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[IDF-J 2006#2]PCベースのアーケード基板「TAITO Type X」の今後と,ノートPCの近未来コンセプトモデル
■稼働日が迫る「HALF-LIFE 2 SURVIVOR」詳細と
「TAITO Type X」の今後
まず紹介しておきたいのが,デモ・ショーケースの「通信インフラストラクチャー/エンベデッド・プラットフォーム・パビリオン」に展示されていた,タイトーのアーケード向けタイトル「HALF-LIFE 2 SURVIVOR」である。
HALF-LIFE 2 SURVIVORは,4Gamer読者にはおなじみのFPS「ハーフライフ2」を,業務用(=アーケード用)に改良したもの。プレイ感などについてはAOU 2006のレポートに詳しいので,そちらを参照してほしいが,PCベースの業務用基板「TAITO Type X」上で開発され,動作しているのが特徴だ。
マザーボードはそのものズバリ,TAITO Type X。シルク印刷までされており,ちょっとマニア心をくすぐる感じだ。チップセットはIntel 865Gで,HALF-LIFE 2 SURVIVORではCPUにPentium 4/2.80GHz,メインメモリがPC3200 DDR SDRAM 512MB×2となっており,拡張カードとしてRadeon 9800 Pro搭載グラフィックスカード(グラフィックスメモリ256MB)と,サウンドカード「Sound Blaster Audigy SE」が採用されている。
Sound Blaster Audigy SEは,TAITO Type Xの標準仕様には含まれていない製品だが,タイトーのAM事業本部 AM開発部 VG開発チームの藤本貴文氏は,CPU負荷を下げるためと説明する。オンボードのAC’97 CODECでは,どうしてもゲームに影響のあるレベルでサウンド処理のCPU負荷が高くなってしまうための措置とのことだった。
以前の記事から,HALF-LIFE 2 SURVIVORが5.1chサラウンドシステム「TXSURROUND」を採用しているのを覚えている人もいるだろう。一方,Sound Blasterといえば独自のサラウンドサウンド技術「EAX」が知られているが,HALF-LIFE 2 SURVIVORにおいて,EAXは用いられていない。Sound Blasterはあくまで,CPUの負荷低減目的で利用されているようだ。
ちなみにHALF-LIFE 2 SURVIVORのロケテストはすでに終了し,現在は6月の正式稼働に向けて,ソフトウェア面の最終調整が行われている最中。ロケテストは好評で,とくに「ハーフライフ2の名前は知っていたが,自宅にプレイできる環境がなかった」「FPSをプレイしたことがなかった」といった人達が,リピーターになる率が高かったという。
PC版FPSからのアーケード移植作としては,「カウンターストライク ネオ」が先行しているが,マウスとキーボードが用意されている同タイトルとは異なるアプローチで,“非FPSプレイヤー”を引き入れようとするHALF-LIFE 2 SURVIVORには,今後も注目していきたい。
さて,2006年春の時点では,スペックが若干古めになってきたTAITO Type Xだが,次世代版の登場は 「まだ先」(藤本氏)とのこと。ただ,開発はもちろん進んでいるとのことで,2007年には何か動きがありそうだ。また,プログラマブルシェーダ3.0(Shader Model 3.0,以下SM3.0)対応という意味では,GeForce 7800 GS AGPがあるので,グラフィックスカードを差し替えればすぐにでも可能という見解を示していた。TAITO Type X対応タイトルがSM3.0世代のグラフィックスを投入してくる日は意外と近い可能性がある。
■将来のゲーム用ノートPCもこんな感じに?
IntelがノートPCのコンセプトモデルを展示
このほか,来場者の注目を集めていたのは,デモ・ショーケースの「モビリティー・パビリオン」でIntelが展示していた,ノートPCのコンセプトモデルが挙げられる。以下,写真とともに説明していきたい。
UMPCの実機を除いては,どれもあくまで「ノートPCの使い方の将来像」を提示するコンセプトであるから,このまま製品化されるわけではない。ただ,どれも「これでゲームができるなら面白いかも」とは,十分に感じられた。今後,無線LANなどが普及すると,さまざまな局面でノートPCを使用する可能性が高くなるはずで,こういったアイデアが“正しく”製品として結実すれば,ゲーマーとしても見逃せない存在になるのではなかろうか。ちなみに,個人的にはMontevallo 12”の実用性がかなり高いと感じた。
■実用化に向けて着実に進むワイヤレスUSB
同社は,ワイヤレスUSB対応デジタルカメラとワイヤレスUSBアダプタを利用して,デジタルカメラで撮影した画像を無線で転送し,さらに,ワイヤレスUSB対応ハブに接続した(ワイヤードの)プリンタから出力するというデモを行っていた。
現時点では,日本国内において,ワイヤレスUSBが採用する無線通信技術「UWB」を利用することは法律的にできないのだが(会場内のデモは,実験局免許を取得して行っている),Wisarによれば,2006年7月には,国内でもUWBの利用許可が下りる見通しとのこと。近い将来には,ワイヤレスUSB接続のゲーム用入力デバイスなども登場してきそうだ。(石井英男)
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