Saitekがようやく国内本格始動。第1弾「DDO推奨ゲームパッド」は2006年9月15日全国発売に

　Saitekの国内本格参入発表から約1か月半。2006年7月20日の“第1弾発売日”を過ぎても「ごく一部のPCゲーム専門店でしか購入できない」という販売状況にはまるで変化がなく，続報もない状態が続いていたのを，やきもきして眺めていた人は少なくないだろう。「2006年内に新製品を含めた全体の80％を完全日本語化して発売」という公約どころか，国内本格展開そのものに，疑問を持ち始めた人もいるのではなかろうか。

2006年9月15日からの全国展開が発表されたP990 Dual Analog Pad日本語パッケージのイメージ。DDOのロゴが躍る

　だが，ようやく事態は動き始めるようだ。さくらインターネット筋から販売店に開示された情報によれば，9月15日から，全国の家電量販店でUSB接続のワイヤードゲームパッド「P990 Dual Analog Pad」（以下P990）を購入できるようになるとのこと。また，これを皮切りに，10月末以降，ジョイスティックなど，そのほかの製品についても順次量販店店頭へ展開していくという。

　そもそもP990は，「ダンジョンズ＆ドラゴンズオンライン “ストームリーチ”」（以下DDO）推奨ゲームパッドとして，7月28日の発売が予定されていた。何の公式アナウンスもないまま，ズルズルと9月になってしまった点は，責められてしかるべきだ。また，9月15日から本当に量販店店頭で購入できるようになるかを見極める必要もある。
　ただそれでも，Saitekの国内展開が，ようやく意味のある形で実現しようとしている，それ自体は，ゲーマーとして歓迎すべきであるように思われる。これを皮切りに，ジョイスティックなども，なるべく早いタイミングで完全日本語化され，全国の店頭に並ぶことを大いに期待したい。

パッケージ裏面のイメージ。パッケージのほか，マニュアル，ドライバソフトウェアが日本語化されているとのこと。ほかのSaitek製品も同様に日本語化される予定という

P990

　というわけで，P990について見てみたいと思うが，基本的には，2本のアナログスティックを持つ，“アナログスティック押し込み”も含めて2軸12ボタン式パッド。写真を見て分かるように，デジタル入力の十字ボタンも用意されており，アナログ/デジタル入力は併用可能だ。本体中央の切り替えボタンにより，アナログスティックだけ無効にもできる。

　注目したいのは，12個のボタンには，すべて別個のキーアサインを行えるようになっており，複数のキーの組み合わせをマクロとして登録可能な点だ。さらに，赤い「FPSボタン」により，2種類のプロファイルを切り替えられるようになっているのも特徴といえる。
　FPSボタンというのは，標準の“切り替え用”キーアサインがFPS用になっていることから付けられた名前で，特別にFPS専用というわけではない。実質的には，使用できるボタンを2倍にするための切り替えスイッチという理解でOKだ。

別の角度から撮影してみた。右手の指で押すことになる6個のボタンのうち，2個だけ色とサイズが異なるが，機能的には残る4個と同じ。本文で触れたように，マクロを含め，キーアサインは問題なく可能だ。なお，振動や連射機能は用意されていない

　また，DDO推奨ゲームパッドとして，クライアントDVD-ROMと，1500円相当（つまり30日分）のDDO無料クーポン，そして移動速度の上がるゲーム内アイテム「Boots of Minor Striding」引き替えコードが特典として用意される。DDOに最適化されているというキーアサインの組み合わせがプリセットされ，さらにボイスチャット用のクリップマイクも付属して，予想実売価格は3500円前後だ。販売代理店のゼネラルオートサービスによれば「特典のない通常版とまったく同じ店頭価格になる」とのことなので，DDOをゲームパッドでプレイしたい人にとっては，かなりお買い得な選択肢になるだろう。

　あとは――繰り返しになるが――今度こそきちんと全国展開されるかどうかだ。9月15日を楽しみに待ちたい。（佐々山薫郁＆ginger）