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[GDC2008#28]LucasArtsが語る,「Star Wars::The Force Unleashed」と開発チーム立ち上げの経緯
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印刷2008/02/22 22:44

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[GDC2008#28]LucasArtsが語る,「Star Wars::The Force Unleashed」と開発チーム立ち上げの経緯

画像集#001のサムネイル/[GDC2008#28]LucasArtsが語る,「Star Wars::The Force Unleashed」と開発チーム立ち上げの経緯
Haden Blackman氏
 LucasArtsといえば,いわずと知れたジョージ・ルーカス氏が率いるデベロッパ/パブリッシャで,「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」や「スター・ウォーズ エンパイア・アット・ウォー」など,多数のスター・ウォーズ関連ゲームで有名だ。一時期は,開発を内部で行なわなくなっていたのだが,2006年に映画「インディ・ジョーンズ」と「スター・ウォーズ」を題材にした新作を発表し,再びデベロッパとして本格的に活動することを表明した。そのときには仮題だったスター・ウォーズテーマのゲームは,のちに「Star Wars: The Force Unleashed」というタイトル名に決定したものの,ゲームの詳細はあまり明かされていなかった。
 今回のGDCでは,LucasArtsのHaden Blackman(ヘイデン・ブラックマン)氏によるレクチャーが行なわれ,同社が開発チームの立ち上げと,テクノロジパイプラインの確立をいかにして同時に行なったのかが説明された。Star Wars: The Force Unleashedは,PLAYSTATION 3版とXbox 360版の発売が予定されているが,PC版の発売は未定。とはいえ,本作にはLucasArtsが新たに開発したエンジンが使われるだけでなく,Pixelux Entertainmentと共同開発した「DMMテクノロジ」(関連記事は「こちら」)が採用されるなど,技術的な注目度は非常に高い。PC版も発売されることを期待しつつ,レクチャーの内容を紹介していこう。

画像集#002のサムネイル/[GDC2008#28]LucasArtsが語る,「Star Wars::The Force Unleashed」と開発チーム立ち上げの経緯
 まず,本作の企画が立ち上がったのは2004年だったという。すでに何本もスター・ウォーズ関連のゲームが発売されていたが,既存のものとは完全に異なるものを生み出すという目標をかかげ,プロジェクトを立ち上げたという。
 とはいっても,当時のメンバーはわずか10名ほどで,各自がさまざまな業務を兼任していたそうだ。「スター・ウォーズのゲームを開発する」ということしか決まっていなかったので,会社として人的リソースを割くわけにはいかなかったというのだ。まあ,何も決まっていない段階で10名もの人を配置できるのはすごいと思うのだが,それほどスター・ウォーズブランドは,同社にとって大切なものなのだろう。
 そんな小ぢんまりとしたチームが最初に取り組んだのは,コンセプトの決定だ。結局,「ダースベイダーに隠れた弟子がいたという」設定で,この弟子を軸にストーリーを進める,フォースを最大限に生かしたアクションゲームにする,という案が採用された。時代設定はエピソード3と4の間で,二つのエピソードの橋渡し的なストーリーになるという。

 コンセプトは決まったものの,当時はまだPLAYSTATION 3とXbox 360の開発キットが提供されておらず,しばらくはコンセプトアートの作成などを行なっていた。先にXbox 360の開発キットが提供されたため,Xbox 360版の開発から行なわれたが,2007年の秋からはPLAYSTATION 3版の開発も同時に行なっているという。
 開発が本格化するにつれてメンバーを増やしていき,2006年には181人,2007年には271人(!)もの開発者を雇用し,チームは急激に巨大化。もともとリクルート専門のスタッフはいなかったが,この頃には専門のリクルーターを用意し,人材確保を会社のファーストプライオリティとして扱っていたという。リクルーターと各部門のリーダーは連携を取り,どんな人材を求めているのかなどを明確にしていたそうだ。
 経験者を優先的に採用していたが,チームとして動ける人,ほかのメンバーと協力できる人でなければ,採用は見送っていたという。技術的に優れた人を積極的に採用しそうなものだが,外から見ているのとはだいぶ事情が異なるようだ。
 また,開発に直接関わっていない広報部やマーケティング部門などにも開発の進捗を確認してもらい,コンセプトを理解してもらったうえで,各部門の仕事を行なったという。これは,同じプロジェクトに関わっているという意識を高め,責任を持って業務を遂行するという目的によるものだ。

画像集#003のサムネイル/[GDC2008#28]LucasArtsが語る,「Star Wars::The Force Unleashed」と開発チーム立ち上げの経緯
 Blackman氏のレクチャーに,頻繁に出てきた言葉が「ミーティング」だ。コミュニケーション不足によるミスを極力なくすため,さまざまな部門間で繰り返しミーティングを行なっているそうだ。もちろん,ただの報告会にならないよう心がけており,問題点が挙がったときには解決方法などを綿密に打ち合わせたという。また,風通しのいい組織作りも心がけ,立場にとらわれず意見交換が行なわれるような環境を構築したとのこと。

 そんな協調性を重視した組織で作りあげたのが,DMMテクノロジであり,それをHavok物理エンジンと合わせることで,現実の世界に近い物理表現が可能になった。会場では写真撮影が禁止されていたために,画像を見せられないのだが,ガラスは粉々に砕け,板はささくれを残しながら「メリっ」と割れるなど,材質による壊れ方の違いが分かるムービーが公開された。なお,これはオブジェクトごとに個別のアニメーションを用意せずに表現されている。壊すものによって表現が大胆に変わるので,この技術を使ったゲームは,非常に「物の壊しがい」がありそうなものに仕上がりそうだ。
 本作は物理効果に力が入っており,主人公はフォースを使って,敵を壁にぶつけたり,歩行しているAT-ATウォーカーに投げつけたりして倒せるという。フォースで飛ばされた敵がぶつかったオブジェクトは,もちろんDMMテクノジによってリアルに壊れる。敵の重さも計算されており,むやみやたらと蹴散らせないという仕様も現実的だ(まあ,フォースの存在はフィクションだが)。ちなみに,カメラは自動的に,投げ飛ばした相手にズームするようになっており,ちゃんと敵のやられっぷりを確認できるのも嬉しいところ。
 会場では戦闘シーンのムービーを見られただけだが,スター・ウォーズファンだけでなく,アクションゲームファンも楽しめる作品になりそうだという印象を受けた。もちろん,一部分が突出していたからといって面白いゲームになるとは限らないが,期待せずにはいられないムービーだったのは確かだ。一般公開される日を楽しみに待ちたいものである(PC版発売決定のニュースも楽しみに待ちたい)。
  • 関連タイトル:

    Star Wars: The Force Unleashed

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