連載
アルタイルのアラビア半島一人旅(Assassin's Creed) / 最終回:正義の暗殺者は必ず勝つ!
最近筆者は「自分の前世はアサシンだったのではないか?」と思っている。理由はとくにないし,高いところがダメだってのが納得いかないが,まず間違いないところだ。おそらく例の機械に入ったら,アルタイルにも負けない大冒険が始まるはずだ。ちなみに筆者は虫も苦手だ。
そんな思いこみ系の筆者がお届けする本連載,「アルタイルのアラビア半島一人旅」も今回が最終回となる。いやー,月日が経つのは(以下略)。
さて,今回もミッション攻略の続きである。物語はいよいよ佳境。クライマックスだ。クライマックスだけに,あんなことやこんなことが次々に起きて,ああ,そうだったのか! とビックリしたり驚いたり驚愕したりするはずだ。お楽しみに。
最終回なので,一気に(ほぼ)終わりのほうまでドドーンと見ていくことになる。だがその前にいつものお約束。毎回で恐縮だが,本連載は攻略連載なので,ややもするとネタバレ的な部分が出てきてしまう。しかも今回はクライマックスということで,いつも以上にネタバレチックである。ロマンチックなら嬉しいが,ネタバレチックは勘弁! という人には,最後までプレイしてから続きを読むことをほのめかしておきたい。ほのめかしてどうするよ!
暗殺した相手が残す不可解な言葉。それが気になってしょうがないアルタイルは,報告のたびに大導師アル・ムアリムに問うのだが,彼は言を左右してビシッと教えてくれない。
貴族団を亡き者にしたアブル・ヌクド,エルサレム市民を恐怖で従わせていたマハド・アッディーン,そして王を暗殺してアッカを占領しようとしていたモンフェラートなど,どう考えても悪人で,アルタイルの手にかかってもおかしくない連中なのだが,それぞれがそれなりの(まっとうではないにせよ)使命感を持って行った行為なのかもしれない。
背後に見え隠れするテンプル騎士団の陰謀。そして秘宝“エデンの果実”。
秘宝の持つ力は「誘惑」そのものであり,これを持つ者は人の心が操れ,ひとたびその味をしめると誰もが秘宝の虜になるのだという。誘惑者すら誘惑してしまう,恐るべき存在なのだ。
いずれにしろ,これをテンプル騎士団のロベールの手に渡してはならず,そのためにはテンプル騎士団の陰謀に携わっている重要な人物の暗殺が必要になる。残るはアッカ在住のシブラント,そしてダマスカスにいるジュバイルの二人だ。
舞台となるのはアッカ中流地区。登場する都市の中で唯一,海と港のある街だ。アルタイルによる大物の暗殺が続いているせいか,警備が俄然厳しくなっている。いいじゃん。アサシン冥利に尽きるじゃん。とはいえ,ここは慎重に行動しよう。シブラントは最近,チュートン騎士団長になった男で,アッカの港の管理を任されている。
得られた情報はこうだ。港には酔った船乗りが大勢いて危険ということ。港の北側には敵がいないこと。シブラントが多くの船を集めて(目的はよく分からないが)港の封鎖をしようとしていること。そして,自分にもアサシンが近づいていることを察して船で逃走しようとしていること。だが,逃がしはしないのだ。なぜなら逃がすとゲームが進まないからだ。
シブラントは港に停泊中の大型船に現れる。見つからないように大型船に近づき,その外壁に張り付いて,チャンスを窺うのがベスト・アサシネーション・ウェイ。もし,見つかってしまっても全速力でシブラントを追いかけてお命頂戴。兵士を相手にしているとシブラントの逃走を許すので,追ってくる兵士は無視するか突き飛ばし,ひたすらシブラントを追いかけよう。
シブラントによると,彼の役割は港を封鎖して「愚かな王達」が増援を送れないようにすることだったとか。聖地(エルサレム)を信仰という圧力から解放するのだという。そのために権力を奪って民心を操作し,反抗する者を殺したのだ。信念(Creed)と命令に従っただけであり,「それはおまえ(アルタイル)と同じだ」と言い残す。
続いて神学者であるジュバイル・アルハキームの暗殺だ。舞台となるのはダマスカスの中流地区。こちらも警備が非常に厳しくなっており,警戒中の兵士の一団と出くわしたら,とりあえずお祈りのポーズをしておいたほうが無難である。兵士を倒すのは簡単だが,倒した兵士の死体が転がっていると警戒が厳しくなって動きにくくなる。無用な戦いはほどほどにしておこう。
ジュバイル・アルハキームはサラディンの御用学者で,最近は光と火,罪の浄化,そして予言や新世界がどうとかという話を,学者や住民に聞かせているらしい。もっかのところ,ジュバイルは都市から「知識」を奪うことに専心しており,ダマスカス中の人々を脅して奪った書物という書物を焼却しているという,かなりエキセントリックな人物だ。
