフィーチャーされている4人のキャラクターは,以下のとおりだ。
Bill --- ベトナムにも参戦した過去を持つ老人で,ベレー帽が目印
Francis --- 体中に刺青が彫られた,強面でずんぐりした体格のバイカー
Louis --- いっけんひ弱そうな,家電ショップの店員。ネクタイをしている
Zoey --- 街の裕福な家の娘。本作での紅一点
ゲーム冒頭では,数階建てのビルの屋上に4人が待機しており,テーブルの上に並べられたSMG(サブマシンガン),もしくはショットガン及び,ヘルスパックを各自が選択するという趣向になっている。ほかの3人がSMGを携帯していたので,Zoeyは華奢なルックスながらショットガンで戦うことにした。
ヘルスパックは,各キャラクターが背中に背負うバックパックのようになっており,使用した分量だけが減っていくという仕組みである。途中で補給地点やほかのヘルス回復アイテムを入手することもあるが,このヘルスパック一つが,各マップにおける命綱というわけだ。
さて,ゲームが開始されると,筆者はとりあえずBill役のファリシェック氏について行くことにした。Left 4 Deadにはミニマップが用意されておらず,ほかのプレイヤーが別の部屋にいるときなどは,緑の影となって壁や障害物に透けて見えるようになっている。仲間達のいる方角は分かるが,そこへ到達するまでの経路や敵の状況はどうなっているのか分からないのだ。最後尾で進んでいくと,突然背後から敵が迫ってきて囲まれてしまい一人で戦っているのに,ほかのプレイヤーはしばらく気付かない,なんてことも起こり得る。屋内では,敵の異様な形相が突然フラッシュライトを向けた方向に映し出されたり,ドアを開けた途端に仲間のプレイヤーが取り囲まれたりと迫力満点。仲間とプレイしていても,十分に恐怖感は味わえる。
ゲーム中で敵は「Infected」という総称で呼ばれている。ゾンビのように見えるが,何らかのウィルスが蔓延したという設定なので,肉体が朽ちて凶暴にはなっているが,まだ死んではいないのだろう。デモのレベルが最初のキャンペーンに属するものであったからか,ゲーム中では男女の差といったバリエーションはあれど,タイプの違いは感じられなかった。
ビルの1階までたどり着き,ようやく屋外へ達したが,Left 4 Deadの面白いのはココからだ。脱出するためには地下鉄の入り口へと向かっていくというルートを通らなければならないのだが,途中でプレイヤーの一人が乗り捨てられている車に発砲してしまい,けたたましく鳴り始めたアラーム音に気付いた何十体ものInfectedが,かなりのスピードで突進してきたのだ。自分の周りのInfectedを一掃しても,仲間が取り囲まれて四苦八苦の状態になっており,救助に向かう必要があった。本作では,プレイヤーの戦いぶりをレベルが終わった段階で評価し,何らかのアワードを与えるというアチーブメントシステムが用意されており,仲間を助けることで得るProtectorという称号も,アワードの一つである。
ようやく地下鉄構内に逃げ込んだプレイヤー達だったが,ヘルスパックで傷を治そうと立ち止まっていた筆者のZoeyが,突然引き倒されて引きずられ始めた。方向キーで移動を試みたりしても動けず,仲間はすでに次の部屋にいる。ようやく気付いて助けに来てくれたプレイヤーのモニターを見てみると,マントを着たような中ボス風Infectedが,先ほど降りてきた階段付近で黒いロープをZoeyの首に巻き,自分のほうへ手繰り寄せていた。Zoeyは武器も使えないまま見る見るヘルス値が減少して敢えなく死亡。ただ,プレイヤーがリスポーンするポイントが同じ場所にあったため,救援の仲間が敵を倒したあとは数秒で復活できた。このように,プレイヤーが死んだ場合は,レベル中に複数用意されたチェックポイントから再スタートするようになっており,すぐに仲間と合流できる。
この機能は,実際に何度も同じマップをプレイしなければ感覚的に分からないだろうから,筆者自身も今回のデモで確かめられたわけではない。ただ,これ以前に紹介されたムービーデモでは,仲間意識を持ってプレイした場合は,より激しくビルが倒壊して大量のInfectedが出現するというような,同じ場所でも異なった雰囲気が味わえるようになっていた。
Left 4 Deadは,アメリカでは11月4日,ヨーロッパでは11月7日の発売が決定している。Co-opをフィーチャーしたゲームは昨今では再び増えてきているが,Left 4 DeadほどCo-opに主眼を置いたゲームというのは珍しい。通常のFPSとは一際雰囲気の違うゲームとして,多くの人に楽しまれるのではないだろうか。
- 関連タイトル:
Left 4 Dead 日本語版
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