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“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報
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印刷2008/01/15 22:10

テストレポート

“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報

 2008年1月10日の記事で速報をお伝えした,“「Crysis」1.1パッチでパフォーマンスは上がるのか問題”の続報をお伝えしたい。先の速報では「激しく微妙」という途中経過をお伝えしたわけだが,その後“フレームレート向上条件”が見えてきたからだ。

 速報と一部重複するが,少し整理しておこう。1.1パッチでパフォーマンスが上がる,という話は,以下のような形で公になっていた。

  1. 1.1パッチのドキュメントに,マルチGPU環境に対する「アップデートフィックス」が適用されたとある
  2. 海外の1.1パッチ配布サイトが「NVIDIA SLI(以下,SLI)/CrossFireのサポートとパフォーマンスの向上」「DirectX 9&10環境における全体的な性能向上」があるとした
  3. 「ForceWare 169.28 Beta」のリリースノートに「1.1パッチと合わせて使用すると,SLIおよび3-way SLIパフォーマンスが向上」したとされた

ELSA GLADIAC 988 GT 512MB
Crysis推奨のGeForce 8800 GT搭載カード
メーカー&問い合わせ先:エルザジャパン 03-5765-7615
実勢価格:3万8000円前後
画像集#002のサムネイル/“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報
 では,どういった条件で,パフォーマンス(≒ゲームのフレームレート)は上がるのか。今回はに示したテスト環境で検証を行っている。スケジュールの都合で,GPUが速報時の「GeForce 8800 GTX」から「GeForce 8800 GT」になっているが,そのほかハードウェア構成は基本的に変わっていない。速報時と比べて,スコアに差は出るはずだが,「CrysisのためGeForce 8800 GTに乗り換えた」という人も多いと思われるので,むしろより参考になるかもしれない。
 設定は前回同様にすべて「高」とし,シングルカードとSLI構成時のGPUベンチマークのスコアを取得した。なお,Windows Vista環境では解像度1920×1200ドットの設定が選べなかったが,これはCrysisの推奨動作環境となるグラフィックスメモリ容量640MBをGeForce 8800 GTが満たしていないためではないかと推測される。

画像集#004のサムネイル/“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報

画像集#003のサムネイル/“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報
 ところで,グラフィックスドライバのバージョンがOSあたり二つずつ記載されているのに気づいただろうか。速報時には,Windows Vista環境でグラフィックスドライバを(NVIDIAが推奨する)ForceWare 169.28 Betaに統一し,ゲームのバージョン1.0と1.1を比較したが,今回は以下の組み合わせでテストしたいと考えている。簡単にまとめるなら,Crysisのバージョン1.0は2008年1月15日時点の公式最新版ForceWareと,そしてバージョン1.1はForceWare 169.28 Betaとセットだ。

●32bit版Windows Vista環境
  • Crysis 1.0+ForceWare 169.25 WHQL
  • Crysis 1.1+ForceWare 169.28 Beta

●Windows XP
  • Crysis 1.0+ForceWare 169.21 WHQL
  • Crysis 1.1+ForceWare 169.28 Beta


Vista環境では最大13%のスコア向上を確認

XP環境だと変化なし


 まずはWindows Vistaでの結果を見てみよう(グラフ1)。
 シングルカードでは,テストした三つの解像度すべてで,わずかだがスコアの向上を確認できた。ForceWare 169.28でドライバを統一した速報時は,むしろパッチの適用でスコアが落ちていたので,“ゲームバージョン1.0+とくにCrysis用とはされていない公式最新版グラフィックスドライバ”に対しては,1.1パッチとCrysis用ドライバの効果が見て取れる。

画像集#005のサムネイル/“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報

 続いてはSLI構成時のスコアだが,こちらでも1.1パッチ&Crysis用ドライバの効果を確認できよう。最も差が大きい1600×1200ドット時で実に13%ものスコア向上である。ドライバのバージョンを統一した速報時にもフレームレートは上がっていたことを踏まえるに,確かに1.1パッチでは,マルチGPU環境への最適化が進んでいるといえそうだ。

画像集#006のサムネイル/“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報

 そして,気になるWindows XP構成時のテスト結果がグラフ3,4だが,こちらはシングルカード/SLI構成のどちらでも,スコアにほとんど変化がない。上がるわけでも下がるわけでもなく,ほとんど誤差レベルに留まっている。

画像集#007のサムネイル/“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報
画像集#008のサムネイル/“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報

 以上の結果から言えるのは,「特定条件,具体的にはゲームバージョン1.0+公式最新版ForceWareの組み合わせと比較する限り,1.1パッチ+ForceWare 169.28 Betaの組み合わせにはパフォーマンスの向上が確認できる」ことだ。しかし同時に「『確認できる』のはWindows Vista環境のみ,しかも最大13%といっても実に4fpsなので,体感できるかはやはり微妙」であること,そして「シングルカード構成時で比較する限り,Windows XP環境のほうがWindows Vista環境よりもフレームレートが高い」ことも見て取れる。

画像集#009のサムネイル/“フレームレート向上条件”判明。Crysis 1.1パッチのパフォーマンス続報
 速報時にもお伝えしているとおり,海外のコミュニティサイトなどでも,ベンチマークスコアが上がった人と変化がなかった人が混在していたが,どうやらその原因は,CrysisとForceWareのバージョン,そしてOSの組み合わせ方にあったというわけだ。
 ちなみに,1月9日の記事にも登場してもらっているNVIDIAのJames Wang氏に確認したところ,このテスト結果が正しいことを認める旨の返信があった。さらに氏は「ForceWare 169.25 WHQLは,パッチを適用していない状態のCrysisに対して,SLIプロファイルの問題を修正するバージョンである」(The 168.25 WHQL driver has the correct SLI profile for the unpatched version of Crysis.)と述べていたことを付記しておきたい。


 筆者だけでなく,4Gamer編集部の数名がパッチのアップデートを試したところ,誰もCrytekの公式掲示板にあるような問題に遭遇しなかったので何ともいえないが,それでもCrytekが「1.1パッチには,アップデート時に問題の発生する可能性がある」としているのは事実。掲示板によれば,実際にトラブルと遭遇した人もいるようだ。そのため,パフォーマンス向上率がそう大きくはなく,しかもWindows Vista環境でないと効果がまず見込めないパッチを導入することに躊躇する人はいるだろう。しばらく様子を見るのも手である。
 しかし,速報時に触れたとおり,体感的にゲームプレイ時のさまざまな問題が解決した印象を受けるのも,また確か。Windows Vista環境なら平均フレームレートの向上が見込める点を,むしろ“オマケ”くらいに考えて,1.1パッチを導入してみるのがいいかもしれない。
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    クライシス 完全日本語版

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    GeForce Driver

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