お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2007/12/27 20:33

レビュー

ベオウルフ 呪われし勇者【日本語マニュアル付き英語版】

Text by UHAUHA

»  現在公開中の映画のライセンスタイトル,「ベオウルフ 呪われし勇者」は,数で攻めてくる敵をバッサバッサと斬り倒す主人公ベオウルフが必要以上にマッチョで,しかも登場する女性が必要以上に薄着というなかなかの注目作。そんな本作を剣戟アクションの大ファンで薄着の女性も大好きだといわれるUHAUHA氏が斬る!


映画を観てからプレイしたい
「ベオウルフ 呪われし勇者」登場


怪物グレンデルの母親を倒しに行った勇者ベオウルフは,彼女の色気に負けて悪魔と契約を交わしてしまう。ある意味,これは王になるものが必ず通る道なのである,たぶん。ここで何が起こったのか映画では描かれていないが,ゲームをプレイすればすっかり分かってしまうのだ
画像集#001のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
 12月21日にサイバーフロントから発売されたのが「ベオウルフ 呪われし勇者【日本語マニュアル付き英語版】」(以下,ベオウルフ)だ。一応説明しておくと,本作は12月1日から全国ロードショーされているファンタジー映画,「ベオウルフ/呪われし勇者」のライセンスゲームである。こうしたタイアップ作品をプレイするのは久々なので,映画好きの筆者としてはとりあえず素直に嬉しい。

 映画は,J・R・R・トールキンの「指輪物語」にも影響を与えたというイギリス文学史上最古の英雄叙事詩「Beowulf」をテーマに,バック・トゥー・ザ・フューチャー三部作や「フォレスト・ガンプ/一期一会」といった多くの作品を送り出しているロバート・ゼメキスが監督したオールCGムービー。ベオウルフ役にレイ・ウィンストン,怪物グレンデルの母親をアンジェリーナ・ジョリー(アンジー)が演じる(といってもCGだが)ほか,アンソニー・ホプキンス,ジョン・マルコヴィッチなど豪華キャストが(しつこいようだが,彼らの演技を再現したCGで)登場しており,公開前から注目されていた一本だ。テレビCMで見た人も多いと思うが,水中から現れる妖艶なアンジェリーナ・ジョリーの姿に,ついフラフラと映画館に足を運んでしまった人もいるだろう。私のことである。

 物語はこうだ。六世紀のデンマークを統治するフローズガール王は,宴を催すたびに現れては人々を虐殺する怪物グレンデルに苦しめられていた。そんな怪物の噂を聞きつけて,海を渡って現れたのが勇者ベオウルフ。フローズガール王は彼に「グレンデルを倒せれば,金色に輝く杯を褒美として与える」と言う。苦労の末,グレンデル撃退に成功したベオウルフは戦勝を宴に酔いしれる。しかし,翌朝,目を覚ました彼が目にしたものは,虐殺された兵士達の姿だった。かくしてベオウルフは,犯人であろうグレンデルの母親のもとへ向かうのであった……。

 というわけで,プレイヤーはマッチョで気高い勇者ベオウルフとなり,従士と共に大群で襲い来る敵をバッサバッサと倒していくのである。謎解きやパズル要素などは一切なく(たぶん,勇者はあまり細かいことにこだわらないからだ),純粋な剣戟アクションゲームになっている。ゲームで描かれるのは,映画で触れられていない空白の30年間だ。
 ちなみに筆者は映画を観てからプレイしたのだが,なんというかゲームの登場人物の扱いには疑問が残る。アンソニー・ホプキンス扮するフローズガール王は似ているものの,主人公のベオウルフは映画のベオウルフとあまり似ていないし,怪物グレンデルの母親はアンジーとは全然別人。おそらく,肖像権の問題なのだろうけど,感情移入という部分でちょっと残念だ。
 なお,日本語マニュアル付き英語版ということから分かるとおり,ゲーム中のテキストや音声はすべて英語で,会話シーンでの英語字幕の表示もできないため,ヒアリングに頼るしかない。映画で触れられているシーンがゲームにも登場するので,このへんはあらかじめ映画を観ていれば補完できそうだが,映画で触れられていない部分も楽しむとなると,ある程度の英語力が必要になってしまうだろう。とほほ。

