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    印刷2006/08/27 17:17

    ムービー

    [GC 2006#77]Valveの“謎の3作め”「Portal」のムービーUp&ゲーム内容の詳細を発表

     「Half-Life」シリーズでは次々と技術的な発展を続けるValveが,新作FPS「Portal」を発表した。この作品は,現在開発の進む「Half-Life 2:Episode 2」「Team Fortress 2」に続く第3のゲームとして,Team Fortress 2同様Half-Life 2:Episode 2に合わせてリリースされるものである。もともと「Narbacular Drop」というMODを開発していたKim Swift(キム・スウィフト)氏らがValveに参加したことで実現した企画であり,全体では3時間ほどの短いシングルプレイヤー専用ゲームになりそうだ。

     Valveの広報/ビジネス開発担当であるDoug Lombardi(ダグ・ロンバルディ)氏によると,Portalは「Half-Life 2の世界観を利用しながらも,まったく別の主人公を操作する独立したゲーム」になるらしい。Half-Life 2シリーズでの主人公ゴードン・フリーマンが地球の救世主として奮闘しているのと同じ頃,地球のどこかでまったく別の,しかも高度な研究が進められているということなのだろうか?

     そもそも,ポータルとはゼン(Xen)の世界と地球をつなぎ,地球にエイリアンの侵入を許すことになった元凶であり,異世界の技術ではあれHalf-Lifeシリーズの世界観とは切っても切れないテーマでもある。推測はこのあたりまでにしておくが,フリーマンが主人公ではなく,これまでに登場したコンバイン兵のテゥーレットやオーブなどに極似したオブジェクトが,ムービーのあちこちで確認できることは特筆に値するだろう。



     今回紹介されたムービーデモから察する限り,この研究施設は「Aperture Science Enrichment Center」という場所を舞台にしており,プレイヤーはASHPD(Aperture Science Handheld Portal Device)というグラビティガンに形状の似た武器を手に持っている。このASHPDで「Prey」に登場したような楕円形のポータルドアを作り出し,そこを潜り抜けたり,オブジェクトを通したりするのである。
     Preyと異なるのは,このポータルドアは空中に浮遊しているのではなく,必ず平面オブジェクトの上に形成されるものであること。そして,壁や天井など方向や位置に関係なく設置できること,の2点である。何よりも,「自分でポータルドアを開ける」ため,そのさまざまな可能性がムービー中で示されているというわけだ。
     このASHPDは,1発めを撃ち込むときはピンク色,2発めはブルーのパステル色に変化しているのに注目してほしい。レティクル(画面中央の照準)の色からして,左クリックで入口に相当するブルーのドアを作り,右クリックで出口にあたるピンクのドアを作るのであろうか。壁に向けてポータルを作ったあと,プレイヤー自身は自由に出入りしているようなので,この色の差はよく分からない。

     とにかく,このポータルドアにフィットする限り,さまざまなオブジェクトやキャラクターを通せるので,本来なら行けない場所にドアを作って到達したり,落とし穴のように相手の足元に穴を開けてかく乱するというようなこともできる。三つめの黄色い色を使ったときには,ASHPDはグラビティガンのような役割を果たしているが,箱のようなオブジェクトを持ち上げて発砲するシーンはデモ映像では見当たらず,グラビティガンとは異なり,ただ重いものをつかむだけの簡易型のように見受けられた。

     実際,このポータルドアがどのような使われ方をするのかは,今回Upした映像を見て,読者の皆さん自身で想像をふくらませてほしい。このポータル技術がHalf-Life 2:Episode 2におけるストーリーのタイムラインと一致する形で開発され,Episode 3では結末に向けての究極兵器として扱われることになるのだろうか? ちなみに,ロンバルディ氏には,「まだEpisode 3に関しては,何の発表もする予定はありませんよ」とすげもなく突き放されてしまったのだが,果たして。(奥谷海人)

    ■ムービーダウンロードは「こちら」(2分57秒:68.5MB,MPEG-1)

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