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13周年を迎えた「The Tower of AION」の運営プロデューサーにメールインタビュー。ライブサービスとクラシックサービスの今後の展開を聞いた
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印刷2022/07/20 12:00

インタビュー

13周年を迎えた「The Tower of AION」の運営プロデューサーにメールインタビュー。ライブサービスとクラシックサービスの今後の展開を聞いた

 エヌシージャパンがサービスを展開するMMORPG「The Tower of AION」(以下,AION)が,2022年7月17日で正式サービス開始から13周年を迎えた。“重厚長大なMMORPG”として設計されている本作だが,13年間のアップデートで世界は大きく広がり,膨大なコンテンツはいまなお多くのプレイヤーを魅了している。
 ここ最近は,昨年7月にスタートした「クラシックサービス」のアップデートが矢継ぎ早に行われていることもあって,情報が多く出回っている状況なので,「懐かしくて久しぶりにAIONに復帰した」なんて人も多いのではないだろうか。

ライブサービスでは,13周年のイベント「DREAM WORLD 13TH 」が開催中だ
画像集#001のサムネイル/13周年を迎えた「The Tower of AION」の運営プロデューサーにメールインタビュー。ライブサービスとクラシックサービスの今後の展開を聞いた

 今回4Gamerは,ライブサービスが13周年を迎えるタイミングで,運営プロデューサーを務める坂本康弘氏にメールインタビューを実施した。長期運営となったライブサービスと,スタートから1年が経過したクラシックサービス,2つのサービスの現状と今後の展開を聞いたので,最後まで読み進めてほしい。


13周年を迎えたライブサービス。本作ならではの種族間抗争はいまなお存在感を発揮


4Gamer:
 2009年7月17日(OBT開始は7月7日)にサービスを開始したAIONは,今年13周年となります。まずは今の心境をお聞かせください。

運営プロデューサー 坂本康弘氏。写真は2022年4月掲載のインタビューのもの
画像集#026のサムネイル/13周年を迎えた「The Tower of AION」の運営プロデューサーにメールインタビュー。ライブサービスとクラシックサービスの今後の展開を聞いた
坂本康弘氏(以下,坂本氏):
 サービス開始時から私が運営に携わっていたわけではないですが,あの時から13年も経過したというのはとても感慨深いものがあります。
 2009年当時,私たちのサービスタイトルと言えば,今でも現役タイトルである「リネージュ」「リネージュ2」が主流でした。そこに彗星のごとく現れたタイトルが本作「The Tower of AION」であり,革新的なビジュアルやシステム,世界観で,MMORPGの歴史を大きく塗り替えた印象がとても強いです。
 10年以上が経過しても色褪せない魅力と存在感があり,私たちにとっても誇りに思えるタイトルとなっています。

4Gamer:
 ライブサービスにおいて,今年1月に「アプサランタ:軍団交代」,5月に「アプサランタ:征服」というアップデートが行われましたが,プレイヤーの動向に変化はありましたか。

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 エヌシージャパンは2022年5月11日,PC向けオンラインゲーム「The Tower of AION」で,ライブサービス向けの最新アップデート“アプサランタ:征服”をリリースした。また,クラシックサービスの開始から300日が経過したことを記念したイベント「ディーヴァ 300日PARTY」が,5月18日に開催されることが発表された。

[2022/05/11 14:20]

坂本氏:
 近年のライブサービスは龍界での争いが激化しており,現時点では「アプサランタ」という新たな土地で天族,魔族,龍族が三つ巴の戦いを繰り広げています。
 今までも龍界での争いは様々な地で繰り広げられましたが,アプサランタでの最大の特徴は「軍団」による特殊活動にあります。軍団単位でのクエストや名声などが設定されているため,組織の一員として行動する目的意識が高くなったことで,ゲーム内での功績貢献や達成感がより感じやすくなっていると思われます。

4Gamer:
 天族と魔族という2つの陣営間で争うAIONならではの要素は,13年が経過した今でも変わりませんか。関連してコミュニティの動きも気になります。

坂本氏:
 近年においても,種族間抗争がメインコンセプトであることに変わりはありません。ですが,最近はプレイヤーの技量を尽くして戦うPvPに加え,より強大な敵に共闘して立ち向かうPvEスタイルが強くなっているような印象があります。
 時代の変化とともにPvPもPvEも同じぐらいの熱量で楽しむスタイルが見られるようになり,サービス開始当初のような敵地への潜入を繰り返し,毎日が戦いの日々だったころとは,明らかに違った世界になっていると思います。