 というわけで,さっそくベオウルフのゲーム性はどんな感じなのか見ていくことにしよう。「ライセンスものに当たりなし」なんていうジンクスが頭をよぎったりしないでもないのは事実かな。

画像集#002のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
マッチョで誇り高き勇者ベオウルフ。映画ではレイ・ウィンストンが演じていたが,目がぱっちりしすぎているせいだろうか……あんま似てないかも
画像集#003のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
ゴア表現はないものの,戦闘中は血しぶきが飛びまくってまことに血生臭い。出血のオン/オフはできないので,この手の描写が苦手な人はご注意を
画像集#004のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
ファンタジーの定番,トロールも登場。このほか,映画には出てこないヘンチクリンな敵も多数登場するのも面白いところだ
画像集#005のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
映画でも語られていたシーサーペントとの戦いも体験できる。ゲーム冒頭に出てくるのだが,倒し方が分からなくて苦労したのは内緒である
画像集#006のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
宴に現れる怪物グレンデルとの戦い。映画で一番インパクトのあるシーンで,絶妙なカメラアングルについ笑ってしまったのだが,ゲームではしっかり“着ている”
画像集#007のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
映画ではアンジーが演じていたグレンデルの母親だが,ゲームではまったく別人。ナイスバディで薄着の下は裸。私なら簡単に誘惑されるはずだ

襲い来る敵を蹴散らす血みどろの戦いが繰り広げられる
剣戟アクション


これでもかといわんばかりに現れる敵どもをバッサバッサと倒していくのが剣戟アクションの醍醐味。日頃のうっぷんを晴らすがごとく,気持ち悪い敵どもを倒していくのは良いストレス解消だ。勝手に敵に「山田係長」などと名付けて斬り倒すのもいいだろう。あぁ,気持ちいい
画像集#008のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
 本作は三人称視点となっており,常にベオウルフの姿を見ながらゲームを進めていく。彼の移動はW/A/S/Dキー(デフォルト。以下同じ)で,視点移動をマウスで行い,左マウスボタンは弱攻撃,右マウスボタンがフィニッシュ攻撃,マウスホイールを押下で敵を掴んだり,壁の登り降りなどができる。ほかには,攻撃時にガードしながら敵を捕捉するロックオンにRキー,何かを操作したり,移動と併用しての“転がり”,そして敵の攻撃を避けるSpaceバー,ベオウルフの肉体的限界を一時的に押し上げるカーナルフューリーにはCaps Lock,さらに,従士に命令を下すには左Ctrlキーなど,コンシューマ機版も出ている割には,かなり多くのキーを使用する。

 攻撃は単発ではなく,弱攻撃からフィニッシュ攻撃の組み合わせによるコンボ(ヒロイックフィニッシュと呼ばれる)を使った戦い方がメインになる。コンボを繰り出すのにややこしい操作は必要なく,弱攻撃(1〜3回)+フィニッシュ攻撃でお手軽に発動可能。使用する武器によって出てくる技は異なるが,大技になると周辺にいる敵が血しぶきを上げて一気に吹き飛ぶという気持ちいい演出が見られる。
 またコンボを使うことでベオウルフのライフを示すヒロイックゲージ(水色のバー)が回復するため,自然にコンボを中心に戦っていくスタイルになるだろう。ちなみにベオウルフと一緒に戦いに参加している従士(つまり部下)は,ベオウルフの攻撃を受けてもダメージを食らわない。派手に暴れまくっても大丈夫だ。

