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内容を見ると,従来製品「3DMark05」と同じタイトルのテストが結構残っており,完全新作といえる部分はあまり多くない。とはいえ,従来からあったテストもバージョンアップされており,またしても非常に重いテストとなっている。
テストの概要
テストの概要を見ていこう。
「Game Test 1」は宇宙海賊が襲ってくるお馴染みの「Return to Proxycon」。シーン構成こそ以前のものとほとんど変わらないが,テクスチャ解像度が上がっていたり,光源が増えていたり,あちこちでノーマルマップ(法線マップ)が使用されていたりと,グレードアップされた内容となっている。3DMark05時代から“HDRっぽい”(HDR:High Dynamic Range)処理は加えられていて,今回はそれがさらに派手めになってはいるものの,とくにHDR用のテストとは謳われていない。
「Game Test 2」の「FireFly Forest」はダイナミックライティングとシャドウイングなどを見るテストだが,今回は蛍が2匹になっている。つまり,影の処理量が2倍となり,これだけの植生が密集していると,かなり描画負荷が増える。影の付け方は以前のものとは異なるテクニックになっているという。
非常に広大なシーンで滑らかな影を表現するため,CSM(Cascaded Shadow Mapping)というテクニックが使われているのも特徴だ。3DMark05版のCanyon Flightでは,解像度の粗い影が出ていたのを覚えている人もいるだろう。今回は2048×2048のマッピングを5枚使うことで滑らかなソフトシャドウを実現している。
また,3DMark05で地味な灰色だった竜はカラフルになり,さらに,NVIDIAのLunaデモに出てきた「Oracle」のように逆光が当たると皮下散乱で薄く透けて見えるようになった。
雪面にはブリン−フォンシェーディングモデルという,わりと一般的な反射体用のシェーダが用いられており,シーン内の金属部分にはシュトラウスシェーディングという,これまた金属系でよく用いられるシェーダが採用されている。
「Red Valley」と名付けられたCPUテストは,87台の「Bots」が物理演算に従って動き回るというもの,CPU負荷を正確に測定するために,2fpsというフレームレートに固定されて実行される。テスト1は高負荷,テスト2は低負荷のものと考えればいい。実行にはAGEIAのPhysXライブラリが使用されているので,今後PhysXアクセラレータが出てきたときには真っ先に試されることになるプログラムといっていいだろう。
青空が広がる「Perlin Noise Test」は,SM3.0で保証されている命令コード長の最大値となる512命令にかなり近い,495命令からなるシェーダを作り込んだ野心作だ。SM3.0部分に特化した高負荷テストである。
昨今は,あれほど重かった3DMark05もすいすい動いてしまうグラフィックスカードがぞろぞろ出てきており,新しい高負荷テストが求められていた。3DMark06では,CPUの新しいトレンドであるデュアルコアや,これから流行りそうな物理演算などについてもいち早く取り入れている。今後4Gamerでも標準テストとして使用していくことになると思われるので,どのような特性を持ったテストなのかをざっと把握しておくのもいいだろう。動作条件はなかなか厳しいが,高性能なPCを持っている人はすぐにでもテストしてみていただきたい。
なお,Basic(無料)版でテストできるのは,Game Test 1/2,HDR/SM3.0 Test 1/2,CPU Test1/2のみ。そのほかのテストには,有料のAdvanced版(19.95ドル)かProfesional版(490ドル)が必要になる。
用意されているテスト項目
- Game Test 1 - Return of Proxycon
- Game Test 2 - Firefly Forest
- HDR/SM 3.0 Test 1 - Canyon Flight
- HDR/SM 3.0 Test 2 - Deep Freeze
- CPU Test 1 - Red Valley
- CPU Test 2 - Red Valley
- Feature Test
3DMark06 Build 1.1.0
日本時間2006年11月30日に,3DMark06のビルドが1.1.0へとアップデートされた。変更内容は以下のとおりで,1.0.2とベンチマークスコアに互換性はない。また,詳細は別途ニュース記事を用意してあるので,興味のある人はそちらをチェックしてもらえれば幸いだ。
- 64bit版を含むWindows Vistaへの対応(64bit版ではAdministrator権限でのみ実行可能)
- Windows Vista上で実行したときのスプラッシュスクリーンを修正
- テスト結果をExcelシートに出力するときに生じていたいくつかの問題を修正
- システム情報(SystemInfo)取得方法の最適化による起動時間の短縮
- システム情報(SystemInfo)の,最新CPU&GPU対応
- 報告され,再現性が確認されたすべての問題の修正
3DMark06 Build 1.1.0(including October07 hotfix)
日本時間2007年11月30日に,2007年10月版HotFixを含んだ最新版がリリースされた。今回はハードウェアの互換性に関するアップデートがメインで,従来のビルド1.1.0とベンチマークスコアの互換性が保たれている。4Gamerでテストした限りではあるが,「起動オプション『-nosysteminfo』を設定しないとATI Radeon HDシリーズで3DMark06を実行できない」問題の解決を確認できたのはトピックといえそうだ。
修正内容は以下のとおり。
- GPUのコア/メモリクロック検知用ライブラリのアップデートによる,新しいハードウェアとの互換性向上
- Direcpll.dll(4.10.1.93),Entech.sys(5.0.1.1),Entech64.sys(5.0.1.1)の3ファイル新規追加
3DMark06 Version 1.1.0(including 0906a update)
日本時間2009年6月2日に,「0906a」アップデートを含んだ最新版がリリースされた。Futuremarkによると,新機器に対応したハードウェア検出コンポーネントが用意され,これまでハードウェア検出に関係して発生していたさまざまな問題が解決されているという。テストスコアに関する言及はないため,影響はないものと思われる。
なお,Futuremarkは以前「Build」表記を好んで使っていたが,最近になって「Version」表記にあらためたため,今回からVersion表記とする。
3DMark06 Version 1.2.0(including 1901 update)
日本時間2010年2月11日に,バージョン「1901」とされる下記アップデートを含む,Version 1.2.0がリリースされた。
- 32スレッド以上が動作する環境で「CPU Test」の「Novodex」が正常にスレッド数を認識できない問題の修正
- SystemInfoコンポーネントのバージョンを3.21.2.1へ引き上げ
バージョンが上がった結果,従来とスコアの互換性が失われているのではないかと思う人もいるだろうが,Futuremarkは,「ベンチマーク機能,スコアの算出方法に変更はない」と明言しており,その点で心配は不要だ。
3DMark06 Version 1.2.1
日本時間2013年2月8日深夜に,Version 1.2.x世代のマイナーアップデートとなるVersion 1.2.1がリリースされた。下記のとおり手が入った結果,Windows 8への正式対応を実現しているのが特徴だ。マイナーアップデートということもあり,ベンチマーク機能やスコアの算出方法に変更はなく,従来のスコアと直接比較してもかまわない。
- SystemInfoコンポーネントのバージョンを4.15へ引き上げ
- OpenALのインストーラを最新版へ引き上げ
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