ジュバイルは,このたびアル・カラサ学院で会合を開くので,そこで始末をつけることにする。
書物を燃やす場所は五つで,そのどこかに目標がいる。ほかの4か所はジュバイルの側近なので,順番に一人ずつアレしていけば,いつかはヤツに当たろうというもの。
ターゲットの背後には簡単に回れるが,近づくときに兵士に見つかると逃げられる。追いかけるとき,似た格好の側近達が生きている場合はヤツらも一緒に逃げるため,誰が本物のジュバイルなのか見分けが付かなくなる。飛びついたら他人だったなんてのはかなーり面倒くさいので,できればあっさり処理したい。
書物はウソや偽りばかりが書いてあり,人々は何の疑いもなく書物の言葉を信じている。それが真の危険だというジュバイル・アルハキーム。十字軍は聖書によって戦意を掻き立て,サラディンはイスラムの経典に従って戦争に身を投じている。つまり書物が戦争を招いているのだ。それはまあ,一面の真理かもしれないなあ。
カナヅチで知られるアルタイルの(つまり大導師アル・ムアリムの)敵はいよいよテンプル騎士団長ロベール・ド・サブレのみとなった。ロベールが消えれば秘宝のことを知る者はいなくなり,脅威も消え去るのだ。
秘宝である“エデンの果実”は上にも書いたように具現化した誘惑であり,それに心を奪われたロベールは秘宝を危険な武器ではなく,自分の野望を実現するための道具と思い込んでいるらしい。
そのロベールの野望とは意外にも「平和」。テンプル騎士団が求めるのは,すべての人間が共存できる新しい世界であり,聖地を戦火に巻き込んだのはちょっとした過ちらしい。なんつーか複雑な話だが,手違いで戦争ってのもどうかと思うけど。
かくしてロベールの野望を止めるには暗殺以外の道はなく,大導師の命を受けた我らがアルタイルは最後の舞台である,エルサレムに向かうことになる……。平和な社会も悪くないけど,仕事ですんで。
最後の舞台となるのがエルサレムの中流地区だ。今まで暗殺してきた連中は全員仲間で,聖地の支配という目的があったが,具体的な計画や本当の目的など分からないことも多い。むろん,黒幕はロベール率いるテンプル騎士団だ。十字軍に属しているとリチャード王に思わせているが,彼らの真の目的は戦争を終わらせることらしい。真実を知るためにもロベールを捕まえて話を聞く必要があるのだ。
スリや盗聴などおなじみの方法で手がかりを追おう。情報提供者によると,ロベールは先日,アサシンに殺されたエルサレムの首長,マハド・アッディーンの葬儀に参列するらしい。葬儀は厳重に警戒されており,手を出すのは非常に困難だが,ここでロベールと対決することになる。
ちなみにこの情報提供者,テンプル騎士団員の尾行に失敗し,追っている最中に左足を捻挫し,「マリクには内緒にしておいてくれ」と嘆いている,例によって使えないヤツ。大丈夫か,アサシン教団?
葬儀に紛れ込んだアルタイルだが,ロベールの目は彼を見逃さなかった。割と目立ちやすいアサシンの格好しているのだから,筆者の目ですら見逃さないと思うが,即座にロベールを含めた複数の兵士との立ち回りが発生する。
この戦いでは,城壁から攻撃する弓兵の矢が痛い。戦いの基本はいつもどおりカウンター狙いで,ロベールの場合はつかみ投げからアサシンブレードに切り替えての暗殺がオススメ。とはいえ,つかみ投げがなかなか決まらないので焦らずじっくりいこう。
また,葬儀場近くで「市民救出」を行っていれば,自警団が出現しているはず。戦闘になったら自警団のところへ走り,追ってきたロベールと兵士が自警団ともみ合っているスキに攻撃するという手もある。
ロベールを倒したアルタイルは,顔を見るために兜を取るように告げる。「残念だったわね……」とはロベールの替え玉であるマリア。ありゃ。女だ!
実は兜の下に見える顔がロベールでないことにかなり前から気づいていた筆者だったが,ゲームが勝手に進むのでどうにもならなかったのである。悔しい。
肝心のロベールは,アルタイルが来ることはとっくに承知していたらしい。そのうえでアサシン教団を滅ぼすためイスラム軍と同盟を結び,“アルスーフ”に向かっているのである。「あなたの敵はテンプル騎士団だけじゃないのよ。暗殺を繰り返してきたあなたがアサシン教団を両陣営(イスラム軍とテンプル騎士団)にとって一番危険な存在に仕立て上げてしまった」のだという。ふーん,と納得してないで,アルスーフに急ごう!