 武器は素手攻撃のほかに片手武器,両手武器,そして盾が登場する。武器には剣,斧,大斧,槍などがあり,片手武器の場合は盾も同時に持てるので,敵の攻撃を流したり,カウンター攻撃を狙いやすくなる。両手武器では盾を持てないが,一撃で大ダメージを与えられるのだ。通常の武器以外に耐久度や与えるダメージの大きい「伝説の武器」がある。これらは隠しエリアの発見やボスを倒すことで入手可能だ。

 耐久度という言葉が出てきたが,盾を持った敵や鎧を着た敵に真っ向勝負で斬りつけても,攻撃はたいていガードされ,こちらの武器の耐久度が下がってしまう。耐久度が下がると最終的には壊れてしまうのだが,こうなると素手での戦いを強いられる。
 戦闘中,ベオウルフもしきりに(英語で)「武器をくれ!」と叫ぶが,敵の攻撃を華麗にかわして怒りの鉄拳を敵に食らわすのも勇者らしくてカッコいい。とはいえ,素手のままでは苦戦を強いられるのは必至。幸い,要所に武器が置かれており,新たに武器を調達したり,違う武器に持ち替えたりは簡単だ。それでもなかなか武器が入手できないときは,敵に掴みかかり,そいつが使っている得物をサクッと奪い取ってもかまわない。

 敵が近くにいるときのベオウルフの行動は,画面に現れる矢印ボタンでコントロールする。それぞれのボタンには,殴る,投げる,叩きつける,武器を盗むという行動がアサインされており,使用可能なものが黄色く光るので,それに合わせてタイミングよく方向キーを入力しなければならない。掴み攻撃に始まる一連の行動はボス戦の仕上げでよく使用するのだが,連続で光るボタンの方向と同じ矢印キーを正確に入力できないと次の攻撃に移れず,再び掴むところから始めることになる。ちょっとしたミニゲーム仕立てという風情だ。連打する必要がある場合もあり,気がつくと必死になって矢印キーを連打している自分がいて,ちょっぴり照れくさかったりして。

 ベオウルフにはヒロイックゲージのほか,カーナルゲージ(オレンジ色に光っている)があり,このゲージはダメージを受けたり,カーナルフューリーキーを押し続けることで溜まっていく。そしてゲージがいっぱいになったときに発動できるのが,上にも書いたがカーナルフューリーである。これは,一定時間のみ肉体的制限が解放され,つまるところ“無敵”になる。こうなると,普段以上に野蛮で暴力的なベオウルフに変貌するのだ。

 無敵ベオウルフは,攻撃力が上がって強さが一段と高まる半面,部下の従士へも攻撃が当たってしまうため,暴れているうちに従士も死んじゃった,なんてことも起きる。再びカーナルフューリーキーを押せば解除されるが,解除後(自動で終わった場合を含めて),一時的にダメージを受けやすくなるカーナルスタン効果があるので注意が必要だ。使いどころの難しいカーナルフューリーだが,「ここぞ!」というときには古代の蛮性を思い切り発揮してほしい。

画像集#009のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
まずガードしてから攻撃するのが戦いの基本。盾を持った敵は真正面から攻撃してもラチが開かないので,ガードによって体勢を入れ替えて攻撃する
画像集#010のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
武器の耐久度が落ちてくると画面右上に赤い注意マークが現れる。敵から武器を奪ってもいいし,新しい武器が見つかるまで素手で戦ってもオッケー
画像集#011のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
武器や盾はステージ内で入手できるので壊れたり使いにくかったりしたら迷わず拾おう。武器を持つには連打が必要なので,周りに敵がいないときがチャンス
画像集#012のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
掴み攻撃はコマンド入力となり素早く目的の方向に入力する。敵の武器を頂戴するときは敵との奪い合いになるので,負けないようにひたすら連打だ
画像集#013のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
巨大なトロールは簡単には倒せない。避けてからカウンター攻撃を叩き込むと良い。カーナルフューリーで殴りまくってもいいだろう
画像集#014のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
カーナルフューリー発動中はベオウルフがオレンジ色に輝く。驚異的な強さゆえに従士にも攻撃が当たり,敵と共に召されることも。すまん!

