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「Aeronauts」と「Ghost X」。それぞれの作品に込められた狙いとは?
Aeronautsは,レトロ風の戦闘機に乗って対戦するオンラインシューティングゲーム,Ghost Xは横スクロールタイプのオンラインアクションRPGと,まったく方向性が違う作品だが,それぞれどんな狙いを持って作られたものなのか。G★2007の会場で,Aeronauts担当マネージャーであるByun,Sang-Jo氏と,Ghost X担当マネージャーのChang,Ji-Woong氏のお二方に,日本でのサービス予定も含めて話を聞かせてもらった。
Aeronautsは温かみのあるプロペラ機でゲーム的な表現を重視
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずはAeronautsから話を聞かせてください。なぜAeronautsのようなオンラインシューティングを作ろうと思ったのか,その背景をぜひ。
飛行機に乗って戦うシューティングゲームが個人的に好きだったのと,韓国のオンラインゲームに飛行機モノが少なかったので,必ずやヒットするだろうと考えたのが,その理由です。
4Gamer:
Aeronautsはレトロな感じの飛行機のデザインが特徴的ですが,この狙いは何ですか?
Byun氏:
最新の戦闘機は,自分で操縦するというより,機械類が操縦しているような冷たさがありますが,プロペラ機には,自分の目で見て操縦しているという,温かみのようなものがあります。戦闘中に壊れた飛行機を直すといった実際にはできないことも,プロペラ機であればゲーム中で表現しやすいと思って今のような設定にしました。
4Gamer:
なるほど,そういう狙いがあったんですね。では,開発に当たって気を付けた点はどこですか?
Byun氏:
飛行機に乗って空で対戦するという醍醐味を失わないようにしつつ,誰にでも簡単にルールや操作を覚えられるよう,ゲームバランスに気を遣いました。
4Gamer:
確かに飛ぶのは簡単ですが,勝つのはなかなか難しいですよね。今回出展されていたバージョンでは,操縦も射撃も1人で行う方式になっていましたが,将来的にはプレイヤーが2人乗りできる飛行機も登場しますか?
やはり2人乗りのほうが楽しいと思うので,将来的には登場させたいですね。でも,最初から2人乗りでは難しいだろうし,まずは1人乗りの飛行機でゲームに慣れてもらえればと思います。
4Gamer:
ほかにはどういったアップデートを予定していますか?
Byun氏:
いまは飛行機に乗っての対戦だけですが,例えば飛行機を使ってのレースや,みんなでボスと戦うゲームモードの追加といったものを検討しています。
4Gamer:
単に対戦するだけのゲームではないのですね。
Byun氏:
ええ,それだけでは飽きてしまいますので,飛行機でできることはいろいろと追加していきたいと思います。
4Gamer:
どんなモードが追加されるのか,楽しみにしたいと思います。では,日本でのサービスについてはいかがですか?
Byun氏:
詳しい日程については未定ですが,2008年の半ばに日本でサービスが行えるように準備を進めています。
4Gamer:
日本でのサービスは,JC Globalで行う予定ですか?
Byun氏:
それについても現時点では未定です。JC Globalはまだ立ち上げたばかりの会社ですので,まずは「フリスタ!」のリニューアルサービスに力を入れて行きます。
妖怪の収集・育成要素とアクション性を重視したGhost X
4Gamer:
では続いて,Ghost Xについて聞かせてください。こちらについても,まずは開発の背景を。
Ghost Xの場合,今でもやはりRPGはオンラインゲームの主流であり,一度出来上がってしまえばライフサイクルも長いので,市場の大きいオンラインRPGを作ろうというところから開発が始まりました。
4Gamer:
それにしては,一般的なMMORPGよりもアクション性が高く,設定も独特ですよね。
Chang氏:
韓国には数多くのオンラインRPGがあり,その中には失敗するものもたくさんあります。失敗するゲームというのは,ほかのゲームとの差別化ができていないのです。Ghost Xの開発に当たって,まずは世界観を大事にしています。それが,妖怪を武器にして戦うというGhost Xならではの特徴につながっています。
4Gamer:
その妖怪というコンセプトは,どこから生まれたのでしょうか?
Chang氏:
妖怪についても,実は最初のコンセプトから少し変更されているんですよ。開発の初期には,田舎に棲んでいたり,学校に出没したりするような,一般的な意味での妖怪にしようと思っていたんです。しかし,開発を進めていく中で,そういった一般的な妖怪よりは,ナノテクノロジーによって生まれたモンスターのようなものにしたほうが,もっといろいろなことができるだろうと考えて,今のような形になったのです。
4Gamer:
実際に妖怪は,どういった形で力になってくれるんでしょうか?
人間と妖怪が友達関係になって,人間が妖怪の力を借りて戦うというのが基本的なコンセプトですが,普通のMMORPGのように,妖怪が人間のペットになるのではなく,武器になるというのがGhost Xの特徴です。妖怪の種類によって,銃になったり剣になったりとさまざまな形に変化します。
4Gamer:
武器になる妖怪は,1人で何体も持つことができるんですか?
Chang氏:
集められる妖怪の数に制限はありませんが,すぐに手に入ってしまうと愛着も薄くなってしまいますよね。ですので,ある程度時間をかけて手に入れるようになっています。頑張ればたくさんの妖怪を仲間にできるので,コレクションする楽しみが味わえると思います。
4Gamer:
確か,妖怪兵器にもレベルがあるんですよね。
Chang氏:
プレイヤーキャラクターのレベルとは別に,妖怪兵器自身にもレベルがあります。敵の妖怪を倒したときに出てくる魂を集めて,妖怪兵器を進化させていきます。妖怪兵器の進化にはギャンブル性もあって,一気に強くなることもあれば,逆に少しだけ弱くなってしまうこともあります。
4Gamer:
前よりも弱くなってしまうことがあるんですか?
Chang氏:
ええ,確かにそういうこともありますが,パラメータの下がり幅には制限があって,それほど極端に弱くなってしまうというわけではありません。
4Gamer:
それならば少し安心ですね。ところで,キャラクターの動きは,2段ジャンプができたりと非常にアクション性が高いのですが,そうしたアクションを生かしたマップは用意されているのですか?
Chang氏:
最初はそうした高さや奥行きを生かしたアクションを必要とするマップを企画していたのですが,現在の韓国のオンラインゲームでは,スピード感や派手なアクションが好まれる傾向があるので,今はこちらに重点を置いています。とはいえ,現在韓国でサービスされているほかのアクションゲームに比べると,高さや奥行きを生かしたマップが多いと思います。
4Gamer:
では最後に,今後のスケジュールや,日本でのサービス予定について教えてください。
Chang氏:
韓国では,年末にクローズドβテストを行い,2008年2月にオープンβテストを行う予定です。日本でのサービスについてはまだ決まっていませんが,韓国での結果を見て決めることになると思います。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
両タイトルとも,現時点では日本でのサービスについては未定であるとのこと。Chang氏はその理由として,立ち上げたばかりのJC Globalでは,フリスタ!のリニューアルサービスに専念しなければならないことを挙げていた。しかし,わざわざ新会社を立ち上げ,日本での直接サービスに乗り出した以上,1タイトルのみの運営に留まるとは考えにくい。とくにAeronautsは,2008年半ばの日本サービスを目標に,すでに準備が進められている。その際に運営元がどこになるのかは別としても,日本で遊べる日が来ることに期待が持てそうだ。今後の発表を楽しみに待ちたい。