4Gamer:
 PvPや大規模戦闘は積極的に行われているのでしょうか。また,主戦場がどこになっているのかも知りたいです。

坂本氏:
 ライブサービスでは引き続き龍界がメイン活動地域となっており,その中でも現在はアプサランタが主戦場となっています。最近は突発的な遭遇戦(PvP)が多い傾向にあります。
 一方,クラシックサービスでは6月に「Episode2.0」アップデートが実施され,ライブサービスと同様に,アビス地域から龍界へと主戦場が移行しつつあります。全般的なストーリーの流れが,アトレイアでの龍族とディーヴァの存亡をかけた闘いにシフトしているので,今後も龍界地域を舞台とした戦場が形成されていくと思われます。

4Gamer:
 ライブサービスは,これからどんな運営方針でサービスを続けていくのでしょうか。

坂本氏:
 現在のAIONはライブとクラシックの2種のサービスで運営しているため,プレイスタイルや嗜好するコンテンツ,システムなどにより,プレイしたいゲームサービスを選択できるようになっています。
 ライブサービスの大きな特性の1つとして,最新のコンテンツやシステム,ストーリーを楽しめる点があると思います。また10年以上も愛情を注いできたキャラクターを育成,強化すること,そして長い年月で形成されたコミュニティ活動を存続させることなど,13年間の蓄積を守っていくことも非常に重要と考えています。
 そのため運営方針としても,それら特性を活かしたサービス体系維持を方針とし,今後もサービスを続けていきます。


思い出の再現を標榜するクラシックサービス。現環境に合わせたバランス調整でより遊びやすくなる


4Gamer:
 クラシックサービスは,昨年7月のサービス開始から1年が経過しました。クラシックサービスがきっかけでAIONに復帰したプレイヤーも多くいるのではと思いますが,反響はいかがでしょうか。

坂本氏:
 かつてのAIONを愛してくださった大勢のプレイヤーが一堂に会して当時を懐かしみ,思い出を語りながら楽しんでいる姿を多くみられたことは良かったです。「10年以上経っても色褪せない,斬新なシステムやゲーム性などを再確認できた」といった声が多く聞かれ,非常に嬉しく感じています。

4Gamer:
 1年間の運営で,課題も少なからず見えてきたのではないでしょうか。

坂本氏:
 課題は,以前のライブサービス同様,種族の偏りが継続している点です。13年前の当時,ライブサービスでは天族が圧倒的有利で,主に要塞戦などで一方的な戦いになるケースが多々ありました。それが現在のクラシックサービスでは,逆に魔族の圧倒的有利な状況がずっと続いています。
 かつてのライブサービスでは優勢となっている種族の作成制限なども行っていましたが,クラシックでは全体的なプレイヤー人口を増やすことを優先しており,そうした制限的なアプローチは行っていません。ただ今後は,劣勢となっている種族側に大きなメリットが提供できるような施策を積極的に実施していく予定です。

画像集#002のサムネイル/13周年を迎えた「The Tower of AION」の運営プロデューサーにメールインタビュー。ライブサービスとクラシックサービスの今後の展開を聞いた
画像集#003のサムネイル/13周年を迎えた「The Tower of AION」の運営プロデューサーにメールインタビュー。ライブサービスとクラシックサービスの今後の展開を聞いた

4Gamer:
 6月22日に待望の大型アップデート「Episode2.0 新たな世界:龍界」が実装されました。インギスオンやゲルクマルスと聞いて,懐かしさを覚える人も多そうです。改めて注目すべき要素を教えていただけますか。