従士の士気をいかに高めて戦うかが重要なポイント


いくら強いとはいえベオウルフ一人だけで戦い抜くのは無理な話。共に戦う従士達がいてこそ,ベオウルフの強さも発揮されるのだ。命令インターフェースを出して従士をこき使おう
画像集#015のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
 ゲームのストーリーはACT1からACT3に分かれており,プロローグからエピローグまで計17エピソードで構成されている。各エピソードごとに「敵を一掃する」「村の住民を守る」「ボスキャラを倒す」「十字架を守る」といった目標が設定されており,それを達成することで次のエピソードへと進んでいける。

 拠点となるのがベオウルフの居城であるヘオロット城で,ここは従士の強化(アップグレード)が可能な「ウィグラーフの戦術卓」,ベオウルフ自身を強化できる「ウンフェルスとカインのコーナー」,ベオウルフの伝承を見たり,女王ウィールソウに会える「寝室」,ウルフガルが次の運命(進むべき道)を案内してくれる「バルコニー」が用意されているという,何かと便利な城である。

 各エピソードの戦いぶりによって,アワードとしてベオウルフと従士それぞれが「マーク」を獲得できる。ウィグラーフの戦術卓とウンフェルスとカインのコーナーでは,それらのマークを消費してベオウルフと従士達を強化するのだ。ベオウルフは「カーナルフューリー持続時間の増加」「攻撃ダメージの増加」といった方向の強化が可能で,従士は「ヒロイックブースター(後述)の範囲を広げる」「防御力を増加させる」など,最大で5レベルまで強化できる。最初のレベルはマーク一つで強化可能だが,次レベルへは二つ,その次は四つと倍で増えていくため,どの項目を強化すべきかが悩みどころだ。

 この強化という要素は,ゲームを進めていくうえで楽しみになると思うのだが,本格的にゲームのストーリーが動き出すACT1のエピソード4でヘオロット城を出発して以来,いつ城に帰って強化できるのだろうと思いつつエピソードがどんどん進み,次にヘオロット城へ戻ったのはACT2のエピソード9終了後ときた。たしかに強化にはマークがかなり必要になるし,城に戻れない長旅ムードを演出しているのかもしれないが,もうちょっと頻繁に強化でき,激闘を繰り返して強くなっていった感じを出したほうが良かったんじゃないかと思う。

 さて,これまで従士という言葉を頻繁に書いたが,今さらながら従士とはベオウルフに仕える戦士達のことで,ゲームを共に戦っていく心強い仲間である。従士達は放っておいても敵を発見して戦ってくれるが,ときに従士に命令を下す必要に迫られることもある。これは従士命令インタフェース(左Ctrlキー)で行うのだが,従士の士気を高めるヒロイックブースター,ベオウルフのかけ声で扉のスイッチなどを操作するコンボブースト,従士を三人ずつのグループにしたり,それを解除するという四つの命令が用意されている。

 筆者的に最も意表を突かれたのがコンボブーストだ。数人がかりで操作する扉の回転スイッチなどは従士達に命令を出すことで操作してくれるのだが,連中,モタモタしていてなかなか完了しない。その間にもどんどん敵が湧いてくる。そこで,コンボブーストを使って気合いを入れてやるわけだ。オラオラ,もたもたしてんじゃない! そこの赤ら顔,もっと力入れて! という感じでしょうか。

 コンボブーストは画面上に円形のゲージが表示され,そこに沿って移動するマークが中央に来たときにタイミングよくボタンを押して発動するというリズムゲームのノリだ。マークは短い(前進キー:W),長い(後退キー:S)の2種類あり,これを押し分けることによって従者の行動が素早くなるというあんばい。「ジャン,ジャン,ジャーン」という感じで押すのだが,それに併せてベオウルフが腕を振り上げて威勢の良いかけ声を放ったり,コンボに失敗して従士達が転けてしまったりなど小粋な演出もあり,思わず笑ってしまった。

