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[韓国最新ゲーム事情#269]WoWの襲来で,なんだか寂しいKAMEX 2004
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印刷2004/11/26 19:47

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[韓国最新ゲーム事情#269]WoWの襲来で,なんだか寂しいKAMEX 2004
2004/11/26 19:47
KAMEX 2004の入り口。ビジネスデー初日だからか,なんだか寂しい
Kimの韓国最新PCゲーム事情#269

WoWの襲来で,なんだか寂しいKAMEX 2004(2004/11/26)

Text by Kim Dong Wook特派員

 今年で10回めを迎える,韓国最大のゲームショウKAMEX 2004。今回も例年通り,冬が始まろうというこの時期にソウルのCOEXで開幕された。前回よりも少ない約50のメーカーが出展しているだけで,"韓国オンラインゲーム業界の巨人達"と呼ばれるNC Soft社NEXON社WEBZEN社などは出展なしという,非常に寂しい状況となっている。

 とはいえ,韓国オンラインゲーム市場に激震を与えたBlizzard Entertainment社「World of Warcraft」(以下,WoW),MMO界の新風CCR社「RF Online」,そしてJC Entertainment社セガが共同で開発中の「シェンムーオンライン」などは出展されていて,観客動員数に大きく貢献している。

上段左:Blizzard EntertainmentのWorld of Warcraftブース。WoWクライアントCDパッケージを大量配布中だ 上段中央:現在韓国全土を巡回中の,"WoWバス"がブース内に登場 上段右:一度WoWをプレイすれば,後ろの順番待ちの人を無視するほどに夢中に…… 下段左:RF OnlineのACCRESIA種族のキャラクターモデルと,記念撮影イベント 下段中央:RF Onlineは,ブースが3か所に分けてられているというユニークな展示方法で,観覧客達を楽しませていた 下段右:シェンムーオンラインの超大型ブース。香港の町をイメージした雰囲気


すっかりお馴染みになった,Gravity社ブースメイン舞台での○×クイズイベント
 全出展メーカーの中で,Gravity社NHN社CCR社など,オンラインゲーム会社は約10社ゲーム科学高校や各大学のゲーム学科など教育機関系が六つ,そのほかはモバイル系とアーケードゲームメーカーが大部分を占めているので,正直にいって,"オンラインゲーム大国"と呼ばれている韓国で開催されたゲームショウだと考えると,恥ずかしいほどの状況だ。日本のゲームショウに家庭用ゲーム機が出展されていないような状況,とでもいえばよいだろうか。
 これほどまでにオンラインゲーム会社の出展が少ないのは,韓国オンラインゲーム業界全般の不況のため,マーケティング資金が不足しているというのが最大の理由だが,"怪物"WoWを避けたメーカーも多かったのではないだろうか
 あるMMORPG開発会社の関係者は,「WoWが出展されれば,そちらに観客が流れるのは明らか。うちの作品とWoWを比較されるだけでまったく得にならないと判断したので,出展を諦めた」と語っていたほどだ。

上段左:Gravity社ブースの入り口では,ラグナロク ジ・アニメーションのプロモムービーが上映されている 上段中央:舞台に立つ,Gravityブースのコンパニオン達 上段右:日本のあるプレイヤーが作った,「RAGNAROK BATTLE」も一般に初公開。PCパッケージゲームとして発売予定だ 下段左:GAMANIA KOREAブースでは,新感覚ロボットアクションオンラインゲーム「ROBOTIOR」を展示中 下段中央:「A3」の開発元であるAniPark社のホバーボードアクションゲーム「ASDF」のブース 下段右:韓国初のオンライン競馬ゲーム「競馬王」も出展


 両巨頭ともいえるNC Soft社もNEXON社も,それぞれ「Guild Wars」「Mabinogi」(マビノギ)を出展させるべき時期だが,やはりWoWとの正面対決を避けたと考えられる。もっとも,KAMEXの主催者側のトップがGravity社のKim, Jumg Ryul会長であるため,これまでの大手メーカー達もKAMEXで割を食ってきたという経緯があり,それが理由だろうという声も多い。
 「Hangame」(ハンゲーム)を運営するNHN社は出展しているものの,これまでに約10億円ものコストをかけて鋭意開発中のMMORPG「Arch Lord」は展示なし。「あなたはゴルフ王」(「こちら」参照)のみを超巨大ブースで大々的に宣伝していた。

 なんにせよ,WoWは韓国オンラインゲーム市場を再編しただけでなく,韓国のゲームショウまで支配してしまった……と感じるKAMEXとなった。
 勇敢にも(?)出展したCCR社は,RF Onlineの値下げに至った出来事(「こちら」参照)を経て,これ以上失態を犯さないようにといった背水の陣で,この冬休みの勝者となるべくKAMEX出展に全力を尽くしているようだった。

上段左:「あなたはゴルフ王」ブースの入り口 上段中央:「あなたはゴルフ王」をプレイできる試遊台 上段右:珍しく外国人女性モデルまで起用して積極的に広報中だ 下段左:超巨大なスペースを確保しているNHN社のブース 下段中央:WoWブースの弓術イベント 下段右:RF Onlineの中央ブース


RF Onlineのコンパニオン
 今年で10回めとなるKAMEXは,まだE3や東京ゲームショウと比べるほどの規模に成長していないが,"展示会"というイベント文化そのものの成熟度で見ても,未熟であるといえるだろう。コンパニオンを並べて大きな声でゲームの長所を説明させたり,クイズイベントやプレゼントイベントを行ったりと,海外のゲームショウを"見た目"だけ真似てはいるが,観客やプレスに対する"思いやり"はまだまだ不足している。

 11月25日の発表によると,KAMEXは2005年からさらに規模を大きくして,"世界的なゲームショウ"として開催していくようだ。
 ところで,韓国政府内で,ゲームに関係する業務を行う組織は二つある。ゲームを文化的な側面で捉える"文化観光部"(日本の文部科学省にあたる)と,情報通信関連産業として捉える"情報通信部"だ。この二つの部は,これまで別々にゲームショウを開催してきた(文化観光部がKAMEX,情報通信部がSOFT EXPO)が,今後世界的なゲームショウを韓国で開催するにあたって,一本化の必要性が出てきた。この二つの部が,2005年に初めて共同で開催するのが,新しく生まれ変わったKAMEXとなる。
 この世界的なゲームショウになるというKAMEX 2005が,成熟した展示会となることを期待する。

 ……とこれまでやや厳しめに筆を進めてみたが,そうはいってもオンラインゲーム大国である韓国でのゲームショウ。4Gamer読者にとっても関心のある作品もあることだろう。このあとも,レポートを続けていくので,乞うご期待。

左:一番多くの観客が集まったRagnarokブース 中央:有名プロゲーマー達が並ぶ,「あなたはゴルフ王」イベント戦の大型ポスター 右:プロゲーマー達のゴルフ対決の模様は生中継された


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