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「Windows Vista」時代のコンシューマ向けサービスが発表に 「Games for Windows」は「これから」
今回,具体的な事例とともに紹介されたのは,ムービーや音楽などといった家庭向けのコンテンツ配信や,WPF(Windows Presentation Foundation)を利用した,インタラクティブなWebサービスなど。WPFに関しては2006年9月4日の記事を参照してほしいが,スクウェア・エニックスが自社運営の直販サイト「スクウェア・エニックス e-STORE」の一部をいち早くWPFに対応させ,3Dで描画されたボックス画像を動かしながらゲームタイトルを選べるようなデモを展示するなど,Windows Vistaがさまざまなコンテンツホルダーからサポートを得ているとアピールされていた。
Windows Vistaの発売日時点で提供が予定されているのは,漢字学習ソフトやナンプレ(ナンバープレイス)などといった,ニンテンドーDSでリリースされているジャンルが中心。そのなかで,“化石発掘ゲーム”「化石プレイ」を発表して異彩を放っていたセガから,小口久雄代表取締役社長が登壇した。
ペンというインタフェースが,キーボードやマウスを使いこなせない年配者や主婦層,あるいは子供にとって非常に重要な存在であるとした同氏は,「タブレットは,新しいOSを家族全員が使っていくことを考えたとき,非常に魅力的な存在。将来的に,PCゲームでも,ニンテンドーDSのようなことが起こるかもしれない」と述べ,化石プレイだけでなく,セガがWindows Vistaに取り組んでいくと強調していた。
以上,4Gamer読者にとって大いに関係のありそうなところを中心にお伝えしてきたが,驚きだったのは,「Games for Windows」や「Live Anywhere」について,発表会中に何の言及も行われなかったことである。
この点について,Q&Aセッションで聞いてみたところ,「日本では,Games for Windows対応タイトルとしては,『マイクロソフト フライト シミュレータ X』を投入したところ。これとWindows Vistaの発売を皮切りに,PCゲームを盛り上げていく活動をこれからどんどん行っていく。日本でもプロモートできる段階になったら大々的に発表したい」との回答が得られた。
ただし,すべてはこれからだと半ば断言された点も,見逃すわけにはいかないだろう。Windows Vistaがゲームプラットフォームとして日本で急速に立ち上がる可能性は,まずなくなったと見ていい。タブレットを用いたカジュアルタイトルはともかく,進化したグラフィックスやゲームに関連したオンラインサービス面での“Windows Vistaらしさ”は,マイクロソフトが次の動きを見せるまでの間,待つほかなさそうだ。
4Gamerではこれまでも何度か繰り返しているが,ゲーム用途でWindows Vistaの導入を考えているのであれば,自分のプレイしたいゲームが同OS上で明らかなメリットが出るタイミングまで,慎重に見守る必要があると,改めて強調しておきたい。そして同時にマイクロソフトには,できる限り早いタイミングで,日本におけるGames for WindowsやLive Anywhereの全容を明らかにしてほしいと思う。(佐々山薫郁)
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Windows Vista
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化石プレイ
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