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[GDC07#42]GDC講演でのデモハイライトなどをムービーで紹介
Ubisoft Entertainmentの新作で使われる物理エンジンということで,「Assassin's Creed」ないし「Splinter Cell」の次回作で使われることになると思われる処理を示したムービーを紹介しよう。
格闘のモーションに物理的な制限が加わったり,相手の攻撃に対するリアクションが物理演算で行われていたりと,次世代型格闘シーンともいえる映像となっている。投げつけた敵の身体でほかの敵が倒れるという処理も見える。プログラムのみで似たような処理を行うことも不可能ではないが,これはキャラクターの挙動から物理的に計算されたモーションとなっている。
もしかしたら,一撃必殺で敵を倒し続けていたサム・フィッシャー(ラグドールで倒れた敵を起き上がらせることができなかった)も,今後は一撃で倒しきれない相手に対し,格闘することがあるのかもしれない。
→gdc2007_havok1.zip (49秒:23.5 MB (24,697,832 バイト),MPEG-1)
格闘シーンの内部処理を示すムービーだ。各部が緑や青に変わるのが見える。これは内部処理の種類の違いを示すもので,身体の部分部分でモーション再生,ラグドール,IK処理を切り換えていることが分かる。
→gdc2007_havok2.zip (54秒:26.2 MB (27,489,918 バイト),MPEG-1)
最近PhysXに加わった要素,ソフトボディのデモ。リジッドボディ(剛体)やジョイントボディとは違ったぐにゃぐにゃ感が特徴だ。ボディを柔らかくすると,ほとんど液体状になるのが分かる。ボディを硬くしていくと,弾力で隙間を這い上がっていく様子も見られる。
→gdc2007_physx1.zip (43秒:20.6 MB (21,701,905 バイト),MPEG-1)
上と同じソフトボディだが,「ちぎれる」という要素を加えたもの。
→gdc2007_physx2.zip (13秒:6.16 MB (6,463,029 バイト),MPEG-1)
ここでは,適切なフィルタリングをしないと内部での衝突が収束せずに運動が止まらないという例が挙げられている。回転し続ける鹿や,ピクピクと悶える鹿。ピクピクしているのは,それなりに使えそうな気がする。
→gdc2007_physx4.zip (43秒:20.7 MB (21,782,917 バイト),MPEG-1)
Cloth(布)のシミュレーション各種。Metal ClothではTearing(裂け目)は発生しないということだったのだが,Cellfactorでも一部使われていたように,普通のClothシミュレーションではTearingがサポートされている。また,布とそれ以外の物体の衝突判定なども自然に行われていることが分かる。
→gdc2007_physx3.zip (1分43秒:49.3 MB (51,720,361 バイト),MPEG-1)
半透明ポリゴンをソートせずに表示しようという講演のデモ。途中でソートを行ったバージョンと切り換えて見せたり,隣にちゃんと処理したトーラスを並べて見せたりと,どの程度の誤差なのかを示している。
→gdc2007_sortless.zip (28秒:13.5 MB (14,221,483 バイト),MPEG-1)
リアルタイム物理音源シミュレーションといっても,実際の音を聞かないことにはどのようなものか分かりにくいだろう。講演内で行われたデモを紹介する。材質や落ち方などで効果音の響き方が変わるなど,よりリアリティのあるサウンド環境を目指しているようだ。
→gdc2007_physics_snd.zip (44秒:21.7 MB (22,847,724 バイト),MPEG-1)
日本から参加のシリコンスタジオによる展示の様子を紹介しておこう。シリコンスタジオは,海外のあちこちのゲームショウに,意欲的に出展している。GDCではMotion Portraitの展示デモが注目を集めていた。内容自体は,以前紹介したものと同じだが,会場内で顔写真を撮り,それをそのまま横で3D化して動かすデモの周りには多くの人が集まっていた。1枚の写真から,さまざまに表情を変える3Dモデルが作られていく。できあがった映像を携帯電話で記念写真に撮る光景が多く見られた。
→gdc2007_motion.zip (20秒:9.83 MB (10,307,664 バイト),MPEG-1)
以上,GDC 2007の講演中に行われたデモなど,9本をムービーで紹介した。ほかの 記事とあわせて,その効果をぜひ確認してほしい。(aueki)
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