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「ATI Japan Technology Day」開催,AvivoやHavok FXを解説
Avivoを中心としたセミナーということで,今年3月のForceWare 83.70の発表時(PureVideo HD発表)の,NVIDIAによる大人げないプレゼンテーションに対するATI側の逆襲かと期待(?)したのだが,とくに新しい発表もなく,淡々と一般的なAvivoの状況が語られた。
そのPureVideo HDの目玉であったH.264のハードウェアアクセラレーションだが,Catalystでは昨年末に発表された5.13以降がH.264の再生に対応していたようだ。NVIDIAの発表を見ても,「Radeon X1000シリーズでは,最上位機種(Enthusiasts)しかH.264のフルHD解像度でフルフレーム再生できないけど,NVIDIAならその下(High-End)でも再生できるぞ」といった消極的なものにすぎなかった。ATIでは,2月にはエンコーダも公開していたので,H.264への対応ではNVIDIAが後手に回っている印象である。
ことAvivoに関しては,ATIはかなり余裕を持って構えているようだ。Q&Aセッションでは,H.264を,フルHD/フルハイビジョンと呼ばれる1920×1080ドット解像度でフルフレーム再生するには,Redeon X1900シリーズでないと難しいと認めていたが,まあ,状況はPureVideo HDでもそう大きく違うわけではない。
Radeon X1000シリーズが内蔵する,HDR(ハイダイナミックレンジレンダリング)に対応したピクセルシェーダユニットというのは,巨大な実数演算DSP以外のなにものでもない。GeForce 6/7よりもピクセルシェーダユニットを多く持つ,Radeon X1000シリーズが大規模演算を得意とするのは,ごく自然な話ではある。
そのパフォーマンスは,Radeon X1600 XTでPhysX PPUの2倍,Radeon X1900 XTXでは9倍以上という演算能力となる。Havoc FXは,CrossFireのようなグラフィックスカード2枚差し,3枚差しの構成で,そのうち1枚を物理演算用に使用するというものだった。
ただ「それだけ強力な演算能力なのであれば,1枚で物理演算も描画もできるのでは?」という疑問も出てくる。そこでMather氏に聞いてみたところ,「不可能ではない」という答えが得られた。確認すると,COMPUTEXで公開されたムービーには,ちゃんとグラフィックスカード1枚の場合のパフォーマンス比較も行われていた。Radeon X1900クラスであれば,1枚で描画も物理演算もこなせそうだ。
また,Havok FXは,NVIDIAのGeForceシリーズでもサポートされているわけだが,例えばNVIDIA SLIの構成にRadeonを物理演算カードとして加えるような構成は可能かと聞いてみたところ,Havok側の対応次第では不可能ではないが,2種類のディスプレイドライバを組み込んだ場合の動作がどうなるのか,そもそもちゃんと認識して動作するのかなどは不明とのこと。この2社の協調というのは,ほとんどなさそうな話だが,処理をするのはHavok側なので,Havok FXの仕様次第では可能性として,ないでもないという感じだ。このあたりは,Havok FXに対応したゲームが出なければ確認できないので,お楽しみは取っておくことにしよう。(aueki)
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