プレイレポート
「MHF」プレイレポート前編:初心者〜中級者向けのコンテンツが充実してきた“シーズン2.0”
今回のアップデートでは,サブタイトルに掲げられた新モンスター「エスピナス」の実装を筆頭に,大規模な仕様変更/追加が施されている。数回にわたる大型アップデートを経ることで,PCオンラインゲームとして進化を遂げてきたMHF。サービス開始当初は,「モンスターハンター2(dos)」をオンラインにシフトしただけという印象が強かったが,シーズン2.0実装により,ようやく独自路線を進み始めたといえるだろう。
ただ大規模アップデートとはいっても,プレイヤー各人にとっては,自身のハンターランク(HR)かそれ以上を対象とした仕様変更/追加にしか目がいかないことが多いはずだ。実際,筆者が所属する猟団(ギルド)でも,「かなり変わって楽しくなった」という高HRプレイヤーの意見がある一方,それほどHRが上がっていないプレイヤーからは,「どこが変わったのかよく分からない」という声も聞こえてくる。
今回は,シーズン2.0実装によりMHFは何が変わったのかについて,前後編に分けてレポートする。前編では,主にHR0〜99までの変更点や新要素について確認していこう。HR100以上に向けたコンテンツは,後編で紹介する予定だ。
初心者向けなど一部のクエストがメゼポルタ広場で受注可能に
筆者がMHFを始めたばかりの頃は,求人区でクエストメンバーを募集したり,自分よりも高いHRのプレイヤー達が集う街に入場したりすることに抵抗を感じたことがあった。ログインしてMHFの世界に降り立った直後から,他プレイヤーと交流できるようになったことで,初心者にはかなりとっつき易くなったのではないだろうか。
また初心者向けといえば,メゼポルタ広場で受注できるクエストのうち,トライアルコース(無料)でプレイできる「はじめてのクエスト」が実装された。
これまでにも,初心者向けとして狩猟や採集/調合といったMHFの基本を学ぶクエストは存在した。ただ,ほかの一般クエストに交じって配信されていたため,気がつかない人も多かったと思う。
シーズン2.0では専用NPCが用意され,初心者向けクエストが1か所にまとめられたことで,利用しやすくなっている。中でも大剣や弓など,各種の武器を使って実際にランポス5匹を狩猟するクエストなどが追加されたのがポイントだ。
MHFは11系統の武器を駆使してモンスターを狩猟するゲームだが,武器ごとに操作方法に特徴があり,使いこなせるようになるには,何回かクエストをこなして慣れる必要がある。チュートリアルとしては,マイハウスにおける「睡眠学習」がすでに実装されていたが,こちらは操作方法を覚えるためのもので,武器を使いこなせるようになるかというと疑問だ(睡眠学習では,攻撃してくるモンスターがいない)。
チュートリアルとしては,ほかにも「狩人道場」というクエストもある。狩人道場クエストでは採取や調合,アイテムの使い方などを覚えられるのがメリットだが,武器が片手剣固定のため,それ以外の武器を使うという意味でのチュートリアルにはなり得ていなかった。
クエストはメゼポルタ広場左奥からスタートする。他プレイヤーの受けたクエストに参加するには,すぐそばの掲示板を利用する |
広場からクエストを受注できるといっても,街に入らないと食事はできないし装備も変更できない。広場の機能拡張に期待したい |
広場の大きなカウンターでは,HR30以下/HR100以上を対象にしたクエストのほか,シングルプレイ専用クエストなどが受注可能 |
しかし,より実践に近い「はじめてのクエスト」では,武器操作の基本を本当の意味で学べる。もちろん,モンスターから素材を剥ぎ取って持ち帰ることも可能だし,HRポイントももらえる。
これまで,ゲーム序盤は片手剣を中心とした特定系統の武器に偏ったプレイになりがちだったが,これらのクエストを利用すれば,プレイし始めてすぐにさまざまな系統の武器を試せるため,早期から自分のプレイスタイルに合った武器を見つけられるだろう。
ただ,メゼポルタ広場で直接クエストを受けられるようになったとはいっても,ドンドルマの街の「マイハウス」まで移動しないと,ステータスを一時的に強化するための食事(通称「猫飯」)を取ったり,装備を変更したりできない。せっかく便利になったのだから,メゼポルタ広場でマイハウスと同等の機能を利用できる施設を用意してほしいところだ。
「ハンターズクエスト」でいつでも好きなモンスターを狩猟できる
ハンターズクエストのカテゴリは,HR1〜30/31〜50/51〜99/100以上の四つで,それぞれ「スタンダード」「HRPシフト」「Zシフト」「エクストラ」というジャンルに分けられている(HR帯によっては存在しないジャンルもある)。
中でも注目は,サブターゲットが「主目標への一定ダメージ」となっているクエストだ。これは,メインターゲットになっているモンスターの体力を一定値以下にするとサブターゲット達成となるもの。討伐/捕獲する自信はないけど挑戦してみたいモンスターがいたら,このクエストを活用するといいだろう。
