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EA Experience,「Crysis」リードデザイナーへミニインタビュー&最新スクリーンショット掲載
そんなわけで,お伝えしたEA Experienceのプレゼンテーションで,ごく短時間ながらCsysisを制作しているCrytekのリードデザイナー,Jack Mamais(ジャック・ママイス)氏の話を聞くことができたので,ここに紹介しよう。さらには,今回のオープニングイベントで公開されたCrysisの最新画像19点も掲載したので,ぜひ穴の開くほど見つめていただきたい。これが動くのだからすごい話だと思う。
ちなみに,会場で公開されていたのはCrysisの最新ムービーとデモプレイ。ロケーションとしては,今までのデモプレイでよく出てきたジャングルをやっと抜け,小さな村落に出たところ。テーマは主人公達が着るハイテク装備「ナノスーツ」の説明だ。ナノスーツの説明ムービーはすでに公開されているが(関連記事),Strengthを増して敵兵を一発で殴り倒したり,ズームで遠くを見たり,建物の屋根へハイジャンプをしたりと,間近で見たナノスーツは予想以上に魅力的なフィーチャーだった。使っている機能によって,スーツの色が微妙に変わるというのも新発見だ
では,この香港EA Experienceのオープニングセレモニーで初公開された最新スクリーンショットと一緒に,ショートインタビューをお届けしよう。
4Gamer:
まず,何はさておき「発売日はいつごろになりそうなのか?」ということを聞きたいのですが。
Mamais氏:
決まっていません。
4Gamer:
そうじゃないかと思っていたんですけどね……。
Mamais氏:
ええもう,分かっていますよ。ちょっと見せちゃ,発売日を伸ばし,またちょっと見せちゃ,発売日を伸ばす,というようなことを繰り返してきたんですから。ともあれ,今のところ,遅くとも2007年の第2,もしくは第3四半期(つまり,夏か秋)には出せそうです。
4Gamer:
私,GC 2006でマルチプレイを遊んだんですが,あのまま売り出してもかまわないんじゃないかと思いました。いっそのこと,そうしませんか?
Mamais氏:
それはちょっと……。発売日は言えませんが「待った甲斐があった」と感じてもらえるよう努力しているところです。来年には,もっと細かいことがはっきりすると思います。
4Gamer:
ふーむ。現状はどんな感じなんでしょう。デザインなどは終了しているんですか?
Mamais氏:
ええ,グラフィックスに関してはほとんど終わっています。ただ,DirectX 10との関係がありますので,その調整に時間がかかりそうです。全体として,現在はQuality Controlの段階ですね。
4Gamer:
なるほど。ところで,Crysisはアメリカ軍と北朝鮮軍が協力してエイリアンと戦うという,なんというか,ちょっと信じられないようなストーリーになっていますが,考えたのはあなたですか?
Mamais氏:
そうです。まあ,最初は北朝鮮ではなくて中国だったんですけど,あれやこれやいじり回しているうちに,北朝鮮のほうがあり得なさそうで面白いだろうということになりました。
4Gamer:
確かに,あり得なさ加減はかなりのものです。ストーリーはどんな風に作っていくんですか?
Mamais氏:
Crysisの場合,それはもう泣ける話で。私の上司,つまりCrytekのCEOなんですが,ジャングルの写真を一枚持ってきて,私に「これで何かストーリーを考えろ」と言うわけです(笑)。仕方がないから,頭を絞って今のようになりました。ただね,Crysisはアクションゲームであり,グラフィックス以外ではリアリティを追求しているわけではありません。爽快なシューティングが楽しめれば,ある意味,ストーリーは添え物でかまわないと思います。だとすれば,人目を引くものであったほうがいいんじゃないでしょうか。
4Gamer:
エイリアンも出てきますから,別の世界の物語と考えたほうが良さそうですね。
Mamais氏:
ええ。アメリカ軍があんなすごいナノスーツを使っているわけではないし。
4Gamer:
ところで,E3ではジャングル,GCでは海辺の町。そして今日は海の見える小さな村,とだんだんロケーションが増えてきました。マップは全部でいくつあるんでしたっけ。
Mamais氏:
シングルプレイ用が20枚で,マルチプレイ用が4枚になります。これまでジャングルや小さな村,空母などが出てきましたが,さらに凍った土地や,エイリアンの宇宙船内部などが加わる予定です。宇宙船内部は無重力状態で,これまでになかったようなユニークな戦闘を楽しめるはずです。期待してください。
ほお。重力トリックというと最近では「Prey」が話題になりましたが,あんな感じなんでしょうか?
Mamais氏:
全然違いますよ。Preyは天上や壁を歩けるわけですが,こちらは無重力状態なので,フワフワ浮いているんです。雰囲気としては,ちょっと古いですが「Descent」(1994年)みたいな感じですか。あっちは宇宙船が無重力の環境で動き回るわけですけど。
4Gamer:
それは面白そうというか難しそうですね。デモ版は出す予定ですか?
Mamais氏:
あー,それは未定ですね。うちのボスとEAのボスが話し合って決めるでしょう。
4Gamer:
少し前,Crytekはコンシューマ機での開発に経験のある人材を募集されていたようですが,PC以外のプラットフォームも予定しているとか。
Mamais氏:
いや,それも決まっていません。Crysisに使っているCryENGINE 2.0はマルチプラットフォームも視野に入れて作られているので,移植そのものは難しくないんですが,それぞれのプラットフォームによって個性を持たせるというのがうちのスタンスなので,コンシューマ機用のCrysisが出たとしても,PC版とは違ったものになるはずです。
4Gamer:
では,CryENGINE 2.0をライセンスしたほかのゲームの予定などはいかがです?
Mamais氏:
私はよく知りません。いくつか話はあるようですが,すべてCrysisが発売された後の話になるでしょう。
4Gamer:
では最後に,私を含めてCrysisを楽しみにしている人に対してメッセージがありましたら。
Mamais氏:
最高のゲーム体験ができる最高のゲームを目指していますので,もうしばらくお待ちください。信じられないリアリティを持つ非常にユニークなタイトルになるはずです。ぜひ,謎めいたエイリアンの真の姿をご自分で確認してください。
4Gamer:
エイリアンの姿? すでにスクリーンショットがいくつも出ているじゃないですか。
Mamais氏:
いえいえ,実を言うと本当の姿はあれじゃないんですよ。楽しみにしていてください。
4Gamer:
知らなかったなあ。
ドイツのデベロッパ,Crytekに勤めるMamais氏だが,意外にもカリフォルニア出身。しばらくActivisionでコンシューマ機用の「MechWarrior」(邦題 メックウォーリア)シリーズのプロデューサーとして働いた後,フリーで仕事をしていたが,「Far Cry」(邦題 ファークライ)のリードデザイナーとしてCrytekに参加した経歴を持つ。
大のアニメファンで,いつかアニメのゲーム(どのアニメタイトルかは秘密)を作りたいという野望も持っている。アジア地域へ来るのはこの香港が初めてだが,筋金入りのアニメ好きとしては,本当は東京,秋葉原へ行きたかった,と語ってくれても困る感じ。
いずれにせよ,Mamais氏が大活躍してくれて,来年Crysisがちゃんと発売されるのを楽しみにしているしかない。続報が入手され次第,お伝えしていく予定だ。(松本隆一)
- 関連タイトル:
クライシス 完全日本語版
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