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GPUを使った物理ベースレンダリングはここまできた。NVIDIA,単体販売開始の「Iray」エンジンをアピール
NVIDIAは,そんなGameWorksのグラフィックスおよび映像制作者向けバージョン的な存在である「DesignWorks」を,業務用GPUであるQuadro向けに展開しているのだが,2015年12月1日にDesignWorksのアップデートを行い,日本においてもその説明を行った。今回は,その内容を簡単にまとめてみよう。
NVIDIAがIrayプラグインの単体販売をスタート
氏が担当するプロ向けグラフィックスは,2D/3Dの設計支援ツール(CAD,Computer Aided Design tools)を利用する製造業や,映画などに代表される映像制作,そしてGameWorksのカバー範囲であるゲーム開発など,その守備範囲が非常に広い。なので,DesignWorksが含む開発キット(Software Development Kit,以下 SDK)やコア技術も,下に示したとおり,バラエティに富んだものとなっている。
第1弾はAutodesk製3Dモデリング&レンダリングソフト「3ds Max」向けのプラグインで,これは発表と同時にリリース済み。さらに,12月15日にはAutodesk製3Dアニメーション制作ソフト「Maya」用のプラグインもリリース済みだ。
プラグインはNVIDIAによるサブスクリプション方式での提供となり,最初の90日間は試用期間として無償。それを超えて利用するときには,年間295ドルで契約する必要がある。
今後のIrayプラグイン提供予定。建築設計ソフト「Revit」や映像制作ソフト「Cinema 4D」向けプラグインなどを順次リリースしていくという |
Irayプラグインは日本からも直販ページで購入可能。日本のNVIDIA公式ページだとまだ「βテストに参加」のステータスになっているが,いずれ修正されるだろう |
Irayで「予測可能な設計」を実現
その例としてPette氏は,電動ドリルのモデリングデータを使ったデモを披露。電動ドリルの色や質感といったものをIrayによってリアルに描き出すことができ,また,加えた変更ほぼリアルタイムで映像に反映することができるというものだ。
電動ドリルの例で示されるように,工業デザインでは3Dソフトウェアが以前から利用されてきたが「今後は建築分野における利用が大きく伸びる考えている」(Pette氏)とのこと。実際,まさに現在NVIDIAがシリコンバレーに建設中の新社屋の設計にはIrayを用いており,「それにより,屋内の光の様子や,太陽光がもたらす熱といったことまで設計段階で検討できるようになった」(Pette氏)と自賛してみせた。
Pette氏は「Irayを用いれば,『ある時期にビルが街の一角の温度を上昇させてしまう』かどうか,設計段階で予測が可能だ」と述べ,そのデモを披露した。
デモは,Quadroを搭載したサーバーを使って,両眼の映像を物理ベースレンダリングでほぼリアルタイムに描くというもの。デモのクライアント機には「SHIELD Tablet」を使っていたが,Pette氏いわく,VR対応のヘッドマウントディスプレイと組み合わせることも可能だそうだ。
たとえば,建築なら設計段階で建物の中や外をVRで確認する,あるいは自動車を購入するときに顧客が購入予定の車の色やインテリアをVRで確認するといった応用が期待できる。
というわけで,ゲームにさほど関係のない話題ではあるが,GPUを使った物理ベースレンダリングがここまで来た,という感じだろうか。とくに日本では2020年の東京オリンピックに向けて,さまざまな建物の建設が予定されているので,そうしたなかでIrayのような技術が利用されていく可能性があるだろう。
NVIDIAのIray情報ページ
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NVIDIA RTX,Quadro,Tesla
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