坂本氏:
 先にも述べましたが,アップデート「Episode2.0 新たな世界:龍界」で,戦いの最前線がアビス地域から龍界へと移行していきます。
 本アップデートでは,龍界フィールドの「インギスオン」「ゲルクマルス」といった広大なマップが追加されたことで,遊べる内容が一気に増えた点が大きなポイントとなります。
 また,新規インスタンスダンジョン(以下,ID)としてソロ専用ID「ハラメル」「カスパール内部」,パーティ専用ID「棄てられたウダス神殿」「ウダス神殿の地下」「パシュマンディル寺院」などが追加されましたので,当面の目標はこれらダンジョン内でドロップする上位装備を集め,キャラクター強化を目指していくことになります
 クラシックならではの要素として,レベル55の最上位アビス装備「エリート プリムスピルス」装備が新たに加わりました。セット効果がとくに優秀で,2.0アップデート環境では最高クラスの性能を誇る装備セットとなります。

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インギスオン
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ゲルクマルス

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ハラメル
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カスパール内部
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4Gamer:
 当時のライブ環境とは違う,クラシックサービスならではのバランスになっている要素はありますか? また,日本独自の仕様やバランスなどが盛り込まれているなら,どういう方向性で調整を行ったのか気になります。

坂本氏:
 クラシックサービスは,メインコンセプトとして「思い出のAIONを再現する」を掲げており,様々なコンテンツやシステムを忠実に再現することを第一に設計されています。
 ただ,10年以上前のゲーム環境と現在とは大きく乖離している部分もあり,それらは現環境に合わせて難度やバランス調整などで,様々な調整が行われています。
 同時に日本のプレイヤーに合わせた調整も行っています。具体的には,キャラクター成長に関する調整,ディーヴァパス報酬やミッション条件の調整などで,ストレスなく快適なゲーム体験ができるような方向性でチューニングしています。

棄てられたウダス神殿
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ウダス神殿の地下
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パシュマンディル寺院
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2つのサービスの今後の展開。AION本来のコンセプトはそのままにさらに飛躍を目指す


4Gamer:
 今年の下半期,AIONの2つのサービスでどんなアップデートが行われるのでしょうか。話せる範囲でお聞きしたいです。

坂本氏:
 ライブサービスについては,8.0で追加された「アプサランタ」地域をベースとした追加アップデートを,順次適用予定となっております。龍界地域を舞台とした神々と龍族との抗争が,さらに激化していく予定です。

 クラシックサービスについては,今後,2.0アップデートを主軸にした追加アップデートが予定されています。韓国では2.2アップデート,2.4アップデートと続いていくのですが,日本では次回,それらをまとめて2.4アップデートとして実装する予定です。
 今後はメインの舞台を龍界に移し,龍帝の影響や存在が色濃く反映されたストーリーやダンジョン,強大な力をもつモンスターとの対決などが多く見られるようになります。ライブサービスでも思い出深いID「アラカ」なども追加されますが,以前実装したクラシックの新コンテンツ「ティアク研究所」のような,ライブサービスにはなかった場所やサイドストーリーなど,クラシック独自の進化を遂げている要素も今後注目いただければと思います。

 13年間積み重ねてきた膨大なコンテンツや最新のストーリーなどが楽しめるライブサービスと,サービス初期の雰囲気を楽しみつつ,クラシック独自のコンテンツで新鮮な追体験が得られるクラシックサービス,どちらのサービスも今後のアップデートについてぜひご期待ください

4Gamer:
 中〜長期的な運営のテーマや,改修を予定している要素などありましたら教えてください。

坂本氏:
 中長期的なテーマとしては,最新コンテンツを最短期間で適用しつつ,今回のアニバーサリー的なお祭りイベントも行っていき,常に刺激的で楽しめる環境を継続していきたいと考えています。

4Gamer:
 最後に,ファンに向けてメッセージをお願いします。

坂本氏:
 あらためてこの場を借り,私たちのサービスを支えてくださったプレイヤーの皆様に御礼申しあげます。13年という年月は,当時生まれたお子さんが今現在,中学生になるぐらいの長い年月となります。ライブサービスを遊ぶプレイヤーもクラシックサービスを遊ぶプレイヤーも,今日のサービスを支えてくださっている大切な方々ばかりです。
 MMORPGの一時代を切り拓いた,この「The Tower of AION」というゲームのサービスを1日でも長く,また少しでも多くの皆様に満足いただける内容をお届けできるよう,私たちも引き続き努力を重ねてまいります。いま遊んでいる方は引き続きご愛顧いただけますと共に,まだ触れたことのない方がおられましたら,ぜひこの機会に体験いただけましたら幸いです。

「The Tower of AION」公式サイト

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