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[AOGC 2006]中国産エンジンによる驚愕のMMORPG「完美世界」
中国編で書きかけていた原稿をペーストしておこう。
「まったくの余談になるが,ウィ氏が『中国でも3Dゲームが登場してきた』の例として挙げていたのが『完美世界』というタイトルなのだが,調べていると『お?』と言いたくなるようなスクリーンショットが見つかるのだ。例えば,大きな鳥の上に“虎に乗った人”が乗ってる。やけに打上花火が充実している。“お姫様だっこ”はデフォらしい。解説を眺める限りは武侠世界らしいのだが,全然それっぽくない。もしかして……結構面白そうかも?」
開発したGolden Humanは,中国のエデュテイメントソフト最大手で知られる会社だという。畑違いではあるのだが,その会社が3年の歳月をかけて開発したのが,3Dエンジン「Angelica」であり,そのエンジンを使って初めて作られたMMOタイトルが,このゲーム「完美世界」というわけだ。ちなみに,会社が教育ソフト会社なだけに,ゲームを作るのは多少問題があるということで,World2という別ブランドを作って運営に当たっているという。
同社Vice ChaimanのTony Wang氏は,中国に輸入されるオンラインゲーム,とくに韓国製ゲームなどを見て,「メンタリティの部分で中国人には合わない部分があるので,海外産のゲームが中国で成功するのは難しいだろう」と感じたそうだ。それが国産ゲーム開発の起点となったようだ。
数々のフィーチャを一覧してみよう。まず,広大なマップはシームレスでローディングなしに移動可能。プレイヤー自身が街を作れる。自分の家の中に好きな家具を並べられるゲームは存在したが,それをちょっと(?)スケールアップした感じか。キャラクターエディットのパラメータ数(身体を含めて)は103個に及び,同じ顔をしたキャラはほぼいない。
フィーチャの中でとくに目を引くのは「Hug」だろう。公式サイトでも,女の子を抱き抱えたスクリーンショットがやけに多い(別に男同士でも可能だそうだが)。Hugコマンドが用意されているゲームはほかにもあるかもしれないが,“お姫様だっこ”はちょっと見たことがない。さらにこのまま馬に乗ったり,空を飛んだりもできる。
騎乗での二人乗りも特徴の一つで,そのまま戦闘も可能とか,さらにほかのものに乗るとか,やたらと自由度が高い。
冒頭で充実していると書いた花火は,有料アイテムで,注文時に好きな文章を指定できる。
空を飛ぶことにゲームが対応しているのも注目だろう。
中国武侠系では剣に乗るなどの事象は一般的らしく(日本ではガマニアデジタルエンターテインメントの「飛天online」でお披露目か),多くのゲームで取り入れられている。完美世界では,武器に乗れるほか,翼を持った種族も用意されている。ムービー(まもなくUp予定)では,空中から地上の敵を遠隔攻撃しているシーンもあるので確認してほしい(周りでは「ずるい〜」「普通のMMOならBanモノですね」といった声も上がっているが)。
さらに,エディットしたキャラクターパラメータは別途セーブしてネット上で公開したりもできる。すでに有名人などを模したキャラクターデータが多数,プレイヤーの手で公開されているという。
体型もかなり自由にエディットできるのだが,各種の服装をこれまた自由に着こなすことができる。これも地味に凄い点だ。
そのほか,中国のラジオ局と提携しており,ゲーム内でラジオ放送などを流すことができる。今後は,ゲーム内でDJに曲をリクエストしたりといったインタラクティブな用途も考えているという。
中国内でのMMOゲームの商品寿命は18〜24か月だという。最低18か月の商品寿命を伸ばすには,十分なプロモーションが欠かせない。自社製ゲームの場合は,ゲーム内でのプロモーションも行いやすいと,自社開発のメリットを語っている。
武侠の世界をベースとしながらも,普通のファンタジー系RPGっぽさも感じられる世界観は,中国人の好みにあったものなのだろう。音楽は純中国系だ。
完美世界は,既存の海外産MMORPGに不満を持って作成しただけあって,随所にオリジナリティのうかがえるゲームに仕上がっている。ぜひ,日本でもプレイしてみたいタイトルなのだが……。
なお,本作のプロモーションムービーを「こちら」にアップしておいたので,ぜひ見てみてほしい。グラフィックスレベル,システムもさることながら,音楽や戦闘シーン,キャラメイクなど見どころてんこ盛りだ。(aueki)
- 関連タイトル:
パーフェクトワールド
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