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[G★2006#103]Nexonのストリートサッカーゲーム「Kick Off」開発者インタビュー
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印刷2006/11/17 23:43

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[G★2006#103]Nexonのストリートサッカーゲーム「Kick Off」開発者インタビュー

 「Kick Off」は,美形キャラクターとファッショナブルな衣装が目を引く,フットサルをモチーフにしたカジュアルゲーム。
 ゲームの雰囲気は,[G★2006#31]の記事で紹介したムービーでつかんでほしいが,「エクストリームサッカー」に近い雰囲気といえば分かってもらえるだろうか。

 G★における本作はムービーのみの出展だったが,Nexonで開発を担当しているHyun-IL Jang氏に会場で話を聞く機会を得た。そのときに得られた情報をお伝えしていこう。

4Gamer:
 よろしくお願いします。
 早速ですが,Kick Offは日本でほとんど情報が露出していないタイトルです。確認の意味も含め,ゲームの概要を教えてください。

Kick Offのデザインアシスタントマネージャーを務めるHyun-IL Jang氏
Hyun-IL Jang氏(以下,Jang氏):
 Kick Offをジャンル分けするとしたら,“ストリートサッカー”といったところでしょうか。11人によるサッカーは戦術の追求面は面白いのですが,プレイが複雑になってしまいがちです。もっと手軽にサッカーで楽しめるゲームが作りたいな,という思いが最初にありました。本作では最大5人対5人でプレイできますが,3対3や4対4といった少人数でも楽しめるのが特徴です。

4Gamer:
 サッカーやフットサルのルールと違う部分はありますか?

Jang氏:
 まず,アウトオブプレーの概念がありませんね。サッカーやフットサルとは違って審判が存在しないので,強力なシュートといった必殺技や,サッカーではファウルを取られるような激しいタックルなども可能です。

4Gamer:
 とはいえ,韓国ではストリートサッカー系のタイトルも数多くリリースされていますよね。具体的には,「エクストリームサッカー」がゲーム内容的に似ていて,ライバルになると思うのですが,どの部分で差別化を図っているのでしょうか。

Jang氏:
 Kick Offでは,個人技によるダイナミックな動きを追求しているので,攻守における1対1での選択肢の幅は,他タイトルに勝っていると思います。また,“チームゲージ”によるプレイヤー間の協力プレイも大きなアピールポイントです。

4Gamer:
 なるほど。では,まず個人技について詳しく教えてください。

Jang氏:
 1チームの人数が少ないので,対戦時は攻守でマンツーマンとなるケースが自然と増えます。そういったシチュエーションにおいて,どのようなアクションをとるかという選択肢の幅広さが本作の大きなアピールポイントです。
 例えば,攻撃する側は移動/シュート/トリック/フェイクなど5〜6種類の選択肢の中から,瞬時に次の行動をチョイスします。防御側についても同様に5〜6種類の選択肢があり,これらをお互いジャンケンのように繰り出します。もちろんゲームはリアルタイムで進行するので,プレイ中はかなり忙しいですよ(笑)。

4Gamer:
 相手の行動を瞬時に読む判断力が要求されるわけですね。キャラクターにポジションの概念は存在するのでしょうか?

Jang氏:
 あります。最初にキャラクターを作成する段階ではフォワード/ミッドフィルダー/ディフェンダーの3種類を選べます。そしてプレイを重ねて経験値を溜めてレベルを上げると,クラスチェンジが可能になります。例えば,フォワードならウィングフォワードやセンターフォワードといったクラスにチェンジできます。クラスは現時点では合計で9種類用意しています。

4Gamer:
 ポジションにゴールキーパーはないのですか?

Jang氏:
 対人戦をメインとしたゲームなので,チームの内ゴールキーパーはAIで処理されます。プレイヤーの多くは,ゴールキーパーをあまりやりたがらないと思いますし(笑)。

4Gamer:
 実際のサッカーなら人気ポジションの一つだと思いますが,ゲームではそうかもしれませんね。今,レベルについて話が出ましたが,レベルアップすると何が変わるのでしょうか。

Jang氏:
 レベルアップすると,キャラクターのステータス面が強化されます。例えばフォワードなら,強力なシュートが打てるようになりますね。

4Gamer:
 なるほど。そのステータスは何種類くらいあるのでしょう。

Jang氏:
 かなり多いですよ。現在導入されているだけでも,シュート/パス/タックル/トリック/ディフェンスがあって,それぞれに“正確度”と“成功率”があります。例えば,タックルのステータスでは,スライディング/スタンディングタックル/フェイクタックルの3種類のアクションに影響を及ぼすなど,さらに細分化されています。ほかにもスピード/ドリブル/ボディバランス/スタミナなどがあり,これらのステータスはレベルアップや装着するアイテムによって変わっていきます。

4Gamer:
 装着するアイテムということは,キャラクターが着る服でステータスが変わるということですか?