 ベオウルフにとって従士は一心同体的な存在で,何人の従士が行動を共にしているかは,ヒロイックゲージの上にある水色の丸の数で分かる。従士の人数はヒロイックゲージと連動しており,従士が倒されて人数が減るとヒロイックゲージも減ってしまうのだ。また,従士の士気にも関連しているため,ベオウルフがダメージを受けてヘロヘロになっていると従士達も「ダメだ……」と弱まってしまう,可愛いヤツラである。もちろん,ベオウルフが敵の攻撃を華麗にかわして攻撃を繰り出したり,従士が敵に囲まれてたこ殴りにされているのを助けたりすると,「俺達も頑張るよ!」と士気がググっと高まるのだ。

 この士気の高まりはベオウルフと従士の体から放たれる青いオーラとして表示されるが,前述の命令インタフェースにあるヒロイックブースターを使うと,従士の士気は最高潮に達して素晴らしい働きをする。実際にプレイしてみるとよく分かるが,士気を気にせずプレイしていると,ザコ敵相手でも従士が全滅してゲームオーバーになってしまうことがあるが,士気を高く保つような戦い方を意識していると意外なほど楽に進んでいける。従士の士気という要素によって,ベオウルフの偉大さが演出されており,プレイヤーが自然に勇者っぽい戦いをするような仕掛けになっているのだ。

画像集#016のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
従士を操作するとき画面にサークルが現れる。サークルを移動するマークが中央に来たときにキーを入力して命令を下すわけで,ミスをすると時間のロスとなる
画像集#017のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
敵の攻撃をかわしてカウンター攻撃などを繰り出すと従士達の士気が上がる(青いオーラが出る)。士気は従士達の強さに直結する重要な要素
画像集#018のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
ヒロイックブースターを使って,ベオウルフの叫び声と共に最高潮まで士気が高まった従士達。持続時間があるため敵がいるところで使わないと意味なし
画像集#019のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
出現条件が分からなくて申し訳ないのだが,ときどき地面から眩しい光が昇ることがある。この光に触れると死んだ従士が蘇る。消える前に必ず触れたい
画像集#020のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
十字架を守るエピソードでは,自分は十字架の守備に専念して戦いは従士達に任せたが,難度が非常に高くて半泣きでプレイした。何か良い方法はあるのだろうか
画像集#021のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
ヘオロット城にてプレイ中に獲得したマークを消費してベオウルフと従士の強化ができるが,あれもこれもと強化できないため,どれを強化するか悩んでしまう

お手軽な剣戟アクションを楽しみたいならこれだ


映画には登場しない敵も多く登場する。これはボスキャラ Wolf。ボスクラスはライフ値も多く,何回かに分けて攻撃する必要がある。ダメージを与えて弱らせて,背中に飛び乗って殴りまくって倒す。それにしても気持ちが悪いなあこいつ
画像集#022のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
 というわけで,ここらでまとめに入らせていただこう。まず,冒頭でも書いたようにライセンス作品ということで,どのくらい映画とシンクロしているのかが気になるところだろう。ぶっちゃけ,「あのセリフはそういう意味だったのか」「こんなことがあったのか」という驚きはあまりない。ゲーム独自の部分が映画の雰囲気とかけ離れ過ぎている印象で,別のストーリーが進行している感じが強いのだ。せっかくのタイアップなのだから,もう少し映画との絡みを多く持たせても良かったかもしれないが,といって,まったく映画を知らないと,なんのこっちゃ? と思うであろうシーンも出てきて,このへん中途半端な印象を受ける。

 剣戟アクションという視点から見れば,たくさんの敵を相手にコンボで蹴散らしていく爽快感は素晴らしく,ストレス解消に役立ちそうだ。しかし,基本的に敵の攻撃を交わしてカウンターを繰り出すだけで勝てたり,コンボによってベオウルフのダメージが回復されるというシステムのせいか,ベオウルフ自身が死ぬということは数えるほどしかなかった。トロールに連れ去られる住民を守りきれなかったり,従士が全滅しちゃったりという理由でのゲームオーバーを何度も味わったのだが,ベオウルフが死んだというのは,せいぜいボス戦くらい。難度調整がもうちょっと足りないという感じがあり,やるかやられるかといった緊張感が薄く,ゲーム全編で単調な戦いになりがちだ。まあ,無敵の勇者なのだから,このくらい強くてもいいのかもしれないが。

