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[COMPUTEX 2006#17]ハイエンドグラフィックスカード市場に参入するOEMの雄「Foxconn」はゲームイベントのスポンサーにも
この状況を打破するため……かどうかは分からないが,2005年の春に,同社は「Foxconn」(フォクスコン)ブランドで,リテール/チャネルと呼ばれる小売り市場に参入。北米を中心に,マザーボードで一定の成果を上げているようである(国内では参入こそしたものの,残念ながらまだ成功していないが)。
あれから1年。Hon Hai Precision Industryは,グラフィックスカード市場にも,Foxconnブランドで参入するという,新たな戦略を発表した。
■Foxconnはハイエンドグラフィックスカードに注力
さて,Hon Hai Precision Industry(以下Foxconn)が参入するのは,当面,ハイエンド製品が中心となる。これについてFoxconnのVGAグローバルプロダクトマネージャー(VGA Global Product Manager, Channel Service Devision, Personal Compiter & Enterprise Product Business Group)であるSteven Chen(スティーブン・チェン)氏は次のように語る。
台北101ビル内のプライベートブースに展示されていたのは3モデル。チップクーラーも含めて確かにリファレンス仕様だ。いずれもワールドワイドでは8月中旬から店頭に列ぶ予定で,時期は若干前後するものの,日本でのリリースも決定したという。
筆者は意地悪にも「日本のPCユーザーはまだほとんどFoxconnの名前を知らないと思う。Foxconnに何らかのブランドイメージを持っているのは業界関係者だけだと思うが……」と意見してみた。「そう。我々もそれは理解している。だから,うまく報道してくれ(笑)」(Chen氏)。
そんな冗談に続けて同氏は「日本市場はハイエンドグラフィックスカードが売れる特異なマーケット。進出し甲斐がある。ブランドイメージを確立させるための努力は惜しまない」とコメント。日本市場進出に掛ける意気込みは相当なもののようだ。
価格は以下に示したが,「いずれも,発売1か月後には100ドル程度低くなることを覚悟している」(Chen氏)とのことである。
■ハイクオリティさが感じられる(?)これまでにない化粧箱
さらにブースでは,GeForce 7950 GX2カードの化粧箱プロトタイプが展示されていた。現時点におけるデザインは2種類あるが,それについてChen氏いわく「“Foxconnブランド”の製品ということを,一目見て分かってもらうために,特徴的なデザインにしたんだ。シンプルな感じで,見るからにハイクオリティさが感じられるだろう?」
……ハイクオリティさが感じられるかは,今の時点では何とも言えないが,確かに店頭に並んだとき,目を引くデザインではある。
ハイエンドグラフィックスカードの化粧箱は,モンスターや宇宙人,中世風の鎧を着た戦士,サイバーコスチュームに身を包む美女といったものが多かった。それだけにこの無機質な,幾何学的デザインが継続的に投入されれば,確かに,消費者に「Foxconnブランドである」ということを認識させること自体は,比較的時間も掛からずできそうだ。(トライゼット 西川善司)
■ゲームイベント「KODE5」サポートでゲーマーとしても注目の存在に?
KODE5は2006年に発足した大会で,世界各地の予選を勝ち抜いた優勝チーム/プレイヤーが,「Global Finals」と呼ばれる大会に進出するというルールのもの。台湾ファイナルはまさにそのGlobal Finals進出をかけた台湾予選決勝という位置づけになる。
KODE5では「Counter Strike 1.6」の5対5チーム戦,「Warcraft: The Frozen Throne」「Quake 4」が採用されているが,「Quake 4はプレイヤーが少ないから(笑),台湾ではやらない」とは,FoxconnブースにいたKODE5実行委員会のLester Lau(レスター・ラウ)氏。Counter Strike 1.6には19チーム,Warcraft: The Frozen Throneには31人のプレイヤーが集まったという。
現在のところ,KODE5の予選が日本で開催される予定はないが,Foxconn製品が国内で浸透すれば,その可能性は(少しかもしれないが)上がってくるはず。その意味でも,Foxconnのリテールグラフィックスカード戦略には,ゲーマーとして注目していきたい。(佐々山薫郁)
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