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    [E3 2007#25]まさに新次元のグラフィックスを見せる「Crysis」がプレイアブル展示
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    印刷2007/07/13 22:08

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    [E3 2007#25]まさに新次元のグラフィックスを見せる「Crysis」がプレイアブル展示

     E3 Media and Business Summit 2007(以下,E3 Summit)は,サンタモニカ周辺のホテルを主なカンファレンス会場とし,サンタモニカ空港のBarker Hangarをエキスポ会場としている。エキスポは,各メーカーがそれぞれのブースを構えるというごく普通のスタイルだが,すべてのブースが数台の試遊台を並べただけの規格品であり,看板がなければどれがどこの会社かまったく分からないほど似通ったものだ。
     その一つ,北米ゲーム業界最大のデベロッパ/パブリッシャであるElectronic Artsのブースには,「Burnout Paradise」「Army of Two」といったコンシューマ機用タイトルを中心に,「The Orange Box」「SimCity Societies」などのPCタイトルも展示されていた。その中で,やはりひときわ筆者の目を引いたのが「Crysis」である。



     Crysisのプレイアブル展示に筆者が触れるのは,2006年5月のE3で初のシングルプレイデモ,同年8月のGames Confernce(GC)でマルチプレイデモ,そして2007年3月のGame Developers Conference(GDC)でシングルプレイデモが展示されており,今回で都合4回目になる。GCでは,解像度および各種グラフィックス設定が低めに押さえられ,「普通にキレイ」という雰囲気。GDCでは,画面こそ圧倒的だったもののラグが目立ち,最適化が間に合っていない雰囲気だった。だが,今回展示されたCrysisは,松田優作ならずとも「なんじゃこりゃあ!」と叫んでしまうくらいの完成度を見せていたのだ。
     諸般の情報,というかそのへんにいたEAの人々の話を総合すると,Crysisはほとんどオートパイロットモードに入っているようだ。すでにさまざまな日程は決定されており,「ゲームの開発」という最大の山を超えたCrysisは,静かにプレイヤーの手に届く日を待っているのである。そんな安心感のたまものか,エキスポの展示は,早い話ほとんど放置状態で,試遊台のかたわらにEAの担当者が一人ポツンと立って「遊びたければお好きにどうぞ」という雰囲気だった。



     グラフィックス設定は最高だが,Windows VistaのDirectX 10で動いていたゲームは,ラグもなく非常に快適。試しにPCのマシンスペックを聞き,「えーと,なんだったかなあ」と頭をかきながら答えてくれたところによると,CPUにCore 2 Duo(型番不明)でメモリは1ギガバイト(うろ覚え),グラフィックスカードはGeForce 8800の何かということだった。ちょっと怪しげで申し訳ないが,要するにかなりハイスペックなPCであることは間違いないものの,クアッドコアCPU2個とかGeforce 8800のSLIとか,とんでもないようなスペックを要求するわけではないということだ。
     ちなみに,Vistaの普及率を鑑みたEAの半公式見解として「DirectX 9でもそれほどグラフィックスが違うわけではない」としているので,実際に比べて見たわけじゃないが,Windows XPユーザーも安心だよ。



     言わずもがなではあるが,Crysisは一人称視点でプレイするミリタリーFPSだ。プレイヤーはアメリカ軍特殊部隊の隊員として,北朝鮮領の孤島に墜落した宇宙船を巡り,エイリアンおよび北朝鮮軍と三つ巴の戦いを演じるのである。シングルプレイモードとマルチプレイモードが用意されており,現在のところ,PC以外のプラットフォームはアナウンスされていない。

     さて,展示されていたのはシングルプレイモードで,海に面した小村を舞台にして敵の歩兵と渡り合うという設定だ。マップは非常に広い印象だが,ハンヴィーを乗り回してあちこち行っても,まったくローディングが発生しない(あるいは発生していても気にならない)のが驚きだ。これがはるか遠くまでを一瞬にして描画できる,野外描写に特化したグラフィックスエンジン,Cry Engine 2の実力なわけだ。
     また「Breakable Vegetation System」と呼ばれる機能もチェックできた。これは読んで字のごとく破壊可能な植物という意味だが,手持ちのアサルトライフルや車載の機関銃で木の幹を撃つと,次第に削れてやがて倒れるというものだ。これだけなら見たことがある人もいるだろうが(含筆者),どの木のどこを撃っても,弾の当たった場所から折れて倒れるのは,実際にやってみるとちょっと圧倒される。マップには数百本の木が生えているが,そのすべてが破壊可能なのだ。敵との乱戦になって銃弾が飛び交うと,木は倒れるわ人は倒れるわの大騒ぎになりそうだ。



     FPSとしては,見つけた敵を次々に撃ち倒して進んでいくランボースタイルのように思えた(デモ版をプレイしてみた限りでは,だが)。弾着や爆発,出血がかなり派手で,こちらの装備も非常に強力なため,敵のジープやボートは連射していればすぐに爆発する。こうした具合に破壊の爽快感はきわめて高い。グラフィックスは21世紀のものだが,ゲーム性はかつてのFPSに倣っているといえるだろう。
     まるで現実のような環境の中,バリバリと撃ちまくるのは快感だ。とはいえ,あくまでこれはデモをプレイしての印象であり,味方やエイリアンが登場する製品版ではまた違ったゲーム性を見せるのかもしれない。
     スニークの要素はほとんどないが,ナノスーツを使って透明になれば(そう,なれるのだ),敵の目を欺くことができる。ただし,エネルギーを大きく消費するため,長い時間透明でいることはできない。ナノスーツを使ったハイジャンプやダッシュもまた爽快感が高いが,ナノスーツはちょっと強すぎるような気もして,ゲームバランスがやや気になるところだ。

     E3 Summit以降,製品のリリースまでにはさまざまな情報が公開される予定になっている。直近では,最新のオフィシャルトレイラーが来週にも解禁されるとのこと。このページには,E3に合わせて発表された最新画像5点を掲載したので,発売を待っている人はぜひチェックしてほしい。(松本隆一)

    • 関連タイトル:

      クライシス 完全日本語版

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