Jang氏:
 そうですね。ゲームバランスに影響するほどの効果ではありませんが,例えば,タトゥーを付けるとディフェンス関連のステータスが上昇します。

4Gamer:
 レベルアップでキャラクターが強くなることで,ゲームバランスが崩れる心配はないのでしょうか?

Jang氏:
 一個人によるキャラクターのステータスも重要ですが,それだけでは試合の流れを左右するほどの影響はありません。それよりも,チームメンバー同士による協力プレイのほうが重要になってきます。

4Gamer:
 その協力プレイは,具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。

Jang氏:
 メンバー同士がパスを決めたりといった連携プレイが成功すると,“チームゲージ”が増えていきます。チームゲージがある程度溜まると,それを消費することで必殺技といえる強力なシュートや,成功率の極めて高い特殊なパスなどを繰り出せるようになります。

4Gamer:
 プレイヤー間の連携が大きく勝敗を左右しそうですね。そういえば,ムービーを見て思ったのですが,キャラクターが思い思いの格好をしているので,チームの見分けが付きにくいですね。このあたりの処理はどのようになっているのでしょうか。

Jang氏:
 ムービーをよく見てもらえれば分かりますが,キャラクターの足元にリングが表示されます。その色で見分けが付くので,プレイするときは支障はないですね。プロモーションムービーなので,実際のゲーム画面とは異なる部分もあります。そのへんは大目に見てください(笑)。
 Kick Offは純粋なサッカーゲームではないので,そもそもユニフォームを着る必要がありません。そこでファッションを自由にして,外見面でキャラクターの個性を演出できることを重視しました。

4Gamer:
 ファッションアイテムはどれくらい種類があるのでしょうか。

Jang氏:
 髪型/トップス/ボトムス/靴/眼鏡/アクセサリ/タトゥーなど,体の部位ごとにパーツが用意されています。現時点ではこれらの各パーツに,それぞれ約20種類のアイテムがあります。色違いのものも用意しているので,ゲーム内で同じ格好をしたキャラクターばかりになるようなことはないと思います。
 また,ファッションアイテムは短期間で開発できるので,これを生かして,実際に流行している服などをどんどん取り入れていきたいですね。ビジュアル面にはとくに力を入れています。

4Gamer:
 ビジュアル面といえば,先日の発表会で流されたムービーでは,ゴールを決めたとき,キャラクターが取る決めポーズのようなものが印象的でした。モーション面にはこだわりがあるのですか?

Jang氏:
 このあたりのグラフィックス面にはとくに力を入れています。キャラクターの動きに関しては,モーションキャプチャを使って自然な動きを実現しています。もちろんゴールセレモニーもです(笑)。

4Gamer:
 そう言われると,早く実際のゲームをプレイして確認したくなりますね。それでは,今後のスケジュールについて教えてください。

Jang氏:
 韓国では2006年内にクローズドβテストを行います。そこで得られたフィードバックをゲームに反映させて,2007年の上半期にオープンβテスト,そして正式サービスを目標にしています。

4Gamer:
 ビジネスモデルについてはどのような予定を立てているのでしょうか。

Jang氏:
 「基本料金無料+アイテム課金」です。課金アイテムの種類は,ステータスがアップするといったものがメインになります。

4Gamer:
 日本語版へのローカライズ予定はありますか?

Jang氏:
 残念ながら今のところ確定はしていませんが,ぜひともやってみたいですね。

4Gamer:
 日本での展開にも期待しています。本日はありがとうございました。


 日本におけるカジュアルサッカーのゲームジャンルで,Kick Offのライバルとなるタイトルは,2006年8月にクローズドβテストが実施されたエクストリームサッカーであろう。ただ,実際のゲームをプレイできない現在の状態では,いまいち違いが見えにくい人が多いのではないだろうか。
 しかし,Jang氏の話を聞く限り,Kick Offの個人技の幅広さには魅力的な点もあり,実際にプレイしてみたいと思えた。現在,韓国のオンラインゲーム業界ではサッカーゲームがこぞって開発されており,さながら戦国時代といった様相だ。Kick Offがその中で頭角を現すことができるかどうか,その今後に注目したい。(ライター:川崎政一郎)

  • 関連タイトル:

    Kick Off

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