アサシン教団支部に戻り,マリクに事の顛末をすべて話す。「大導師の許可なしには動けない」というマリクに対し,「大導師は何かを隠している。すぐにマシャフに行き,事実をつかもう」と訴えるアルタイル。暗殺したシブラントとジュバイルの使用人を見つけ,必要な情報を聞き出してほしいと依頼するのだ。
ここでアルタイルはマリクに対し,彼の左腕と弟を失うことになった自分のミスを初めて謝罪する。マリクは「謝ることはない,おまえに嫉妬して判断を誤った自分に,おまえを責める資格はない」と許す。ありがとう……。
エルサレムを離れると行き先の選択メニューが出るが,アルスーフへ直接行くことは不可能。アルスーフへは馬を走らせて行かなければならないが,かなり距離がある。そこで,アッカを選択してそこからキングダムに入り,マップを確認しながらアルスーフへ向かうのが手っ取り早くて○。
あれこれあって,リチャード王と対面するアルタイル。彼は王の側近に裏切り者がおり,王ではなく,その者のお命を頂戴しに来たと告げる。それがロベールだと聞いて信じられない様子のリチャード王に対し,アルタイルは重ねて,ロベールとその仲間の所行を伝える。
ロベールとアルタイル,どちらが真実を語っているのか見極めかねた王は,賢き者(神)に判断を委ねることにし,一騎打ちにて勝者の言い分を信じることにしたのだ。ええと,これはあれですね,麻雀マンガで,どんな重大問題も麻雀勝負で決着を付けるのと同じ理論ですね。
リチャード王は“一騎打ち”と言ったのに,まずはアルタイルを取り囲むようにして立っていた兵士達を相手に戦うことになる。肝心のロベールがいないじゃん。リチャード王的にはこれでオッケー? 文句を言っても仕方ないので,神様よろしくという感じでがんばるアルタイル。それが終わればロベールとの一騎打ちが待っているので安心していただきたい。
事が終わり,マシャフに戻ったアルタイルだったが,そこには数人の村人しかおらず,街全体がおかしなことになっていることに気付く。しかも村人は「ご主人様のところへ……」「光りに向かって……」「お前も歩け……そうしないと滅びる」「ご主人様,万歳」などとつぶやき,正気を失っている。何が起きたんだ。
さらに,砦に向かう途中で出会ったアサシン教団の信者が「裏切り者に死を」「罰当たりめ!」などと言いながら攻撃をしてきた。オレだオレだ。アルタイルだよ。だが続々と増援が来てシャレにならない。間一髪,そこへマリク達が登場する! 助かったよマリク。
マリクはアルタイルがアルスーフに向かったあと,ソロモン神殿の地下にある廃墟に行ったと語る。そこにはロベールの日記があり,驚くようなことが書かれていた。真実を知った彼は,アルタイルを助けるべくマシャフへ現れたのだ。
そしてアルタイルは,真の陰謀を暴くべく砦へ向かうのだった……。かっこいー。
最後は予想通りというか,ここまでゲームを進めてくれば,さすがあんまり「えー!」と驚く人は少ないんじゃないかと思うが,驚いていしまった人はごめんなさいね。お約束のフレーズだが,このあたりについては,ぜひご自分の目で確かめてもらいたい。
さて,続編の話もチラホラと出てきた今日この頃の「アサシン クリード」。シリーズものではない新規タイトルとしては大ヒットとなっただけに,パブリッシャのUbisoft Entertainmentとしても今後のフランチャイズ展開に力を入れたいところだろう。ファンとしては,続編の舞台はどこ? とか,そもそも最初のあの人は誰? とか,そういうあたりのことが気になる。美人プロデューサーとして筆者も一目おく(筆者に一目おかれたところで迷惑かもしれないが)ジェイド・レイモンド氏の手腕に期待するところであり,できれば一度お会いしてみたいところだ。ダメですかそうですか。
というわけで,楽しかったアラビア半島の一人旅もひとまず終了だ。次は続編でお会いしましょう。
とっくのとうにご存じかもしれないが,都市のあちこちに罪のない市民をいじめている悪いヤツらがおり,そんな市民を助けることでアルタイルに協力してくれる神学者や自警団などが登場する。神学者や自警団がいると逃走の際に手助けしてくれたり,暗殺目標に簡単に近づけるようになったりして,非常に役立つ。ヘナチョコぞろいのアサシン教団の兄弟達とは大違いなのだ。
したがって,悪いヤツらにいじめられて困っている市民は積極的に助けるべし。人と環境にやさしい暗殺者を目指すのだ。
「普段,偉そうなこと書いているけど,本当に暗殺なんかしてるの? チー○とか使ってるんじゃないの」という疑いの目で筆者を見ている読者が,日本全国で3人ほどいるらしいという情報をつかんだりつかまなかったりしたので,今回のムービーでは,筆者の華麗なテクニックをお目にかけよう。なめらかに壁を登り,素早く天井を走り,ターゲットの背後に軟着陸。見事にミッションクリアという鮮やかなお手並みをぜひご覧じろ。というか,見てね。
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- 関連タイトル:
アサシン クリード 日本語マニュアル付英語版
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