これまでは期間限定クエストにしか登場しなかったリオレイア希少種/リオレウス希少種のクエストや,ネオジムメモ/メルクリメモが報酬となる“秘伝のメモ”クエストもハンターズクエストに含まれている。すなわち,上位古龍を除いたほぼすべてのモンスターにおいて,クエスト配信を待つことなく常時受注できるようになったわけである。
これまでは生産/強化したい装備があっても,配信スケジュールの関係で思うように素材が集められないという声が少なからず挙がっていたので,今回の仕様変更は非常に嬉しいところだ。
入手確率が非常に高い「溶岩竜と秘伝のメモ」「火竜たちと秘伝のメモ」を除き,「メルクリメモ」「ネオジムメモ」が入手可能なクエストはハンターズクエストに組み込まれた |
一定ダメージを与えることがサブターゲットになっているクエストが多数追加された。討伐の自信がないモンスターの腕試しにもってこいだ |
そのほか,追加課金のエクストラコース加入者のみが受けられる「エクストラ」クエストがある。現在のところ用意されているのは,密林フィールドの採取系クエストのみだが,採取ポイントにおける採取回数上限が通常のクエストより高く設定されていることと,メインターゲットが地図1個の納品となっていて簡単にクリアできるのが特徴だ。
実際になぞの骨を採取してみたが,通常のクエストではエリア7と8の2か所で18個だったところ,エクストラでは33個採取できた。1回のクエストで多くの素材を集められるため,時間を節約したい人に向けたものといえる。
なお,ハンターズクエストや古龍クエストは,プレイヤーがいるランドを問わず季節/昼夜固定という仕様になっている。たとえば,クシャルダオラやテオ・テスカトルのハンターズクエストで同じものが二つ並んでいる(実際は季節が異なる)とか,昼間クエストに出かけたのに,フィールドに着いたら夜だったとかで,とまどった経験のあるプレイヤーも多いだろう。ゲーム内の季節と時間に対応させるか,クエストを受けるときに季節や昼夜が分かるようにしてほしいところだ。
ただし,WANTED機能が適用されるのは,「大衆酒場」および「大老殿」(つまりドンドルマの街)で受注した「フリークエスト」「ハンターズクエスト」のみ。広場で受注したものやそのほかのクエストは適用外なので注意しよう。
現在,古龍迎撃戦にはラオシャンロン,ラオシャンロン亜種,シェンガオレン,クシャルダオラ,ヤマツカミ,テオ・テスカトルという計6種類のモンスターが登場する。
古龍迎撃戦にしか登場しないラオシャンロンやシェンガオレンは,古龍迎撃戦のクシャルダオラ(通称“錆びクシャルダオラ”)はクシャルダオラ亜種とも呼べる(入手可能な素材が異なる)存在なので,その存在意義は明確だ。だが,テオ・テスカトルとヤマツカミは入手素材などによる古龍クエストとの差別化がなされていないため,古龍迎撃戦で登場する意味合いが薄いように思う。
テオ・テスカトルとヤマツカミの古龍迎撃戦を否定するわけではないが,入手可能な素材が変わらなければ,古龍クエストでも代替が利く,というのが正直なところ。それよりも,この2種類の古龍迎撃戦が配信されることで,古龍迎撃戦にしか登場しないモンスターの配信間隔が延びるデメリットのほうが大きい。
例えばクシャルダオラ(上位)の古龍迎撃戦は,最近だと2007年12月28日〜12月31日に配信,その次は2月8日〜2月11日に配信と,間隔が1か月以上空いている(1月11日〜1月14日に下位のクシャルダオラ迎撃戦は配信されてはいる)。これは最も極端な例だが,“ハンターライフ30日コース”を購入してサービスを利用しても,その有効期間内にお目当てのモンスターのクエストを受けるのが不可能というのは,プレイヤーにとってたまったものではないだろう。
なおシェンガオレンについては,猟団クエストでいつでも受けられる。プレイヤーの所属猟団がランク4以上,自身のHR31以上,クエストメンバーは猟団メンバーのみと制限されるが,素材の入手は不可能ではない。配信期間を限定することでレア感を高める戦略もあるのかもしれないが,古龍迎撃戦以外は,配信スケジュールにプレイヤーが左右されない方向に進んでいるのだから,古龍迎撃戦についても早期の改善を望みたい。
これからMHFを始めてみようという人はもちろんのこと,以前やっていたけれども何かの理由でログインしなくなったという人も,今回のシーズン2.0実装を機会にプレイしてみてはどうだろうか。
次回のレポートではHR100以上向けに実装された機能や装備,そして新スキルや仕様変更された装飾品など,いわばモンスターハンターシリーズにおけるMHFの独自要素について触れる予定だ。
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