 海外サイトなどでは非常に辛口の評価を目にする。同意できる部分もないわけではないが,個人的には「そこまで言うかな」である。はっきり言って,筆者は驚くほど楽しんでベオウルフをプレイしてしまったのである。個人的に面白かったのは,やはり従士の存在を常に感じさせてくれるゲームシステムだ。従士が全員倒されるとゲームオーバーになるせいもあるのだが,自分が戦闘中でも従士の誰かが危険な状態になっていれば戦いを止めて助けに向かったり,手遅れで死んでしまうと戦力低下にガッカリしたりするといったところに,類作にはない新しさを感じたのである。
 従士達のがんばりで戦いを有利に進められるというシーンも多く,ベオウルフ一人だけの活躍ではなく,一緒に行動する仲間達の存在が生かされている。ヒーローの獅子奮迅の活躍によって味方の意気が上がり,戦況が有利になるというのはいろんな映画で見られるシーンだが,すごく格好よくて好きだ。その雰囲気をゲームで味わえるわけである。わんさか向かってくる敵を前に,ベオウルフのかけ声と共に味方の士気を一気に上げる青いオーラが放たれた瞬間,さすがに腕は振り上げなかったものの筆者のテンションも上がってしまった次第だ(単純?)。

 映画が面白かったという人はプレイして損はないと思う。いくつかクリアの難しいエピソードはあるものの難度はそれほど高くなく,比較的手軽に挑戦できる剣戟アクションに仕上がっている。古代の英雄ベオウルフとなって,血まみれで破天荒な冒険を繰り広げよう。

画像集#023のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
素手では武器よりも与えるダメージは少ないが,コンボを使えば楽勝。素手コンボのフィニッシュである踏みつけが痛そうで個人的に大好き
画像集#024のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
地上を走り回るだけでなく,ときに壁に登ってみることも必要だ。登れる場所は限られているが隠し武器があったりするので侮れない
画像集#025のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
ゲーム画面はボカしとモーションブラーを使ってスピード感と迫力を演出している。静止画にするとブレちゃうので,この画像以外はブラー設定を切ってある
画像集#026のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
コンボ(ヒロイックフィニッシュ)は簡単に出せるが,装備ごとにコンボが異なる。ポーズメニューから一覧を出してコンボを確認しておこう
画像集#027のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
一定の条件を満たすとトロフィー(メダル)がもらえる。種類が多いうえに獲得条件が不明なので苦労するが,コレクター魂をくすぐる要素になるかも
画像集#028のサムネイル/古代の英雄になって大暴れする,「ベオウルフ 呪われし勇者」のレビューを掲載
エピソードをクリアしていくと,特典としてゲーム制作時に使われたコンセプトイラスト,ラフデザインなどが見られる。ま,ちょっとしたオマケである

ベオウルフ 呪われし勇者【日本語マニュアル付き英語版】

- 44
読者の評価 海外の評価
ジャンル
  • アクション
  • シングルプレイ
  • アドベンチャー
発売元 サイバーフロント
発売日 2007/12/21
価格 6300円(税込)

  • Amazonで買う
  • Yahoo!で買う
  • 読者レビューを書く
  • 関連タイトル:

    ベオウルフ 呪われし勇者【日本語マニュアル付き英語版】

  • この記事のURL:
AD(最終更新日:2022/12/18)
ベオウルフ【日本語マニュアル付き英語版】
Software
発売日:2007/12/21
価格:¥1,000円(Amazon) / 1162円(Yahoo)
amazonで買う
Yahoo!で買う
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:11月03日〜11月04日