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  • 発表日:2006/01/24
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「ATI Japan Technology Day」開催,AvivoやHavok FXを解説
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印刷2006/06/13 22:51

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「ATI Japan Technology Day」開催,AvivoやHavok FXを解説

Alexis Mather氏(Manager, Technical Marketing, ATI)
 ATI Technologies(以下ATI)は,2006年6月13日,報道関係者を対象とした技術セミナー「ATI Japan Technology Day」をカナダ大使館で開催した。このセミナーでは,ATI本社からテクニカルマーケティングマネージャーのAlexis Mather(アレクシス・マザー)氏が来日し,Avivo Technology(以下Avivo)やHavok FXをはじめとしたATIの最新技術動向について解説した。

 Avivoを中心としたセミナーということで,今年3月のForceWare 83.70の発表時(PureVideo HD発表)の,NVIDIAによる大人げないプレゼンテーションに対するATI側の逆襲かと期待(?)したのだが,とくに新しい発表もなく,淡々と一般的なAvivoの状況が語られた。

DVD再生と比較して,H.264のデコードはこんなに大変ということを示す図
 ATIのAvivoもNVIDIAのPureVideoもドライバのアップデートとともに地味に改善されてきており,個々の改良点だけではニュースとして取り上げられることも少なくなっている。2006年3月3日に掲載したH.264のサポートはNVIDIAには大ニュースだったらしく,PureVideoからPureVideo HDと名称も変更している。
 そのPureVideo HDの目玉であったH.264のハードウェアアクセラレーションだが,Catalystでは昨年末に発表された5.13以降がH.264の再生に対応していたようだ。NVIDIAの発表を見ても,「Radeon X1000シリーズでは,最上位機種(Enthusiasts)しかH.264のフルHD解像度でフルフレーム再生できないけど,NVIDIAならその下(High-End)でも再生できるぞ」といった消極的なものにすぎなかった。ATIでは,2月にはエンコーダも公開していたので,H.264への対応ではNVIDIAが後手に回っている印象である。

件のNVIDIA発表会で使われたプレゼンテーション。VC-1デコードやイメージ先鋭化はATIでは対応予定にすら挙がってないことになっているが……
 PureVideo HDが今後のアップデートで対応するという,「ノイズ消去」「エッジ先鋭化」などについても,ATIの発表会ではとくに強調されることなく,「HQV(業界標準のビデオ画質ベンチマークテスト)でのノイズ消去や先鋭化のテスト項目でも優秀ですよ」といったスライドを軽く素通りしただけだが,多くのチェックポイントのあるHQVから,わざわざその2点を挙げていたのは偶然ではないような気がする。
 ことAvivoに関しては,ATIはかなり余裕を持って構えているようだ。Q&Aセッションでは,H.264を,フルHD/フルハイビジョンと呼ばれる1920×1080ドット解像度でフルフレーム再生するには,Redeon X1900シリーズでないと難しいと認めていたが,まあ,状況はPureVideo HDでもそう大きく違うわけではない。

上左:AvivoのGPUアクセラレートに対応したビデオフォーマット。VC-1の名前も見える
上右:HQVでのテスト項目から抜粋された2項目「ノイズ消去」と「先鋭化」。AvivoはHQVで高いスコアを挙げている
下左:業界標準といえる画質ベンチマークテストHQVによるテストの数々。HQVは130点満点のテストである
下右:AvivoはHQVで123点を挙げている。それに対してPureVideoは58点である


 後半のセッションでは,COMPUTEX TAIPEI 2006で発表されたHavok FXの説明が行われた。基本的な内容はCOMPUTEXでの解説とまったく同じである。
 Radeon X1000シリーズが内蔵する,HDR(ハイダイナミックレンジレンダリング)に対応したピクセルシェーダユニットというのは,巨大な実数演算DSP以外のなにものでもない。GeForce 6/7よりもピクセルシェーダユニットを多く持つ,Radeon X1000シリーズが大規模演算を得意とするのは,ごく自然な話ではある。

 そのパフォーマンスは,Radeon X1600 XTでPhysX PPUの2倍,Radeon X1900 XTXでは9倍以上という演算能力となる。Havoc FXは,CrossFireのようなグラフィックスカード2枚差し,3枚差しの構成で,そのうち1枚を物理演算用に使用するというものだった。
 ただ「それだけ強力な演算能力なのであれば,1枚で物理演算も描画もできるのでは?」という疑問も出てくる。そこでMather氏に聞いてみたところ,「不可能ではない」という答えが得られた。確認すると,COMPUTEXで公開されたムービーには,ちゃんとグラフィックスカード1枚の場合のパフォーマンス比較も行われていた。Radeon X1900クラスであれば,1枚で描画も物理演算もこなせそうだ。

 また,Havok FXは,NVIDIAのGeForceシリーズでもサポートされているわけだが,例えばNVIDIA SLIの構成にRadeonを物理演算カードとして加えるような構成は可能かと聞いてみたところ,Havok側の対応次第では不可能ではないが,2種類のディスプレイドライバを組み込んだ場合の動作がどうなるのか,そもそもちゃんと認識して動作するのかなどは不明とのこと。この2社の協調というのは,ほとんどなさそうな話だが,処理をするのはHavok側なので,Havok FXの仕様次第では可能性として,ないでもないという感じだ。このあたりは,Havok FXに対応したゲームが出なければ確認できないので,お楽しみは取っておくことにしよう。(aueki)

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