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[COMPUTEX]ASUSプレスカンファレンス詳報。モバイル向け市場への注力が感じられる超薄型ノートPCや「Padfone」などが登場
超薄型のSandy BridgeノートPCに
199ドルのEee PCなどを披露
Shih会長は,まず1つめの革新的な製品として,最薄部3mm,最厚部でも17mmかつ,重量1.1kgの軽さを実現した超薄型ノートPC「UX Series」を公開した。
同製品は,CPUにSandy Bridgeこと第2世代Core iプロセッサを採用し,Serial ATA 6Gbps接続のSSDを搭載するとともに,USB 3.0もサポート。USBポートは,電源がOFFの状態でも周辺機器などへの充電ができる「USB Charger+」機能を備えている。
Intelが提唱するUltrabookのコンセプトをいち早く取り入れ,最薄部3mm,最厚部17mmの筐体が特徴だ |
CPUにCore i7を選ぶことができるほか,Serial ATA 6Gbps接続のSSD搭載モデルも用意されている |
さらに,スリープ状態から高速で復帰するインスタントオン機能を採用しており,「スリープモードから2秒以内で復帰でき,ハイバネーション状態であれば1週間の待機が可能になる」(Shih氏)とのことだ。
筐体にアルミのユニボディデザインを採用し,液晶裏の天板には波紋状のヘアライン処理が施されるなど,軽量さとデザインの融合を図っているのも特徴といえるだろう。「MacBook Air」によく似たシルエットは物議を醸しそうだが,魅力的なWindows 7搭載ノートPCなのは確かである。
スリープ状態からの復帰がわずか2秒以内というインスタントオン機能を採用する |
「iPhone 4」と厚さを比較している様子 |
続いて紹介されたのは,Bang & Olufsen(以下B&O)のチーフデザイナーを務めるDavid Lowis氏と再度協力し,ASUS独自の高品質サウンド機能「SonicMaster」をメインストリームノートPCにもたらしたという「N Series」。
同製品には15インチモデルと17インチモデルが用意され,いずれもSonicMasterサブウーファが付属。また,UX Seriesと同様に,スリープから2秒以内で復帰できるインスタントオン機能も搭載しているうえ,こちらの製品ではハイバーネーション状態で最大15日間の待機が可能という。
Bang & Olufsenとの共同開発により,豊かな音響再現性を実現しているという |
SonicMasterサブウーファが付属する |
同製品は10点までのマルチタッチに対応したモデルが用意されるそうで,会場では液晶パネルを楽器のキーボードとして使うデモなどが披露された。
Eee PC X101は,CPUに未発表の「Atom N465」を採用し,OSには「Mee Go」がプリインストールされるが,Shih氏は「もっと重要なことがある」と述べ,「とうとう199ドルを実現できた」と続ける。
2007年にASUSが初代Eee PCを発表したとき,199ドルのノートPCとして話題を集めながらも,実際の市場投入時は399ドルであったことから,発表内容と異なると物議を醸したのを憶えているだろうか。
その意味では,OSにMee Goを採用した最小構成モデルとはいえ,「199ドルの実現」は,Netbook市場の拡大を強力に後押しすることとなるといえるだろう。
なおASUSは,Eee PC X101をベースに,ストレージにHDDを採用し,Windows 7をプリインストールしたモデルなども用意する計画だ。
本体重量950g,最厚部で17.6mmの筐体を採用している |
Eee PC発表当時からの目標だった199ドル〜を実現 |
このほかにShih氏は,2011 International CESで発表した7インチのスレート型タブレット「Eee Pad MeMo」に,裸眼3D立体視対応の新モデル「Eee Pad MeMo 3D」を追加することや,CeBIT 2011で発表した,ナチュラルユーザーインタフェースを採用する「WAVI Xtion」(ワビ・エクション)も披露している。
WAVI Xtionは,1080p出力に対応した2つのワイヤレス映像出力ユニットと,3次元カメラユニットを備えたナチュラルインタフェースユニットとで構成され,大型テレビなどにPCゲームタイトルを映し出せば,“Kinectライク”に,全身を使ってゲームをプレイできるというもの。説明会では,このWAVI Xtionを使用してElectronic Artsの「Need For Speed Hot Pursuit」をプレイして見せた。
なお,ASUSのWAVI Xtion担当者によれば,現時点でタイトル名を明かせないが,年末に向け同社のXtion対応タイトルはさらに増えていくとのことなので,今後の動向に注視しておきたい。
目玉は「Padfone」
ひとことで説明しづらい特殊な製品
Padfone |
Padfoneならば,スマートフォンとタブレットの双方に求める使い方が1つで実現できる |
Padfoneを一言で説明するのは非常に難しいのだが,あえて試みれば,「Androidベースのスマートフォンと,それをタブレットとして利用できるようにするドッキング型の液晶パネル付きベースユニットとを組み合わせたもの」である。
スマートフォンとして使っていたときと,“タブレット型のベースユニット”にドッキングしたときとで画面表示とユーザーインタフェースが異なるのを吸収すべく,それぞれのディスプレイ解像度に最適な動作モードを自動的に切り替える「Dynamic Display Switch」を備えるのが,Padfoneにおける大きな特徴と述べていいだろう。
ようするに,スマートフォン側とタブレット型ベースユニット側との双方にストレージを搭載すると,データの共有処理を行う必要が生じ,使い勝手が悪くなるため,ストレージはスマートフォン側のみに搭載するということだ。
会場でPadfoneを担当するプロダクトマネージャーに質問してみたが,CPU及び,その他ハードウェアの仕様は未公開とのこと。
ただ,今回の説明会で公開された試作機を見る限り,スマートフォン本体とタブレット型ベースユニットとがMini USBおよびMini HDMIで接続されているようだったので,つまり,タブレット型ベースユニットは,タッチパネルインタフェースを備えた,バッテリー付きディスプレイと見るべきだろう。
スマートフォンと接続した場合,ディスプレイ情報に合わせ,画面表示モードやユーザーインタフェースを切り替えていると見るのが自然であろう。
ちなみにASUSは,このPadfoneをクリスマス商戦までには市場投入する計画を持っている。超薄型ノートPCたるUX Seriesや,199ドルのEee PCといった,尖ったラインナップで,モバイル市場における主導権を握ろうという考えだ。
ASUSTeK Computerの公式サイト:http://www.asus.co.jp/
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