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「Autodesk 3December 2013」開催,Web版Mayaのデモなど最新CG技術動向を見る
同社は1990年のKINETIX(3D STUDIO Maxの開発元)買収以来,1999年にDiscrete Logic,2005年にAlias Systems,2008年にSoftimageと合併を繰り返しつつ3D製品の拡充を図ってきた。2010年までは,それぞれの製品の事業部がそのまま開発を行っていたのだが,ユーザーからの要望に対応しきれないということで,2010年から製品の機能別に分けた開発体制へと改められている。モデリングなら,MaxもMayaもXSIも同じ部門でモデリング機能だけを開発するといった具合だ。製品間での連携が進んだのもこの時期なので納得のいく人もいるだろう。
それが2013年4月に刷新されたという。今度は,ゲーム業界,映像業界,その他と,ユーザーの分野別に分けた体制となっているという。それぞれの開発部門に対してユーザーからの要望が別々に届いており,それぞれの開発度合が違うと結局ユーザーの要望に応えられないということなのだろう。
まず,デモムービーで,Leap Motionを使ったMayaでのインタフェース,クラウドでのキャラクター作成のプロジェクト,3Dプリンタへの対応状況,各種ミドルウェアの統合,KINECTを使ったフェイシャルアニメーション,昨年買収した流体シミュレータNaiadのデモなどが映像で示され,新技術に対しての積極的な取り組みがうかがわれた。
群集シミュレーション |
Leap Motionによる操作 |
クラウドによるキャラクターツール |
3Dプリンタの積層シミュレーション |
MayaとMudboxの統合 |
BEASTなどの統合 |
Kinectによるフェイシャル処理 |
映画にも使われるNaiadのデモ |
単に配置するだけではなく,風にそよいだりといった処理も行え,植生以外に毛髪などでも威力を発揮するもののようで,多くのディズニー映画では多用されている技術だという。
リモート操作については,ほかにもアプローチの違うものが示され,まだ実験段階で製品化などは保証されないと断り付きながら,WebバージョンのMaxやMayaが紹介された。ChromeやFirefoxが使われていたのでWebGLによるものと思われるが,演算処理などはアメリカにあるAmazonのクラウドサーバー上で行われているとのことで,多少の遅延はあるようだが,それでも普通に使えそうなレスポンスでデモが行われていた。扱っていた題材は,流体を使った爆煙のレンダリングなどで,当然ながらかなり重い処理である。
全体にリニアスペースでの管理となるようだが,作業中にリニアスペースのままの色で見ても調整はできないので,適切なトーンマッピングが必要になる。おそらくは最終出力の色空間に合わせたものになるのだろうが,どのように管理するのがよいか研究が行われているという。
さらにボリューメトリックなレンダリング処理など,幅広い範囲で使えるツールのようだ。まだまだ研究段階ということのようだが,将来の実用化に期待したい。
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